瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』 - 豚か狼か
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飛び込め!!         瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
04 /09 2019


 嫌なコト・許せないコトと戦える勇気を持つコト



 …というのが『帰ってきたウルトラマン』の最終回、主人公最後のセリフなんですが、やはり自分に大きく影響を与えた考え方ですね。世の中というのは『議論』というのがありますが、そんなに自身に重要なコトなのか?なんでもできるほど力を持っている訳でも無い。正しいコトで世の中が回っていく訳が無いじゃないか…って。


 マンガとかヒーローみたいなのに憧れが常にありますが、俺は理想を掲げて大多数を引き込む政治的な思想は納得しないな~。目の前でイヤなコトがあったらイヤたって言って、善悪の議論カッ飛ばして……時には悪党だって助けちゃうってヤツが大好きなんですよね。俺の前で善悪の議論ってのはあんまり意味が無いし、俺自身『それでいい』って思っちゃっているんですよね。



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 なんと!!また『囚人リク』について書く機会が!!



 そして、この回というのは『囚人リク』を象徴しているような回でもあったからしてとても嬉しい。やっぱり各々にとっての『囚人リク』っていうのがありますが、自分にとっては『嫌なコト・許せないコトと戦える勇気を持つコト』というのがこの作品の根幹なんですよ。だって俺、『それでいい』って思っているから。それでいいって言う作品がこの世に在るっていうのが嬉しいんだよね。



 こうしてチャンピオン誌に載っているのを改めて読むと当時の記憶が蘇えるな~。全38って七年も続いた作品ですが、一話も途切れずにリアルタイムで感想書けたのも『二度とないであろう充実した経験』になりました。



 やはりチャンピオン誌には瀬口忍先生が必要だ。今度はどんな作品になるだろう?だけど、分かっているコトがある。『嫌なコト・許せないコトと戦える勇気を持った主人公』ってコトだ。ためらいなく飛び込めるヤツだ。今蚊等そのニューヒーローを渇望しながら待っている!!言っとくが俺はしつこい。



 
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江田史郎          瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
01 /15 2019


 さて、コチラも最終回の『ボスレノマ』なんですが




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 不思議のシンミリを感じ無いんですよね……。なんつーか『日常の囚人リク』にでもなっちゃったんでしょうか?




 で、最終回に登場したのが江田史郎なんですが、この男は『イマイチついて無いな~』ってのがありますね。過小評価的な。



 そもそも彼は、この世界ではトップクラスの豪腕家なんです。レノマとタイマンやって互角なのは彼であり、最もケンカしたのも史郎なんです。



 瀬口忍先生はそれこそ『あの時出てきたアイツ』みたいなキャラも粗末にしない人なんですが、それでもこの江田史郎には格段の思い入れを感じるんですよね。



 ただ、使いドコロが難しかったのかも?



 彼みたいな人情家であり、お人好しは『囚人リク』という世界ではなかなか発揮できなかったのかもしれない。あと肝心なトコロではレノマに倒されなきゃなんないとか。今回も史郎が勝っちゃったら歯切れ悪いラストになったしなあ~。







 おそらく瀬口先生の載ってないチャンピオン誌は時間をおいて物足りなさとして効いてくるような予感がある。できるだけ早く復帰いただけると嬉しいです。お疲れさま…というにはまだ早い!!もっともっとチャンピオン誌で描いて頂きたいのですから。

他人をアテにしてんじゃあない!!     瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
01 /02 2019


 Twitterというのは情報収集に便利ではありますが、その麻薬的な部分も警戒せねばならない。


 
 その中では政治・社会に関するツイートが流れてきて『なるほど』とか『これは問題視しないと』というのもありますが、肝心なコトを忘れてはならない気がする。これに関しては自身の見解であるが①うぬぼれない。自分のコトは自分の範囲でしか叶わない②他人に何かしてもらおうというのは筋違い…というのがある。なので仮に政治が良くなって素晴らしい未来になったとしても①それは自身が何かした訳ではない。②でも自分の人生の問題は必ず控えているから、それは政治でなく自分で何とかなるコトは自分で何とかしろ…と考えてます。


 ウルトラ五つの誓いでは『他人の力を頼りにしないこと』というのが掲げられてますが、自分はそう考えてます。




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 レノマがブン殴ったのは良く分かります。



 …というか、この作品で『最も描きたかったのはここではないか?』とすら思えてくる。他人に理不尽に支配されるのは『持たざるものだから仕方ないコト』でもある。自分がこの状況になったら『そうなるだろう』とも思います。が、それが改善されたからと言って『甘やかされていいという理由にはならない』というコト。


 膳所のしたコトは恐怖支配によって『人の人生を膳所本人に使わせた』というコト。

 レノマのしたコトは恐怖支配を無くして『自分の人生を自分自身に使う機会を与えた』というコト。


 人生は自分のもの。他人に委ねちゃいけないというコト。




 ほら、やっぱり全然違うじゃないか。





 …それにして次回最終回か~。外伝だし、このぐらいのボリュームが良いよね。で、その次は『弁護士・田中一郎』が始まるんかな?『ヤツめ、綻びを見せたな!!』とか言って変なポーズをキメるんですよ。


表現模索中       瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
12 /19 2018


 Twitterマンガで『バズる』というのは名誉なコトではあるが『見せ場でヒロインをかああぁぁッと赤面させればいい!!』と乱暴な意見を聞いたが、実際『鳴かず飛ばずの柳下のドジョウ』なマンガも多くあるだろう。



 そして『表現者のはしくれ』であれば『なにおうッ!!そんなマンガ文法なんかに頼らなくってもできらぁッ!!』と鼻息荒くするタイプの当然居るだろう。どっちが正解って訳でも無いけど、まあ個人的にはそういうマンガ家さんは大好きですし肩入れしたくもなります。




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 正月近いから……福笑い?



 ギャグにも見えなくもないのですが、やはりどうも笑えないし真剣に見てしまっている自分に気づいた。これは空虚な膳所の心理描写をイメージしたものであるが、今回はまたずいぶんとチャレンジングな絵が連発されている。それに対しての説明も無いし、それに対する自分なりの推察をつらつらと書くのも野暮であろう。全ては各々の読者が感じればいいし、なんならゲラゲラ笑ってもいいと感じます。



 が、妙に『引っかかり』を感じたのですが、精神的に追い詰められている膳所には『顔から汗』というお約束のマンガ記号の一切が封印されている。これはちょっと驚きですらある。マンガにおいて『顔から汗』はキャパを超えて追い詰められているという記号であるし、その汗の量が多いほどに『ヤバさが比例する』という共通認識だ。


 今回の膳所にはその描写が無い。


 無いのであるが、精神的に追い詰められていく膳所の焦り・空虚さが如実に感じられる。マンガの表現は年がら年中模索中でまだまだ掘り起こせるだろう。



目の力         瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
12 /10 2018



 マンガの絵について考えると、やはり『目』は最重要パーツってのは以前も書いた通りです。


 2000年代初頭の頃は萌え絵が最盛期だった気もしますが、『ハンコ絵』というのが流行った。が、やはり絵のトレンドは流動するもので技術は求められているように感じます。たひたび書いてますが『艦これ』における藤川さんのキャラ絵がとても好きで憧れでもあります。特に夕雲型はサッカーできるぐらいメンツ揃っているのに目のパーツだけで誰だか分かっちゃうんですよね~。


 なんつーか、読者というのは『目を真っ先に見る』っていうのがマンガ法則に存在すると思う。これは『本能』とか『習性』みたいなもので。だとすると『読者の見る時間・タイミングをコントロールするのがマンガの技術』な訳でコイツを活用しない手は無い。面白いマンガはほぼ間違いなく『目の魅力がある』のだ。これは流行り廃れの問題ではない。





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 当然、瀬口先生も!!



 当たり前の話ですが、レノマ絶体絶命のピンチの反撃において目が死んでいたらギャグにしかなんないというコト。この場面においては『ありったけのの力を眼球にブチ込む!!』ぐらいでないとダメだ。


 いろんなマンガ家さんが、描いている時に『そのキャラの表情になる』という意見をしばしば言っていたが、それは納得というか『そうでないと良い作品にならない』という気がする。こうしてると『AIの進化が脅威!!萌え絵まで描いちゃう!!』とかありますが、ここら辺の領域はどうなっているのだろう?という気もする。



 読者は本能とか習性で読んでいるのだから、マンガ家もそうしているし、AIとかは永遠にたどり着けない領域なのかもしれない。『確かにうまいんだけど、何か足りないんだよな』って。



訳が分からない       瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
12 /01 2018

 古典映画『ベストキッド』なんですが、いじめられっ子のダニエル君は奇妙な格闘技を使うミヤギ老人に俺にも習わせてとお願いするのですが、来る日も来る日も『ワックスがけ』と『雑巾がけ』をやってて気持ちが腐ってきました。



 『くそっ!!こんなコトして何になるんだ?』



 まあ、実は空手において大事な基礎練習だった訳ですが『ンな訳ねーだろ!!』とツッコミしたくなるのも道理でしょう。


 ただ、映画のみならずマンガなんかでも『訳の分からないシーン』ってのはいいですね~。




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 なぜ餅つき?



 そもそもこの近未来のマンガに於いて『餅つき』などというのは知らないヤツのが多いのではなかろうか?田舎暮らしの俺でも餅つきなんて滅多見ない……って、違うそうじゃない。



 突然始まった餅つきとマンガとの関連性が全く見いだせないのがスゴイ。



 ちょっと前にマンガは無駄な要素は禁止と書きましたが、ちょっと違いましたね。こういう謎場面というのはマンガに命を吹き込む。前作『囚人リク』であると開始当初はアツいマンガでありましたが、ストーリーが進むにしたがって形容し難い謎シーンが増えてきた。多分、田中一郎の謎ポーズがキッカケですよね。



 このコト自体にストーリーを大きく乱すコトもないのですが、瀬口先生独特の謎シーンは妙な中毒性があるなあ。


孤独は…             瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
11 /26 2018


 ヤツを孤独にし、友人などは一切与えない!!孤独は人間をカラッポにするものなーーーーッ!!




 ……!!



 当時、中学生であった俺は始まったばかりの『ジョジョ』を読んで衝撃を受けた!!主人公・ジョジョに対して運命のライバルとも言えるディオ!!頭脳明晰&腕っ節も強いパーフェクトな男!!



 なんてミミッチイ真似を……という意味で衝撃であった。が、時間差でやってくる『いや、これってブン殴るとか学力スペックの差を見せ付けて劣等感味あわせるより効果的だろ!!』と考えたら『あれ?やっぱりディオってスゲェやつなの?』となりました。




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 まさか30年以上経って、再びこの作戦を目にするとは思わなかったよ……。



 ディオは『こんなのもあるんだ!!』と見たコトも無い花火で周囲を買収しましたが、コチラは板チョコであり、スーパーで100円位で買えるコト考えると40円分ぐらい…?



 あ~でも『これも分かる』なあ。俺も牢屋にブチ込まれて何年も囚役するならば、多分『こういうもの』がたまらなく食べたくなると思うんですよね。値段の高いものとかでなくて、こういうの。



 そして、孤独に対してイラついてしまっている膳所にもやはり人間はあったのですね。彼にとっては他人とは『利用する道具』程度なのかもしれませんが、それでも『着ている服がはがされる』というのは心もとないものなのかもしれません。


悪人            瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
11 /18 2018


 アニメ・マンガに限らず『憎しみにとらわれてはならない!!無心たれ!!』みたいな言葉に諭される主人公を見ると『ダッセー』とか思いますね。そんなんで忘れられるか!!納得できない!!



 むしろ『憎しみをガソリンにして戦う』のが当たり前だと思ってるんですよ。もちろんそういう作品もありなんですが、自分が作る立場なら絶対にそんなコトはしないですね。俺はかなり執念深い性格してますし。



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 今回の『囚人リク』はスゲー解かる。レノマの視点も、和邇(わに)の視点も。



 ドス黒い感情を表に出すと『死なないかな』って心当たりあるヤツは当然います。フツーに生きていればよっぽど運が良くなければ『当然いる』という意味で。



 でも、そんなヤツでも『他の誰かにとってはイイヤツ』だったりします。『パワハラ上司』も我が子には『優しいお父さん』だったりするみたいにね。だからこそ余計に憎しみが沸き立つんですけどね。


 レノマがどう思ったか知らないけど、俺がその立場だったら『ブッ殺すのにブレーキかけなくていいな…』ってなっちゃうな~。そういう状況が来て欲しく無いし、近づいてきたら極力逃げますけどね。



 また、和邇の方もレノマの憎しみが強すぎて余計なコトして負けた。これが感情が介入しない『ただの殺し合い』であったのならば勝っていたんですよね。



 殺し合いの中で魅せた人間ドラマでした。

ユウチャマン          瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
11 /05 2018


 マンガは画力なくてもアイディアで勝負できる



 …という認識は『それなりにマンガを考えている人の領域』と感じている。マンガをフツーに楽しむ方は『絵は描けないけどストーリーならできる』って考えるからね。自分もそういう感じに考え方の段階踏んでいるし。



 が、それも『当たりではあるがハズレでもある』というコト。なるほどと思った意見に『ゲーム機のハード性能は高いほど良い。ファミコンでテトリスは作れるけど、モンハンは作れない』というのがあって、これはマンガにも当てはまる。もし、実現したいアイディアに画力が要求されるのであれば普段はそれこそ棒人間であっても、高い画力が必要になってくる。



 ぶっちゃけ、マンガというのは『誰にでも描ける』ものなんですが、同時に『誰も描けないもの』でもあるんです。



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 この絵、このシーンと相まってゲラゲラ笑っちゃったんですが、これは瀬口先生の画力あってものコトなんですよね。ユウチャマン…というワードのギャップがこらまた最高です。これがいつものタッチだったら『こうはいかない』というのがあって、やっぱりマンガ家は『あらゆる柔軟性』を要求される仕事だと感じます。



 別件ですが『間の悪い奴ってのはとことん間が合わない』ってのは数字による根拠とかなくて経験則なんですけど、すごい解かる感がハンパ無いなあ。そういう相性悪い人いますよね。お互いに悪意とか無いのにどうしてもそうなっちゃうって人が。




 

そういう理屈            瀬口忍『ボスレノマ』

瀬口忍『囚人リク』『ボスレノマ』
10 /29 2018


 『ウルトラシリーズ』が歴史的名作であるのは疑いも無いのであるが、もちろんふるい作品だから…で看過できない要素は多々ある。その最も大きな部分として



 毎回ウルトラマンに怪獣を倒してもらってる人間ってなんなの?



 というのが大きな疑問として立つだろう。が、そこは歴史的名作初代の頃から『故郷は地球』では所詮、戦争代理人として描き、実質的にウルトラマンに殺人をさせているし、『小さな英雄』ではそれに対して全力で答えの一つを提示している。『帰ってきたウルトラマン』では『なぁに、イザとなったらウルトラマンが助けに来てくれる。心配いらんよ』と防衛庁長官が言っているし、『ウルトラマン80』の最終回では変身しないように頼み、人間だけで事件を解決している。



 が、全体的には『ウルトラマンに頼りきり』という印象だろう。ウルトラマンが大して好きじゃない普通の人はそういう認識だ。基本的には『描かないコトにしてます』というスタンスなんです。じゃないと作品の印象とか狙いが大きくズレてしまう。




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 別に膳所とのタイマンに勝利せんでも良くね?



 コレを作中で言っちゃったのに俺はビックリした!!コレに関しては『ほとんどのマンガ作品は描かない』だろう。なぜなら『そういうものだから』だ。マンガとは『別にやらんでも良くね?』という戦いのオンパレードである。


 その理由としては『27木工場を支配するというコトは、結果・膳所のコトはどうでも良くなる』のである。膳所がいくらスーパーマンと言えど単独の暴力でそれを覆してしまったら作品のバランスが壊れるというコト。だから『言わない』し『描かない』というコト。



 が、今回コレを描いた理由はラストで判明する。



 27木工場を支配するにしても、それを推し進めるコトは膳所のやってるコトの延長線であるというコト。この作品は『ボスレノマ』であるということ。ボスとして相応しい説得力を描かなきゃならない…というコトなんですよね。この作品にはその疑問を浮き彫りにしなきゃならなかったのです。



宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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