マンガレビュー - 豚か狼か

電子書籍        尾々根正+大鳥居明楽『靴cream(シュークリーム)』

マンガレビュー
10 /10 2017


 現状、紙のマンガ本に対して、電子書籍のメリットって『置き場所のみ』と思ってましたが、最近はイロイロと良い部分が見えてきました。特に『もう手に入らないだろうな…』と思っていた『マイコン刑事』が完全版でセールを敢行し、300円程度でコンプリートできた時はビリビリきたねッ!!


 なるほど、入手困難な作品も問題なく手に入る!!オススメしまくりたいので『レース鳩0777』も早くやってくれ!!


 そう、これから先は電子書籍に対しても適応せねばならない。紙媒体はやっぱり好きなんだけど、電子書籍のメリットも同時に享受するんや!!マンキー(マンガキチガイ猿の意)たる勇チャンならできる!!



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 …というコトで今回は電子書籍オンリーの『靴cream』です。以前書きました『靴理人』の続編というか、そんな感じの作品になっております。



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 今回の主人公は女性でして、会話の語尾をのばすような一見頭の弱そうなコですが


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 メガネをかけるとキリっと大人びてついでにSッ気タップリにチャージングゴーするのです!!


 そして、靴を手にするコトによりあらゆる情報を拾い取り



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 一見、清楚な女性もヤリマンだと見抜いてしますのです!!なんというコトでしょう!!


 …とこんな感じに一話完結で靴の雑学を交えたドラマを展開しているトコロは『靴理人』と一緒なのですが、もちろんそれだけではありません。物語のキーとなる『姉の自殺』というヘヴィな謎も用意してたり……。で、この謎の良いトコロで一巻が終わりになっているのよね…。ズルい…。


 まあ、賢い勇チャンの予想としては『靴業界を牛耳る巨大企業との靴バトルマンガが始まって、前作の翔良も加わっていく…』というモノでしょう。『マジンガーZ対デビルマン』みてぇなノリで!!(昭和脳)次が楽しみです!!



 ところで、俺、『靴下の右足指のみ穴が空く』という症状あるんですが、見てもらえないでしょうか?


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底暗い引力            星野茂樹・オガツカヅオ『ことなかれ』

マンガレビュー
08 /16 2017


 マンガブログを続けて感じるのは『良さを数値化できない』というコト。絵が何点で、アイディアが何点で…とかそういう感じで。少なくとも自分には無理です。イメージできない。



 その数値化できないマンガの魅力に『引力』がある。その内側に向かって『吸い込まれるような感覚』だ。なんつーか、吸い込まれたらヤバいというのは直感できるんですが、同時に吸い込まれしまいたいという謎の衝動だ。その引力にも種類があって、輝かしい太陽の時もあれば、その逆もある。



 星野茂樹&オガツカヅオ先生の『ことなかれ』はそんな逆の作品だ。底暗い引力を感じる。引き込まれてはヤバい……だけど。



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 単行本が発売されちゃったよ!!


 …という気持ちがある。なんでしょう?この感覚!!まるで『パンドラの箱』みたいな。放っちゃいけないけど、放ちたいみたいな。この作品は『感覚』にくる。一応はマンガブログなんで『分かりやすく作品の面白さを記事にする』というのをしたいのですが、とても困難だ。だけど『引力がスゴイんです!!』と手当たり次第にオススメしたくなる。



 この正体が分からないけど、引き寄せられるという感覚は『恐怖』でもあるんですが、どういう訳か『引き込まれたい』という感覚もある。このせめぎ合いがエラく快感だ。事実、この『ことなかれ』は何度も読み返したくなるテイストがある。この正体が分からないし、分かりたくもある。未知に対する好奇心が刺激される怪作と言えましょう。



 なお作画名義になっているオガツカヅオ先生ですが『りんたとさじ』のスピンオフとも言える作品であり、こちらの作品のテイストはキッチリ感じられるものに仕上がってます。また、原作者である星野茂樹先生は『解体屋ゲン』というガテン系痛快マンガを長期連載されてますが、真逆ともとれる作品に挑んでいるのも興味深い(あとがき参照)。



 イロイロ書きましたが、この作品について伝えるのは本当に困難です。でも本当に『引力スゴイから読んで!!』という感じになっちやう。ガキの頃、怖いもの(本とかビデオ)に近づいちゃいけないと理性がありつつも、抗えない感情にズルズルと引っ張られた……そんな方に特にオススメなんです。


雪崩式テンパリヒロイン   由伊大輔『弓塚いろはは手順が大事!』

マンガレビュー
08 /16 2017


 ガッツ星人!!!!!


 『ウルトラセブン』の『セブン暗殺計画』に登場したガッツ星人は『放映中、唯一セブンを倒した敵』として名高いが、他の敵と大きく違うのは計画性だ。


 ウルトラセブンを倒す為のデータ収拾を冒頭から綿密に行っているのもさることながら、『だったらダン(人間状態)を倒せば良くね?』というクエスチョンに対し『人類に絶望感を与える効果』まで考慮している。事実、敗北して、十字架に貼り付けられたウルトラセブンで前編が終わるのは視聴者も絶望感モリモリである。


 が、アウトオブ眼中だったウルトラ警備隊の活躍によって、セブンが復活し、間髪入れずに宇宙船ごと爆破されてしまうガッツ星人もまた印象的であった。「いや、リターンマッチはやはり格闘戦だろ」というチルドレンの要望でなく、ガッツ星人の『計画性のある知的な宇宙人のモロさ』を描いたのだ。


 この知的なヤツが予想外の行動によってテンパル展開というのは大好物でして(例・パソコン片手にこんなのデータに無いぞ!?)、最近はちょっと見かけないな~とか思ってましたが



 



 出ました、大好物!!


 この作品は過去に記事にしました『弓塚さんは今日も的外れ』の連載版となっております。もちろんパワーアップしており、残念女子から雪崩式テンパリヒロインという斬新な方向にエボリューションしてしまったのだ。


 なんつーか、アクセルとブレーキを踏み間違えてコンビニに突っ込むトコロから、コースアウトしたミニ四駆のように暴走してなぎ倒すように破壊していく…みたいな。


 が、周囲は『弓塚さんスゲー!!』と圧倒的勘違いしている為に、ボロが出ないように弦岡くんが頑張っております(割と貧乏くじ)。果たして、弦岡くんは報われるのか?(多分、報われない)



 読んでて感じるのが『それにしても弓塚さんのモロさはスゴイ』という部分。これでは見本写真と全く違うマクドナ〇ドですらクリアできない(本当にこんな作品)。このギャップの振り切れ方は新しいヒロイン像だな~と感じます。由伊先生の作品はポピュラーな娯楽志向があって、そのマンガ感がたまりません。



 …そして、作品の至るトコロに『フェチ』を感じられるのは気のせいか?確かにポニーテールは男子の劣情を煽りますね(先日そんな事件があった)。





 



 

オタク多様化         森繁拓真『ボイラジ 僕の好きなパーソナリティ』      

マンガレビュー
08 /16 2017

 同年代のオタク友人と話すんですよね。『最近のオタクが分からん』と。


 『いや、オタク自称しているのに作者名とか監督名とか覚えて無いのが訳分からん』

 『だよね~。じゃあ作品を判断する時どうするんだろ?』

 『で、イマドキは声優さん人気みたいなんだけど、どうも彼等って演技力がどうのこうのでは無いように感じるんだわ。なんつーか、アイドルっぺえ楽しみみたいに映る』

 『そういう楽しみ方にシフトしたのかな~』


 …みたいな具合に。『理解したいけど、理解できない』みたいなモヤモヤ感だ。だけど、そういうのを否定的にしか捉えられなくなったらオタクでなくて老害だな~とも思う。『空手バカ一代』で『一生ウシを倒せる強さを維持してやる!発言』よろしく俺もこうありたいのだ。


 さておいて

 『獣の槍事件』でモンハンを挫折した俺は『艦これ』を始めた。確か三周年頃なんで『今更!?』とも言われましたが、とりあえず。このゲームはハンパなく艦娘(ヒロイン)が出るので、一人の声優さんが多数のキャラを担当するんですが『声優さんって、すごい人はすごいな~』と痛感した。若いオタクの方の『なぜ?』が少し理解できた気がした。

 個人的にスゴイと感じた一人を上げると茅野 愛衣さんですね。大好きな『ガールズ&パンツァー』の沙織役でしたが、調べるまで『艦これ』やっているとは思わなかった。確かにろーチャンにそんな雰囲気ありますが、朝霜もやっていたとは…。この朝霜の演技がスゴイと感じてます。『一見、ヘタクソなのを演技している』という深さを感じますね。目からウロコでした。



 



 …と前置きが長くなりましたが、森繁拓真先生の新作『ボイラジ 僕の好きなパーソナリティ』です。『となりの関くん』『おとうふ次元』はもちろん、チャンピオン読者としては『アイホシモドキ』も馴染み深いマンガ家さんですね。


 森繁先生の作品ですごいな~と感じるのを二つ挙げると

 
 ①居そう感~マンガのキャラクターって、やっぱりアレンジされるんですよね。高校生だけど考え方が大人びているとか。その資金源はどこからみたいにイロイロ買えたりとか。ここら辺はマンガの優先順位が絡んでくるんです。森繁先生の作品って『こんな高校生ですよね』とかそういう、居そう感が面白いんです。


 ②多様感~個人的に『守備範囲が広いマンガ家さん』というのに憧れがあります。古くは横山光輝先生などはどうなってんの?と感じる。『鉄人28号』『魔法使いサリー』『バビル2世』『三国志』等々…。このように『なんでもチャレンジ』という作風は『次は何が来る?』というワクワク感が読者としてはたまらない。森繁先生もまた拡大し続けている。



 そして、今回もこの二点をガッチリキープしているのが『ボイラジ』なんですよね~。


 この作品に出てくる主人公・青倉はもちろん、阿出さん・新田というオタクたちが面白い。彼等の言い分には『分かる』と『分からん』が混在しているトコロがとても面白い。


 それでいいよ。そんなもんだよ。
 

 …というアバウト心地良さがこの作品の中に在る。オタクの悪いトコロに『マウント取りたがる』とか『論破』とかありますが、ンなコトしなくていい。これが自然だし、それを少しずつ吸収できればいいんじゃない?という『価値観の多様化』に対するアンサーを感じる。


 そして、今回はどうにも『ラブ(?)コメ』に転がるかもしれないのが見どころです。『アイホシモドキ』だと『コイツ等面白い関係だな~』というトコロに転がったコトもあるので、ここら辺も期待しております。

こういうのでいいんだ。こういうので。        金田陽介『寄宿学校のジュリエット』

マンガレビュー
08 /15 2017


 『孤独のグルメ』は自営業やっているゴローチャンが、一人でメシくっているだけのマンガですが、当然に面白い。そこに共感が在る。


 『こういうのでいいんだ。こういうので』


 …と感想するシーンがあるが、それは何の変哲も無いハンバーグランチである。だが分かる。そう『こういうのでいいんだ』というコト。マンガもそういうのあると思うんですよね。イロイロ巡って『こういうのでいいんだ』という作品が。



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 さて、今回は 金田陽介先生の『寄宿学校のジュリエット』の最新巻です。このマンガはあれよあれよと出世して、いよいよ週刊マガジンに移籍決定です。おそらく水面下ではアニメ化の話も出ているだろうし、かなりの規模で売り出し攻勢かけてくるだろう。



 が、この作品は何も特殊なものでは無い。『世間体があるんで、密かに付き合っているカップル』というスタンダードである。主人公・露壬雄は昔の熱血型ですらある。フォーマットとしてはかなり前の世代だ。が、読んでて感じるのが



 『こういうのでいいんだ』



 …というコト。そして、この作品が受け入れられたというのは『そういうのを求めている読者が多かった』というコトでもある。



 2000年代初頭ぐらいからはいわゆる『ハーレムもの』というのにシフトした感がある。一人の主人公が多数にモテモテという感じ。ここから『異世界に召集』とかイロイロな肉付けをしていく。この『ジュリエット』という作品はこれらの作品とは骨格そのものが違うのだ。


 これ作品を楽しむ上で重要な資質ではあるんですが、主人公を『自分の分身』として観る方と『そうでない』と観る方が居る。俺は圧倒的後者なんです。そういう人にはハーレムものというのは相性悪い気がするんですよね。成り行きとは言え、アチコチの女の子と仲良くしている他人には厳しくなりますもん。


 なので、この作品はとても相性が良い。それぞれのキャラを応援したくなる。特に主人公・露壬雄がいい。こういう頼もしいヤツは誰だって友達に欲しいしね。


 しかし、こういうフォーマットが受け入れられるというのはマンガは奥深い。『こういうのでいいんだ』というのはむしろ攻めの姿勢だったりもする。




真面目さ            板倉梓『間くんは選べない』

マンガレビュー
08 /14 2017


 人間の性質というのは『環境』なのか『生来のもの』なのかというのは判断に困るし、結局のトコロは『互いに干渉している』という気もする。なんだけど、同じような環境で育っているはずの姉と俺とでは全然気質が違う。見事に。マンガブログなどやっているようなオタクな俺ですが、姉はもちろん家族親戚一同は『そういうのに関心が無い。或いは価値の無いもの』というように感じている。しかし、これが『理解のある環境』であったならば『ここまでこじらせなかった』という気もする。


 あらゆる要素がかみ合って人格は形成されるのだろう。『レシピ』というよりは『偶発的な運まかせ』という感じに。


 そして、『真面目さ』というのもそういうものなんかもしんない。




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 さて、二巻が発売された 板倉梓先生の『間くんは選べない』です。


 前巻では彼女が同時にできて、あんりチャンと男女合体ウルトラマンエースを果たしたところで続いてますが、ここら辺はニコニコ静画の配信(期間限定)を読まれたし。


 で、この二巻ではいよいよ間くんのフルコンタクト実践クソ男っぷりが遺憾なく発揮されております。いや~面白い!!


 この作品を読んで感じるのが『真面目さってなんだ?』なんです。実際、作中でも間くんはコトあるごとに『真面目』と呼ばれている。そして本人も『真面目は数少ない取り得』みたいに認識しているトコロがある。



 が、俺は感じてしまった。



 コイツ、実は全然真面目じゃ無いんじゃ……というコトに。生来的に真面目じゃないのに、環境によって『一見真面目』になっただけなんじゃなかろうか?臭う…臭うぜぇ!!ゲロ以下の臭いがプンプンするぜぇッ!!



 そうすると合点がいく。



 そして


 マンガブログを続けて大きくなってきた感情ですが、『人(作品)を見るというのは本当に難しい』というコト。多くの方が『雰囲気』とか『バックボーン』とかに騙されちゃうんですよ。例えば、そうでなければタレント政治家なんて異常なものは存在しない。気付くというのは本当に難しい。


 マンガというのは『分かりやすい悪人』が『罰を受ける』という面白さがありますが、このマンガは『周囲も自身も認識が誤っている?』という面白さがあるなあ。そして、リアル社会でのトラブルはだいたいが後者なんですよね。


 しかし、このマンガの落としドコロはどうなるんだろう?島本和彦先生のマンガに『第三のヒロインが現われて、そのコとくっつく!!』というのがあって、そのマンガ家志望は鉄拳制裁されていたけど。




…となるとこうなるのでは?           吉田創『宇宙☆オリオンピック』

マンガレビュー
08 /10 2017


 キングジョー!!!!!



 『ウルトラセブン』に出てきたコイツは、おそらく人類史上初でろあう変形合体ロボットである。ロボットもの、とカテゴリができるぐらいに架空ロボットというのは存在するが、やはりコイツは別格である。イマドキのロボットなどよりよっぽどロボットしている。


 まず、コイツは『セブンの攻撃が一切通じない』というコト。『金属で出来ているから、こうなるであろう?』という思想が感じられる。特にカメラが離れた場所にあって、セブンがビームを発射するのだが、ワンテンポ遅れて『衝撃波で水面が揺れる』という描写は別格でしかない。そして、コイツは『倒れたら自力で起き上がれない』という特徴がある。が、円盤に分離して再び合体するので特に問題が無いのだが、ロボットっぺえのは別格でしかない。


 最期はウルトラ警備隊の新兵器を直撃するのであるが『一旦キヲツケしてからバターンと倒れる』というのも別格でしかない。ロボットにとってのそれは『死』でなく『機能停止』なのであるから。


 マンガに限らずSFというジャンルは『難しい』とか『専用知識が要る』と感じる方もいるし、事実難解なのもある。が、基本は『もし、こういう風になったらこうなるのでは…?』と想像を豊かに楽しむものだ。


 我々にとってのSFチックなアイテムといえば、やはり『スマホ』が筆頭であると思う。これによって『こうなってしまった!!』というのは多い。もちろん恩恵もあるがスマホに縛られて『ひょっとして無かった方が幸せなんじゃ…?』という考え方もでる。別にSF
だからって、『スマホの構造を理解し、ゼロから設計しろ』というものではありません。


 そもそも二本足歩行の巨大ロボットなどメチャクチャ無駄のカタマリである。が、もしそれが存在したら…といい着眼点からの描写がキングジョーは秀逸なのである。50年も前の作品なのに。むしろ近年の作品のが『そういうものだ』に流されている感もある。


 






 さて、第二話が公開されました、吉田創先生の『宇宙☆オリオンピック』である。ちなみに前回記事にした時はウッカリ、宇宙☆オリンピックと書いてしまった。げっぽん。



 で、前回のチラッと触れたけど、このマンガのスタートの世界観説明は実に良い。『もし宇宙人が攻めてきたら?』とか『宇宙人が侵略して欲しがるものは?』というのが実に合理的で説得力がある。ここに自分は『SFとしての面白さ』を感じる。


 この作品のスタートで『まあ、こういう舞台にしたいからこういう感じでいいんだよ』といった感じの投げやりアンサーだったらガッカリだよ…って、実は「こういう作品はかなり多い」というコト。マンガは自由を免罪符に何の脈絡もなくビームとか撃てる系ね。もちろんビーム禁止という訳ではない。『…となるとこうなのでは?』という意識の欠落が作品をスカスカにしてしまっているのだ。ビームが撃てるなら『威力は?』『どういう原理で?』『他に使えるヤツは?』等々をイメージして無いと面白くならない。



 そして、今回の競技は『編み物』であるんですが、前回のシメで『それは無いだろ…』と思わせて、まさかの『編み物対決』である。が、読んでみて『納得』するものがある。


 そういうバックボーンがあるイベントならば『何もスポーツ競技だけに留めておかなくても良い』という説得力だ。これはキチンと設定が活かされている。これによって『競技の幅がとてつもなく広がった』というコト。マンガは荒唐無稽の中に枠なりルールがあってからこそ面白くなるものだと思いますが、ここら辺をキッチリ描いているのが『宇宙☆オリオンピック』の魅力だろう。


近年のマンガは『こういうものなんです』というのに怠けている作品も散見されますが、SFを描かれる作家さんは『…となるとこうなるのでは?』という着想から拡げていくから個人的には好みです。


新たな発見           高野裕也『彩音お嬢様はサノバ〇ッチにあらせられる』

マンガレビュー
07 /25 2017


 当たり前のコトですが『みんなが〇〇しているから自分も〇〇する』という考え方は間違ってはいないけど、同時に絶対に正しいという訳ではありません。


 時として、その『少数派』或いは『大多数に含まれない人』の考え方に面白さを見出せる場合もある。同時に絶対に正しいという訳ではありませんが。


 なんつーか、カレーライスって大多数の人が好きじゃん?だけど、嫌いって人が居ても良いし、その嫌いな人が『じゃあ、何が好き?』というのを語らせてみたら自分の知らない料理が出てくるかもしんない。なので『カレーが嫌い?おめー変人かよ!!』なんて非難するのは『やっちゃいけない』と感じます。まあ、『ウ〇チカレーが好き』なんて答えたら、言ってもいいとは思いますが。



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 さて、今回は最近完結されました 高野裕也先生の『彩音お嬢様はサノバ〇ッチにあらせられる』です。


 以前にも記事にしましたが、このマンガは一話完結であり、フツーにマンガを読まれている方はまんべんなく楽しめる仕様になっております。実は当ブログとしてもここら辺大事だったりして、『読む人を選びますが、分かる人は分かる』という鼻持ちならない文化人気取り記事はフルコンタクト実戦マンガ記事の敵なのです。



 さておいて。


 
 このマンガを読んで感じるのが『一人遊び…いいかも!!』という湧き上がりである。危うく一人カラオケにチョレンジ(挑戦+チャレンジ)したくなるような誘導の面白さである。


 これまで…のみならず、今もマンガのネタとして『ぼっちイコール社会不適格者』と描かれるコトも多いし、何より現実世界では『ぼっちイコール悪』とされるのだ!!この日本(特に小学生)において『休み時間は図書館で読書』を連続しようものならば『悪認定』されてしまうのである。なので『変な行動をしたものは、迫害しても良い』という謎認識からのイジメとかあるし、あろうコトか教師までが『団体に加わりなさい』と言うからなあ…。だいたいそういうヤツは自分ルールがシッカリしていて『迷惑かからないなら他人がなにしようと構わないので、自分のそれを脅かさないでもらいたい』ってだけなんですけどね。


 そして、それは人として『当たり前のコト』です。大多数に溶けるとその当たり前を忘れちゃうんですよね。



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 マンガの魅力として『新しい発見』というのがある。自分では考えもしなかった価値観を提示されて、それを考えて楽しみ…良かったら吸収するというコト。重ねてマンガの世界では『ぼっちイコール社会不適格者』となりますが、いやいやそんな大げさなものじゃなくて……それより『新しい発見にしてみませんか?』と語りかけてくる作品に仕上がってます。


マンガは滲む        吉田創『宇宙☆オリオンピック』

マンガレビュー
07 /04 2017

 かなり昔のチャンピオンにて、短期集中連載の予告カットでなぜだかバカ笑いして、ヒューヒュー息切れしたコトがあった。吉田創先生の『ファランクス』ですね~。本当になぜだが分からんが、同時に思った。『こ、これは俺の好みに特化したマンガに違いない!!』と。



 マンガが好きな方は『金持ちだったら、好きなマンガ家に自分の好きなマンガを描いてもらう』というのを夢見ると思うが、そういう的確な予感!!


 『ファランクス』は今も切抜きで保管してたまに読み返します。


 で、さいとうたかを先生の言葉に『個性とは無理して出すものでなく、自然と滲み出るもの』というのがありますが、俺が予告カットだけで爆笑したのは吉田先生の個性が強烈なのかもしんない。



 



 俺、またしても予告カットで爆笑する!!(なぜだ?)


 この作品、ネット配信ですが、とりあえず三話が確定してまして、人気次第で連載だそうなんで、ぜひとも読まれたし。そして、アンケせよ。なぜって?俺が続きを読みてぇからに決まってんだろ!!勇チャンは金持ちでは無いので『好きなマンガ家に自分の好きなマンガを描いてもらう』というのができないのです。



 しかし、読んでみて感じるのが『やっぱ、吉田創先生のマンガだわ』というコト。『どこら辺?』と言われると、まあ確かに『開始すぐの状況説明が的確。特に宇宙人が地球を制圧するやり方がスマートで説得力がある』とか『ちょっとヒネているけど、熱い』とかマンガブログらしいコトも言えるのですが、なんだろうね?ちょっと『そうじゃない』という気もする。


 滲み出ているな、と。


 自分がマンガというものに惹かれるのはこの『滲み出る個性』というヤツで。これって無理して出すとかじゃなく、自然と滲み出るものだと感じるんですよね。やっぱり、この『宇宙☆オリオンピック』は吉田創先生の作品なんですよね~。同じ原作を他の方に描いてもらって『読みたいか?』と聞かれたら、『いや、やっぱり吉田先生で読みたいよ』となるのです。



 マンガというのは誰に強制されるわけでもなく自由に好きなものを読めるところが好きなのですが、同時に『好きな作品を描いてくれる人』が居るから成り立つものなんですよね。




 

これが私たちの距離感          林雄一『木になる森さん』

マンガレビュー
06 /25 2017

 ちょっと前にあの『スクールウォーズ』がブルーレイボックス化されると聞いて喜んで購入した。自分にとってとても大切な作品です。荒廃した学校を熱血教師が建て直し、ラグビー部を全国優勝に導くという実話を元にしたドラマでした。


 この作品には『強い正しさ』を変わらずに感じます。また、歳をとったせいか、ドラマへの理解が以前より変わってきた(特に下町のヒーローの回)。


 
 が、フト気付く。確かに素晴らしい作品ではあるが、今の中高生には理解不能の作品ではなかろうか?というコトに。例えば主人公・滝沢がフ抜けた試合をした生徒を涙ながらにブン殴るシーンがあって、それで生徒たちは目を覚ますのですが、これはおそらく現在の中高生には『理解できない』だろう。俺は解る。おそらく俺以前の世代も解る。



 ここが問題なんだ…と気付いた。



 こういう『これが正しい』と感じたモノを別の理解不能な世代に押し付けてはならない……というコト。これを無理強いするといわゆる老害というヤツです。なにも自分たちの価値観を捨て去れ……というコトでは無い。経験は貴重な財産だ。それを踏まえた上で『新しい世代の考え方も吸収する』という意志が大事なんですよね。



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 さて、当ブログで度々書かせていただきました 林雄一先生の『木になる森さん』の単行本が発売されました。全一巻というのは読みやすい反面、ちよっと名残惜しい……。いや、林先生自らが続きを同人誌等で発表しても(カバー下参照)。



 このマンガの魅力的な部分というと自分は『距離感』というのに集約されます。俺のようなオッサン世代というのは『ぼっちはぼっちが悪い!!』という認識がある世代なんです(本当に情け無いコトですが)。なんで、俺がガキの頃のマンガとかアニメとかは『主人公が行動して、ぼっちが友達に囲まれる』というオチを良しとしてましたが、そろそろ若者には説得力として通用しない時代に差し掛かっているだろう。『無理に友達をあてがっている老害認定!!』という感じに。が、相手を想う気持ちというのは尊重したいトコロは善意です。俺のようなオッサンは新世代の考え方を学ぶ必要がある。



 作中の牧島くんと森さんは開始当初『周囲と違う距離感』に負い目を感じていましたが、ここら辺はキチンとうまく着地させて終わってます。この二人はこの距離感がいいんですよね(妹の月葉も当初とまどっていたし)。



 それにしても、この単行本デザイン!!タイトルの間に林先生の名前がクレジットされているんてすけど、木→林→森 という面白い配置にしているな~。デザイナーさん、いい仕事してます。


 

宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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