週刊少年チャンピオン - 豚か狼か

殺す覚悟              板垣巴留『ビースターズ』

週刊少年チャンピオン
06 /27 2017


 例えそれが『偽善』とか『ええかっこしい』とかであったとしても、『命は大事』というのは人間の持つ素晴らしい勘違いだと思います。若い頃はそういう考え方が嫌いだったんですが、今はちょっと感じ方が変わってきた。願うって気持ちは悪く無いもんです。それは動物には到達できない心理だから。



 動物には『命は大事』という考え方は無い。命に対する知性は無い。




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 今回の『ビースターズ』の興味深いところは殺人に対して動揺が無いというコト。ここら辺、動物と人間の中間的な立ち位置になっている『ビースターズ』ならではであろう。


 この世界観であると、そういうのは『原則ルール』というヤツで『法律』よりも拘束力が弱いのかもしんない。殺人事件に対して、割とぞんざいなんかな?市長でも握りつぶせるみたいだし。



 しかし、バイオレンスパンダ曰く『肉なんかより笹食べた方がパワー出るぜ!!』の発想はスゲー!!ガキの頃によく観てた『ポパイ』かよ!!






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お前らみたいなのは身分相応に……        掛丸翔『少年ラケット』

週刊少年チャンピオン
06 /26 2017


 そのジャンルが成立するにはライト層の獲得ってとても大事だ。フワフワしていずれ離れてしまう人でも、そういう人たちからディープな方に成長して支える。で、かつてのライト層は『け、ニワカが…』なんて驕らないというのも大事です。



 スポーツもまたライト層が支えている。最近爆発的に増えたのはやはり自転車なんですが、自分は『ストレス発散』とか『健康目的』であり、ガチ勢からはほど遠い。だけどちょっとばかり競技かじったヤツにデカいツラさせないぜとは思う。これを読まれている方で何かのジャンルを嗜んでいるかもですが、ライト層だからと言って守るべくマナー等に問題なければ、たかがガチ勢程度にデカいツラさせなくていいし、そういうヤツの言うコト『嫌い』で済ませて良いです。



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 身分相応



 …身分相応?この言葉の意味を理解したくない。理解などしてやんねー。



 今回の『少年ラケット』は『俺たちは部活を楽しんでいる』というスタンスのコンビガ描かれてます。ここら辺は掛丸先生の作品らしい。以前、宮原兄もそういう気配りをしてたしね。掛丸先生は『少年ラケット』を通じての願いとしては『卓球人口増えますように』というのがあって、ガチ勢をヒイキするものではありません(そういう作品だったら俺読まねーぞ)。確かに最近の日本卓球の躍進しは目覚しいけど、『それだけじゃないよ。こういう人たちが居るから卓球は成立しているんだよ』というのも描いている。



 そして、そういう人たちが『よし、俺たちも頑張るか!!』となったら、それはそれで素晴らしい!!というのも描いているのが今回だ。こういう時に『ちょっとばかり上手いヤツ』が身分相応なんて言っちゃいますが、特大ブーメランだよな。首チョンパされちまえ。



 身分相応なんて言葉に従わない。


逃げたくない…への憧れ             西修『魔入りました!入間くん』

週刊少年チャンピオン
06 /26 2017



 『修羅の門』の主人公・陸奥九十九は不敗の古武術使いだけに絶対に負けない。負ける時は死ぬ時であり、それはそれ以上の物語が展開しないのである。じゃあ、このマンガはイマドキの『何でも才能だけで勝ってしまう!!いけ好かない主人公なのか?』と聞かれたらとんでも無い!!俺のマンガ人生の中でトップクラスに好きな主人公である。


 戦っている最中に恐怖を押さえ込んでいるから。対イグナシオ戦においては『すごいなぁ…すごすぎて逃げ出したいぐらいだ』と恐怖しているが、続いてだが俺は陸奥九十九だ!!と克己しているのがいい。


 逃げたいけど、逃げたくない……そんな気持ちと戦っているキャラクターに自分は味方したいんです。



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 先週の記事にて『豪胆さが魅力な主人公』と書きましたが、誤解無いように書き加える。『逃げたいけど、逃げたくない豪胆さ』というコト。そんな入間くんが回を追うごとにますます魅力的になっている!!



 マンガというのは作者(と編集者等の送り手)と読者のガチバトルである!!



 なので、読み手である俺としては安っぽく同意したくないという意地もありますが、これはもう『魅力的な主人公』として味方せざる得ない。読んで主人公の頑張りをエネルギーに変換して、明日への活力になる!!



 今回の巻頭カラーは『入間くんはそういう主人公』というイメージが完全に定着して。なんつーか、歯車が嚙み合ったかのような心地良さだ!!



 『巻頭カラー嬉しいです!お母さん見てる!?先頭だよ!!』のコメントにはホッコリしてしまいましたが。




 

必要?不必要?           田中優吏『パンキー』

週刊少年チャンピオン
06 /25 2017


 望月三起也先生は偉大である!!


 …というのは当ブログでよく書いてますが『マンガでのお約束』に疑問を感じて作品に反映させる……という意味でも攻めに攻めている作家性であった。単行本のあとがきにて『当時のマンガで気に入らなかったのはガンアクションだ。チョンマゲを手に乗っけたようなタッチで何発も発射しやがる…』と。当時のマンガは今以上に『子供の読むものなんてこんな感じでいい』という空気が強く、今以上に資料が不足していた時代であった。


 こうして望月先生の描きあげたガンアクションは時代を超え、今でも十二分に通用するディテールがある。もし、望月先生が『マンガはこういう程度でいい…』と妥協していたのならばマンガの歴史は変わったと思うんですよね。


 マンガというのは多数決で決めるようなトコロはありますが、新しい発案は常に少数派だ。




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 さて、田中優吏先生の『パンキー』であるが、実に楽しい作品であった。サルにクライムアクションをやらせるという発想がいい。俺の大好きな『スタンダード+1』というヤツで。サルが主人公という突飛な設定に対して、下地がよく練りこまれた安定感がある。特に敵役のジムのキャラが立っていて、パンキーの個性に負けない魅力があるのは秀逸。ほら、ジムって何か憎めないトコロありますよね…。



 ただ、もったいないなあ…と感じるのがディテールだ。拳銃一つにしてもメーカーとかスペックとか明確になるぐらいのディテールは欲しい。また、拳銃ひとつとっても用途も変わってくる。ここら辺を抑えておけば作品に深みが出ると思うのです。そして、こういう作品が好きなヤツって、やっぱりディテールにうるさいですからね~。俺もマンガでバイクが出ると『ヤボなツッコミ』と分かってはいるけど、『これは無いよなぁ』とか。ンなコト言ったらエロゲーではじめて同士なのにイカせてしまうというのもアレですが、アレはファンタ自慰というコトで(言ってるコト違うじゃん)。


 あとはコマ割をもっとダイナミックにするといいかな~。



 …と言っても、それは基礎がミッチリできているからの希望であって、やっぱり面白い作品だからこその期待ではあります。

マトモでいてくれ        古川一・白土悠介『虚ろう君と』

週刊少年チャンピオン
06 /24 2017

 『この世界の片隅に』でかつての旧知の軍人が主人公すず(亭主持ち)の家に泊まりにくる。人によって感想は様々だと思いますが、自分がこの映画で一番印象に残っているシーンはココですね。


 『すず、お前だけはマトモでいてくれ』


 …って、願う言葉がとても印象に残ってます。かつて、すずのコトが好きだった彼の気持ちが一番響きましたね~。『マトモでいてくれ』っていう願いが。



 そして、思う。



 マトモを継続するのはとても難しい、と。




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 ひょっとしたら打ち切りを心配していた『虚ろう君と』ですが、次回はセンターカラー&二本立てというチャンピオンプッシュがはじまりましたぜ!!ここは倍プッシュだ!!



 『虚ろう君と』における主人公・知理はとてもマトモな人間である。


 虚人が視えるというコト、さなかという虚人と通じているというコトは非日常であるが、むしろ常人のそれよりマトモであるのだ。



 今回、徹が襲われた理由が判明します、作中でも描かれたように『それは自業自得』なんです。普通の人にとって。俺が知理だったら『ざまぁ』と思うよ。


 ところが知理はそれに対して『やりきれない気持ち』に至ってしまう。彼はマトモ過ぎるんですよね。これから戦いが過激化するにあたって、これは危ない兆候ではあります。狂気の中にあって、マトモ過ぎるヤツは本当に危ない。狂気に対しては簡単に自我を失い流されるのが普通であるんです。マトモ=普通という図式じゃないんですよね。



 まあ、とりあえず、チャンピオンがプッシュしてくれてホッとした自分が居ます。こういうマンガは好きなんだけど、大多数の読者的にどうなんだろ…というのがあったので。


キャラ崩壊            山田胡瓜『AIの遺電子』

週刊少年チャンピオン
06 /24 2017


 ニセモノエピソードが好きというのは度々書いてますが、これはもう『ギャップを楽しむ』というのがあるんですよね。


 まず、ニセモノエピソードは『見ている側にはバレバレ』という前提がある。もれなく。或いは『いくらなんでもニセモノだろ』と分かった上で見せちゃうんですよね。にも関わらず他のキャラクターは『気が付かない』というのがあって、ここら辺で一気にコメディ感がアップします。そのキャラクターが日頃のイメージが良いと尚更に。



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 今回の『AIの遺電子』のそーいうトコロ最高です。今更の壁ドン美味しゅうございました。おそらく描いていた山田胡瓜先生が一番楽しんでいたのではなかろうか?


 サバチャンが久々に再登場しましたが、このコが報われるコトは今後も無さそうですね…。


結果こそ全て…では無い           佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』

週刊少年チャンピオン
06 /23 2017


 『結果こそ全て!!結果を出したモノが全てを手にする資格がある!!』



 …という考え方が加速しているように感じますが、『それは貧しいな』と思います。だけど『負けの美学』というのも賛同している訳ではありません。結果というのは一点だけであって、結果には必ず過程があるからです。過程を軽視するのは『貧しい』と考えているからです。


 そして思うんですけど『結果こそ全て』で括れるほどに世の中は単純じゃないんですよね。結果を出した者は『一人でできた訳じゃない』と考えられないんでしょうか?他人が居るから結果があるんです。これは感情論とかそういうのでなくて、現実として。人はそういう生き物だからです。



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 『結果こそ全て』と考えるならば、主人公・鮫島は結果を出してない。相撲取りはやはり横綱が最高峰である。


 じゃあ、このマンガは『負けの美学』という訳でも無い。あらゆる人生が描かれている。そう、世の中はあらゆる人生で成り立っているんです。結果だけ出したヤツを見てるだけでいいのかな…という疑問符だ。マンガの感じ方に正解はありませんが、このマンガの自由度こそが『鮫島』を成り立たせているように感じます。



 ところで、久々に橋くん出てきたな~。勇チャンは嬉しいぞ!!彼女とはよろしくやってんの?




弱さを見せられる人           小沢としお『Gメン』

週刊少年チャンピオン
06 /23 2017


 人の信頼関係はイロイロあります。



 個人的に『これはガチだな』と思うのが、二人になった時に『弱さを見せられる人』だと思います。いや、ダメダメなヤツがいくら弱さを見せても効果無いけど、日頃シッカリしてキリッとしている人が弱さを見せてくれると本能的にキュンとすると思いますよ。



 これはマンガのキャラクターを魅せるテクニックでもあると思うのですが、イマイチキャラに厚みが感じられない場合は、そういう『弱さ』が描けてない可能性もある。



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 コレは使える!!



 気になるあの子を落とすならば、弱さを見せましょう。これで陥落しやすくなるはずだ!!



 まあ、先にも書いたように『なら普段シッカリしてろよ』というのはあるんですが。



 そして、ラストのコマも今回良かったですね~。小沢先生はこういうドラマが本当に巧い。説得力がキチンと作品の中に落としこまれてますよね。



ベタベタ展開           安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』

週刊少年チャンピオン
06 /23 2017


 しばしば書いているコトですが、『本来、人間は横着で保守的』だと思ってます。新しいコトにチャレンジするのを嫌う。マンガを料理に例える方がいて自分もソッチ派なんですが、料理もまた食べる側も『保守的で横着』なんですよね。じゃなきゃ、チェーン店がこんなに増えたりしないし。


 マンガのベタベタもアリなんです。マンガは娯楽であるから。



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 新キャラはベタベタであつた!!



 まるで『無個性であることが個性』と言わんばかりの設定です。それにしても『スクープ命の新聞部』というのは俺がガキの頃からあって、今も安定しているという謎物件!!まるでシーラカンスのように生き延びている!!


 が、『これが面白い』『安部先生はこれがいい』と感じてしまうから成功だ。安定して、お望みのものを食べさせてくれる技量がある。


 そう、これは誰にでもできるコトじゃないんです。今回は予告に『新キャラ登場』というのがあって、ここで『変化』をつけてきますが、ここら辺のテクニックが巧いんですよ。



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 『あ、この科学部もいずれ出るんだ。それにしてもベタベタだな』と冒頭でコントロールしているんですよね。これって、絶対、メガネ外したら美人orカワイイってキャラで『どこまでベタベタなんだよ!!』と読者にツッコミさせるから巧いんです。むしろ『ソデが余っていないとダメだろ』とすら思えてしまう。偉大なり『オバQ』のハカセ!!『艦これ』の巻雲にも受け継がれているぞ!!




 しかし、先週の『白衣バトルは再び』なのか?

あれが花山だ…いや、花山なんだけど           板垣恵介『花山道』          

週刊少年チャンピオン
06 /22 2017


 寺沢武一先生の歴史的傑作『コブラ』!!


 主人公・コブラの惚れ惚れする強さの象徴として、左腕に仕込んだサイコガン!!コイツで倒せない敵などいない……と読者が認識し始めて、二巻になってピンチ発生!!宿敵・クリスタルボーイには全く効かないのだ!!透明のボディがサイコガンの攻撃をスルリと通過してしまう!!


 当時の俺はハラハラしながら読んだものです。そして、それに対するアンサーも素晴らしかった。コブラは言う切り札ってのは最後までとっておくもんさと。



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 どーせ、効かないんだろ?



 …他の読者はどうだか知らないけど、少なくとも俺は『もうそう思っちゃっている』のよ。ここら辺が、『バキ』から酷くなってきて、『範馬刃牙』になっては慢性化する。クリーンヒットしても相手には全く効いてない。いや、それに対するアンサーがあれば良い。『コブラ』のように。マンガであってもマンガであれば。が、『グラップラー』の頃はシッカリしていた、コレはおざなりになっている。俺が『グラップラー』をいまだに最高峰とするのはアンサーがシッカリしてたから。


 鎬兄戦だと『対勇次郎用にとっておいた秘密兵器!!』というのにワクワクして、その必殺技もマンガ理論であるけど、そういうのが見たいんだよ!!何でピクルがトラックに轢かれてもノーダメージなのに、鞭打が効くのか?いや、それが効くのはいいけど、もっとマンガ映えするようなアンサーにしてくれ。板垣先生なら出来る!!出来るのだ!!ここ最近、復調したように感じるのだから、マジで!!『予想を裏切り、期待を裏切らない』というキャッチフレーズがあるんだから。


宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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