瀬口忍『囚人リク』 - 豚か狼か

正反対だけど            瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
03 /22 2017


 『マンガキャラでカッコイイ死に方ランキング』を自分の中で作るとしたら、『ワイルド7』のオヤブンは外せないだろう。


 最終章『魔像の十字路』編のラスト近辺でのコトであった。敵の追っ手から逃れる為にエレベーターに乗るのであるが、遊園地用というのもあって、操縦席からしか操作ができない。オヤブンは『さっきの戦闘でケガをした。俺は長くない。お前たちが行け』とその場に残る。が、それはオヤブンの芝居であった。主人公・飛葉はそれを芝居と知りつつもオヤブンに託した。


 自分はそこに『正しさ』を感じた。



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 さて、今週の『囚人リク』はその正反対とも言える展開になっている。


 ひょっとしたら、瀬口先生も『ワイルド7』のそのシーンを知って意識して描いたのかもしんない。さらには『そのシーンは自分ならこうする!!』といういわばアンチテーゼを込めての描写かもしれない。



 で、自分としての感じたコトですが『どっちも正しさを感じるなあ』というもので、人によっては煮え切らないと感じるだろう。が、自分にとっての『正しさ』というのは『定義』では無いのです。なんつーか『意志が乗っかっているか?』というのがあって、それに対しての『リスク』や『恐怖』や『負い目』などを跳ね返す気持ちが入っているか否かなんですよね。



 ちなみに『囚人リク』も『ワイルド7』も犯罪者であろうと仲間は必ず助けるぜ!!という意思が最重要の価値観であるのは疑いも無いだろう。俺はそこに『正しさ』を感じるのです。



 やっぱ、少年マンガは熱くねぇとダメだぜッ!!


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人間様              瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
03 /13 2017


 昔っからそうなんだけど、自分は『偉くもなりたくないし、人の上に立ちたいなんて思わない』というのがあって、そういうコトを言うと怒られるのが理解できなかった(まあ、今もだけど)。単純に『わずらわしい』というコト。求める人はどうぞ、だけど要らない人だって等しくいるでしょ…という考えで。だけど、それを言うと『屁理屈』とか『逃げ』とか言われるんでいい加減に面倒くさくなった。 


 人間の本質、悪なり


 …というのがあって、人間はほっておくとどんどん悪くなると考えてます。だから、そんなに『求めない』というのも自己防衛の一つじゃないかな…。そもそも俺自身は『人間のランク付けというのは動物的で不合理』と思っちゃっているんですよね。



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 内海という男


 この人は『従順すぎた』と感じる。人の世界における価値観を守り過ぎてしまった。出世・地位・名誉・お金……それらは自己防衛に繋がるけど、絶対的なものでは無い。無いのに『従順すぎて』しまったのだ。それらを得るというコトは『それ以上のものを求めなければならなくなる』というコト。そして、それはいつか破綻するのだ。



 そして、それを得るのに比例して『崇高な人間になれる』というのは勘違いが過ぎるだろ。だけど、世の中の多くの人間がそれを勘違いしているんじゃないかな?


 
 そもそも、内海は『確かに優秀』なんですよね。なんつーか、運が無かった。それだけ。そして、それは誰にだってありえる転落で他人事じゃないんです。






 

 

謎ポーズ          瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
03 /08 2017


 今でこそ確固たる地位を築いている『ジョジョ』であったが、どうにも連載当初は不人気だったような気がする。


 当時のジャンプは『男子学生なら全員読んでいる』というものでして、誰かが学校にジャンプを持ってきて回し読みするのだ。その中で『ジョジョ』はすこぶる評判が悪かった。このマンガの独特のセリフ回しとか謎ポーズとか馴染めなかったようで。


 だが、俺とクラスのI君だけはハマってしまい。日常から怪しいポーズを日々鍛錬していた!!(ホント、バカだよな俺) 



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 今週の『囚人リク』は冒頭の田中菌に感染した宇都宮だけでハラ一杯ですわ。げっぽん。


 しかし、変ポーズというのはマンガのどこから始まったのだろうか?やはり『おそ松くん』のシェーが元祖なのか?


 これはマジで書いてるんですが、マンガにおいて『真似したくなる変ポーズ』というのはまだまだ採掘できるカテゴリーだと思うんですよね。いや、むしろコスプレなんかが一般的になった現代こそ!!セーラームーンも『おしおきよ!!』のポーズがなかったら今とは違う流れになったんじゃないでしょうか?


 そりゃ、変ポーズを積極的に取り入れるリスクはありますが、それを恐れていてはいけない!!もっともっと変ポーズを!!


 だけど、宇都宮看守はマジクソなんで早いところ『みっともない死に方』してほしくなってきた。ええ、愛着があるキャラが生き延びるとはイコールじゃないんです。



ウレション             瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
02 /27 2017

 お願い!おトイレに行かせてッ!



 …ダチとバイクツーリングに出かけた時は確実に三回は使うワードだな。俺は小2病なので『うんこ・ちんこ・まんこ』でゲラゲラ笑えるような低能だったりする。いまだそれをマンガにしている浜岡賢次先生は偉大だぜッ!!


 ションベンギャグ…


 これに強いコダワリを持って描いていたのは 楳図かずお先生だったような気がする。『漂流教室』『洗礼』などの歴史的名作はもちろん、ギャグである『まことちゃん』はションベン描写がすごかった。成人女性がオマタ拡げて野ションベンしている描写とかあって、今じゃ作家生命がダイるコトやってた時代だしなあ…。



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 宇都宮看守、滝のようなウレション!!


 …先週は『ウレション漏れそう』とか書いたけど、見事なリンクとしか言いようが無いなあ。『ディオはボクを陥れようとしている!!なぜ!?』と叫ぶジョナサンの気分だわ……。


 さて、このションベンですが以前は天野もやってたタイプでして、まあ現実的にありえない。こんなの出た日には10秒ぐらいでミイラになってしまう。ただ、ギャグというか異様な空気を出すのには天才的表現とも言えるヤツで、楳図先生発案でしたね~(多分)。


 以前、瀬口先生は何かのコメントで『まことちゃんが好き』みたいなコトおっしゃってましたが、このジョンベンには深いリスペクトを感じます。



 しかし、宇都宮看守の扱いがあまりにも酷いので、ポックンはおまるにまたがりながら『汚されちゃったよ…』とむせび泣くおトイレヒロインのような心境です。


 やっぱ、宇都宮看守はあんまりにもクソだから、機転を利かせた周龍が宇都宮をハメて、注意がそれている間に全員脱出という展開にしてほしいです。


だからそれを口走ってはいけない!!               瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
02 /21 2017


 マンガの様式美は好きですが、だからこそ『それを言っちゃダメだ!!』というのもある。


 いわゆる『俺、この戦争が終わったら故郷の幼馴染と結婚するんスよ』的なアレ。それを言ったら確実に死ぬワードだ。




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 周龍、それ言っちゃいますか!!


 本人も『こんな時に言う話じゃねぇかも』と自覚(?)しているのに、それを言ってはいけないのに!!これで『シャバに出たら国家転覆だ!!まず手始めに鬼道院をさらし首じゃあ!!これがホントの鬼の首をとったってヤツですわぁ!!ひゃあはっはっはっはー!!』と本宮ひろし先生のマンガのような笑いをこだまさせりゃ回避できたものを……。


 周龍の死亡率は今回かなり高まったなあ。多分、手がかりを残して死ぬという方向になりそうな予感。



 ところで他人とは思えない宇都宮看守ですが



 『リクへの逆恨みを晴らさんとする宇都宮』

 『煮ても焼いても食えない男・宇都宮登』

 『宇都宮への明確な不信感!宇都宮の殺意の引き金をひく!』


 ……とハシラ文が絶好調に宇都宮バッシングしてくれているので、ボクゥとしてもウレションがぴゅーぴゅー漏れまくりです。



 

誕生!!宇都宮看守……!!             瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
02 /14 2017


 まあ、この『宇都宮 勇』というのは当然ハンドルネームというヤツで偽名です(まさか本名だと思っている人はいないと思うが)。


 ネット初心者の時に、とある掲示板にカキコしようとした時に即興で思いついたのだがまさかこんなに長く使うとは思わなかったよ……。



 で、自分の苗字なんですが『極めてフツー』であり、某有名人と同姓同名であったが為にショボい犯罪程度ならパクられても検索に引っかからないだろうな~。しかし、マンガなどで自分と同じ苗字のヤツも頻繁に出る訳だが、どういう訳か酷い目にばかりあっているような……。


 そして、内海よ



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 お前は俺か?



 いや~。たまたまなんだけど、これはもう笑うしかないなあ。ある意味『囚人リク』ワールドで一番嫌われているキャラなんじゃないかと思える内海の偽名が、よりにもよって 宇都宮 になってしまったか……。



 こうすると俺も意識せざる得ない訳です。この後の彼がどうなるか楽しみです。リクたちの熱い心に動かされて改心して、リクたちをかばって死ぬ……みたいなのが理想なのかもしんない。



 だけど


 だけど、俺は『コイツ、マンガ史に残るような、みっとも無い死に方しねーかな』とか思っちゃっている。そりゃもう、漫☆画太郎先生のマンガみてーなの(最悪だ)。



 さて、どうなる宇都宮看守!!




 

どうしたんだ!?田中一郎!?             瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
02 /07 2017


 『ウルトラセブン』にてセブンを唯一倒したのはガッツ星人のみであった。


 ガッツ星人は怪獣アロンを使って徹底的にセブンのデータを分析していた。その気になれば勝つのもできたのに『人類に絶望感を与える』という目的意識がブレることなく見事に勝利する。


 が、一つ誤算があった。『ウルトラ警備隊を過小評価していた』というコト。ウルトラ警備隊によって蘇ったセブン!!リターンマッチだ……と全国のちびっ子は期待したものの、想定外の出来事に慌てふためいてパニックになっているガッツ星人を円盤ごと爆破!!というウルトラな勝利が待っていたのであつた……。


 教訓、想定外の出来事に慌てないコト。慌てる乞食はもらいが少ないというコト。



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 どうしたんだ!?田中一郎!?



 いつもの田中一郎なら慌てふためいてパニックになっているというのに(前回もそうだったし)、今回の田中はメンタルが強いぞ!!今までの田中一郎じゃない!!



 あ、それでもポーズ決めているあたりはやっぱり田中一郎でした。



ハイテク機器          瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
01 /31 2017


 そもそもミステリー小説を読むことが無いので実際どうだか分からないけど。


 『まず携帯などのハイテク機器を使え無いシチュエーションにもっていかないといけない』らしい。こらまた大変だ。確かにそれはマンガも他人事ではない。何かにつけて『スマホで解決じゃん』という段階に突入している。ホンの四半世紀前まで『この点灯のリズム……モールス信号か!!何!?犯人は〇〇方面に逃走!!』とかやっていたのが信じられない。




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 そして、この『囚人リク』も長期連載なんで、イロイロは表現が変わってきた。ええっと、確か六年前にスタートした本作ですが、この頃はスマホは一般的でなく、ガラケー主流でしたね…。



 で、その間に


 ・スマホ

 ・タブレット

 ・ドローン


 …等々のハイテク機器がフツーになってしまっている。特にスマホの存在は一気に時代を進めた感がある。田中一郎がパソコンからデータを吸い出すのに時間稼ぎする描写なんてありましたが、当時は普通ですが今やったらかなりイロイロ変更されるんじゃないでしょうか?そして、この作中の吸出し描写から今回までの作中経過時間って僅か数ヶ月なんだよなあ……。



 若い子は知らないけど、ポケベルが流行っていた頃はその週のラブコメマンガがみんなポケベル絡みなんてありましたが、そんな悠長な時代じゃないのが怖いぐらいです。



 そりゃ、和製ファンタジーで世界構築設定する方がマンガとしてやりやすいな……。全く、こういう部分でもマンガの環境を圧迫するとは……。


エグい描写          瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
01 /23 2017



 そりゃまあ、マンガ読み続けていれば、嫌いなマンガ家さんや嫌いなマンガもあるわな。当たり前じゃん!!


 だけど、それでも『それは侵しちゃダメだ』という領分がある。『その作品を封印する』という行為だ。もし俺がどんなに自由にできる立場であっても『これだけはやっちゃいけない』と考えてます。もちろん、エロマンガとか子供に見せるのは好ましくないというのも分かりますが、ガキはそのハードルを乗り越えて見るのはアリだと考えてます。だからこそ『嫌いだから消す』みたいな考え方している人とは相容れない。そういうのはたまらなく下品で臭いんですよ。



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 今週の『囚人リク』は生首ゴロン…というインパクト!!俺がガキの頃だったら熱出して寝込むレベルのグロさです。いや、実際に俺は本質的にビビリなのでガキの頃はその手の描写で寝込むことはありました。



 が、少なくとも俺自身は『貴重な体験』として記憶されているし、見なきゃ良かったなんて微塵も思って無い。マンガが好きというのはいつも書いていますが、好きってそういう部分も含めて付き合えるコトだと感じてます。



 そして


 実際、世の中にはこのようなコトは今までも……残念ながらこれから先も絶えないでしょう。それをフィクションから感じ取るというのはとても大事なコトだと思います。マンガの良いトコロは『個人が好きもの読んで、好きな感想を持っていい』というコト。生きているとそういう自由はそんなに無いんですよね。あらゆるしがらみがある。だからマンガとかのフィクションには干渉しちゃいけない。まして、消そうなんてのはもっての他だ。



 なんだかんだでマンガというのは送り手と読者の信頼関係で成立している。それを横から入って消そうとするのは下品で臭いコトなんです。




 

天気       瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
01 /17 2017

 物語で天気というのは重要な要素…意識したのは東條昭平監督でしたね~。


 『帰ってきたウルトラマン』(またかよ)の『怪獣使いと少年』というエピソードは雨という天気ナシでは成立しないような作品でした。が、この作品、昔のユルユルな基準でも『ヤバいだろ…』というコトで、東條監督は仕事を干されて、ウルトラシリーズという看板作品より期待されてない作品に回されてしまったり。


 で、『ジャンボーグエース』やってたんですが、シリーズ最高傑作とも言える『ジャンボーグエースとジャンボーグ9を処刑せよ!!』というエピソードを撮ったんですが、これも雨が重要な要素になっている。このエピソードは本当に単純だ。『30分間丸々バトルシーン』という、いくらヒーロー特撮でもここまで単純化されたエピソードは他に知らない。しかし、最初から最後までミッチリ面白いし、バトルもののノウハウがここまで高密度に入っているのも無いんじゃないかな?特に『雨がやんでから、ラスト三分で大逆転!!』のスピード感からのカタルシスは素晴らしい!!



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 『囚人リク』で忘れてはならない要素は、やはり『天気』だろう。まるでその場にいるかのような質感が在る。


 今回は雨が降ってますが、この作画にやたら労力がかかっている。俺が作者だったら面倒くさいので絶対にやりたくない。そう、そもそもにマンガ家という人種は『アタマがおかしい』のである。その中でも、瀬口先生のコダワリは異常です。


 この作品が始まった時は『こんなに描きこんで週刊できるの…?』と思ったものですが、いまだに破綻して無いのがスゴイ。それに慣れると忘れちゃいますが、やっぱり『囚人リク』の描きこみ要素はスゴイです!!


 
 それにしても今週のコメントでTwitterやめた理由が書かれてましたが、確かにイロイロと悩ましいですよね。やめたからこの作画が提供できるし……。ただ、マンガ家さんのTwitter告知はかなり助かるんですよね…。特に単行本で追っている作品の発売日とか。あと、好きなマンガ家さんの他作家さん作品アッピールは『知る機会』としてかなり便利です。