週刊漫画TIMES - 豚か狼か
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異世界転生        ふかみん・午子『男だけど死神姫の嫁になりました(仮)』

週刊漫画TIMES
06 /09 2020


 『あれ~?俺また何かやっちゃいました~?』



 みたいにヘラヘラヘラヘラして、圧倒的戦力で無双して女の子にモテモテ!!みんな同じ!!




 そう思っていた時期が俺にもありました。



 …いや、流行りの『異世界転生モノ』なんですけどね。流れてくる評判をそのまま鵜呑みにしていたのは迂闊であった。アマゾンプライム加入してから『モノは試しに』って観ているんですけど、メチャクチャ面白いんですよ!!まあ、確かにそういうのも少なくなくて一話観終わるよりブチ切れるのが先ってのもありますが、そもそもどのジャンルだって優秀なのは少ない。


 個人的には『この素晴らしい世界に祝福を!』と『REゼロから始まる異世界生活』が面白かったですね。






 そして、親父系マンガの週刊漫画TIMES経由の『コミックトレイル』も意識して取り入れてたりする。時代だな。



 そう時代なのである。昔のマンガに比べて今のマンガって制約が多いのよ。マンガはフィクションであるが、同時に読者に違和感を感じさせてはならない。その中にあって現代は進歩しすぎている。よく言われることですが、スマホの登場によってミステリー小説は大ダメージを受けた。トリックを読者に予想させるものであるが現代は『そんな回りくどいことしないでスマホ使えよ』という違和感になってしまう。



 フィクションというのはリアリティを語る場でなく、物語を楽しませるものだ。だから異世界というのは格好の題材である。ミステリー小説で殺人が毎回起こるのは殺人が楽しい訳でなく舞台装置だ。そう考えると『異世界転生』というのは大した発明に感じます。




 また、絵を担当されている 午子先生ですが、週漫で存在感を発揮してきた絵を異世界転生に持ち込んできて見事な合致を感じる。このテの作品はライトな絵柄になりがちですが、創作系の絵柄はこれまでの読者に新鮮に映えるだろう。…そう言えば、俺はコミケよりコミティア派なんですが、どういう訳か好きなマンガ家さんはコミティア出身なのを後々知る事が多い。午子先生もまたコミティア出身っぽい。



 そして、今の時代らしく無料で読めますので是非とも読まれてください。WEBマンガの大きな課題ではありますが『如何に読まれるか?』 でいまだに有効な手立てが見つかってないんですよね。自分はツイッターでバズるタイプでないけど、それを読みたがっている読者もまた多くいると思っていて、この作品はこれに近い。



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点と線           みこくのほまれ『サキちゃんは今夜もぺこぺこ』

週刊漫画TIMES
06 /08 2020



 人生に勝ち負けなんてのは無い



 …って考えているところがあって、自分は『その人になれるかならないか』だと思っているんですよね。昔『水滸伝』にハマって魯智深って豪傑は『大好きな殺人と放火を堪能した!!満足!!』って往生しましたが『なれたんだな』と思います(これに関する解釈は個々によって結構違う)。



 世に言う『勝ち組』というのは何か?富やら名声やら社会的地位を高く持つことなんだろうか?仮に神が現れて『全部かなえよう』って言われても自分はピンと来ないな~。『こんなの俺じゃない』って違和感バリバリで。こうしてマンガブログやっていう方が『俺っぺえ』なんて感じているし、これからもそれでいいって思ってます。これを『向上心の無い怠け者』って捉える方もいると思いますが。




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 さて、今回は当ブログでたびたび書いてました『サキちゃんは今夜もぺこぺこ』です。先日、完結し最終五巻も出ましたが、このマンガは大変に興味深い。



 画像は一巻のものですが



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 二巻ではだいぶ絵柄に変化が見れます



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 三巻!!作中の時間経過とともに髪の毛も長くなってます。



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 四巻!!この頃には完全フルデジタルに移行して感覚をつかんできたっぽい



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 最終五巻!!一巻の頃とは全然別の絵柄になっており、クオリティがかなり上がっている!!



 …で、ここで興味深いのはみこくの先生が『2000年初頭から活動始めたベテラン』ということだ。新人マンガ家があれよあれよという間に絵柄が変化するのはよくありますが、ベテランでもそれは可能なんですよね。



 マンガは誰にも分からない



 …というのが自分のマンガ観であり、含みもなく文字通りの意味なんです。勝ち組・負け組みたいな考え方を俺が嫌うのは『浅はかだな』と思っているから。点でしか物事を見てないから。人様の人生っていうのは線で見ないと分からないんですよね。



 マンガだってそうだ。その作者がどうなるか誰も全く分からない。そして『その人がそうなる』というのは『それまでの時間や経験が必要だった』というコト。



 これは自分への戒めでもあるんですが、マンガを見る時は点でなく線を意識して読みたいですね。




諦めるコト諦めないコト         星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
05 /13 2020


 強いヤツが勝つんじゃねぇッ!!諦めないヤツが最後に勝つんだよ!!だから勝つのは…最後に勝つのは俺たちだーーーッ!!



 『ガイキングLOD』(またかよ)の前半最大のクライマックスシーンのセリフなんですが、やはり『ダイの大冒険』などで実績のある三条陸先生の脚本は偉大だ。で、ここで重要なのは『数話前から仕込んでいた仕掛け』から勝利に繋がるのですが、これが説得力になっている。



 諦めない…っていうのを勘違いしちゃダメ。とにかくやめないコトが諦めないってコトだと思っている方はいますが、そうじゃない。いついかなる時もアタマをフル回転し、機会を逃さず喰らいつくことです。




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 新型コロナウイルスに踏み込みました。



 …とまあ、相変わらず作品に反映するのが早い『解体屋ゲン』ですが、今回はリアル世界最大の危機であったりします。何しろ全ての人が未体験の出来事でありますから、誰も完璧な正解も分からないし、誰も未来が分からない。



 さて、そんな時期に新規オープンが重なってしまいましたが、店主とコンサルタントの見立てにズレが生じてます。この逆境こそチャンスって言葉が厄(やく)い…。今時期、社会人の方々はそんな上司&上層部の言葉を聞いてゲンナリしているかもしんない…。



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 違う!!そういう話じゃない!! つーか、そういう話だったらナンボかマシだ!!



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 ただ、これも致し方ない話で、人というのは苦労して得た成功体験は判断力を誤らせる部分もある。



 さて、どう考えても敗北必至です。そりゃそうだ。世界中の人間が困っているのに自分たちだけ解決策を見つけられるはずが無い。



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 諦めるな!!



 長期連載の『解体屋ゲン』ですが、初期の頃からこのワードはちょくちょく出る。ただ、この作品の『諦めるな』はただ闇雲に続けろ…というスタンスでは無い。常に考え方を巡らし、場合によっては撤退する勇気も描く。これは戦うというコトを知っている描き方だと思う。



 当たり前だが『戦う』というのはエネルギーを消耗すること。ゲームだったらヒットポイントをゼロにしないこと。ダラダラ続けるというのは『いずれゼロになる』んです。それは諦めないんじゃなくってポーズなんです。とにかくゼロにしない発想は『諦めない』ということ。ケンカ必勝法としては『勝つまで続ける』なんてありますが、あれはあながちバカにできないものがある。ゼロにならない限り、相手がいずれゼロになる。


 さて、次週以降の『解体屋ゲン』はどういうアンサーを出すか?誰も正解を知らないならば、今は最善手を考えて行動するのがいいでしょう。



ダブル主人公             竹下けんじろう『レンアイガク』 

週刊漫画TIMES
05 /04 2020


 この主人公は失敗だった。主人公がクソ真面目すぎた。



 と本人に評はともかく、やはり ちばてつや先生の『紫電改のタカ』は名作であると思う。ただ最近になってようやく『何を言わんとしているか?』理解に届き始めたように感じる。



 マンガを読むと現実と空想の区別が曖昧になる!!レイプマンガをする人はレイプするようになる!!


 
 とにかく攻撃的な人種は居る。まあ『レイプマン』を笑って読めるようになんねーとダメだな。修行が足りん。これ、先のちばてつや先生の言葉を紐解くのに重要な要素なんです。


 
 クソ真面目なマンガ主人公はリアルだと是非とも仲良くしたいが、マンガだとパンチに欠ける。


 破天荒なマンガ主人公はマンガだと実に面白いが、リアルだと絶対近寄りたくない。



 …というのはある。ちばてつや先生の『おれは鉄兵』の主人公はマンガなら面白いけどリアルなら絶対関わりたくない。




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 …という解に辿り着いたのが 竹下けんじろう先生の『レンアイガク』だったりする。この作品、真面目な学と不真面目なサダヲのダブル主人公作品なんですが、俺は不真面目なサダヲが好きだったりする。



 画像にもありますが、全二巻の六割ぐらいこんな感じの『ああ、リアルにもこんなヤツ居るよね』というゲス人間で、まあ俺は関わりたくない。なりたくない自分になってしまいそうだから。



 『なりたくない自分になってしまいそうだから』



 …マンガキャラクターの魅せ方として『実はコイツが重要テクニック』だったりする。そう、『そういう意味で感心・興味がある』というコト。人間ってのはネガティブなものに引き寄せられるってのはある。見なきゃいいのにわざわざネットの悪口探しに行くでしょ?精神衛生上よろしく無いのになぜやってしまうのか?



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 ここから上がっていくのを魅せれば良い!!



 このサダヲという男、売れっ子マンガ家・淀川カツオ(女性)のチーフアシスタントをやってまして、その悪い意味で安定した生活で自堕落になっていたトコロに連載の危機!!『今、なんとかできるのは俺しかいない!!』という土壇場での強さを発揮します。



 『なりたくない人間が立派になるのを見たい』



 マンガは夢を描くなんて言いますが、俺のニュアンスとしては『願い』だと思う。もし自分がなりたくない人間になったらどうしよう?どうなるのだろう?という恐怖は誰しも持っているんです(無いヤツも結構いるけど、そういうのは本当に関わりたくない)。それに対しての『願い』だと思うんですよね。こういうキャラクターって。




 ちなみに竹下けんじろう先生はバイク絵が巧いんで、そろそろ週刊漫画TIMESに描いてほしいなあ…。俺、バイク乗って行き先でメシ食って帰るだけのマンガ読みたいんですが、掲載誌と作者の得意の合致から考えると、やっぱり竹下先生なんだよな~。ほら、今の週漫メシマンガばかりだし!!オッサン読者はバイクブーム真っ盛りの層だし。


  
 

話し合い            村田椰融『妻、小学生になる。』

週刊漫画TIMES
05 /01 2020
 平等とかフェアということについて考えてみる。



 『アイツはイイ思いしてるから俺にもイイ思いさせろ!!』



 …ひょっとしてコレを『平等』と思っている人が居るのではなかろうか?ツイッターとか見てるとそういう意見よく見るので疑問に感じていた。


 自分にとって平等ってそうじゃなくて『アナタみたいにイイ思いしたいんで、自分はどうすればいいのか?教えてください』からの『では、教える対価をください』とか『これだけの努力をしてください』という話し合いになることが平等だと思っているし、なんなら『申し訳ないが教えたくない』という返答も平等だと思ってます。対価払うのもヤダとか努力もヤダとか…そしてそれが平等とかありえないでしょ。




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 『妻、小学生になる。』!!



 この作品はタイトルの通り『10年前に事故死した妻が転生して会いに来る』というもので、ツイッターでバズりましたりもしましたが



 



 この作品が『いいな~』と思える部分として『ありえない奇跡』に対して『問題は話し合いで解決』という人間ドラマなんです。



 『お父さんが再婚相手のお母さん連れてきて、娘はそんなの認めないお母さんがかわいそうよと飛び出してクルマに轢かれて、再婚お母さんの輸血で手術成功して、娘は再婚お母さんを認める』みたいな流れのドラマを昔みたいような気がする。フォーマット化されているのか、そういう展開もちょこちょこ見たような気がする。



 『事故死した妻が転生して会いに来る』というこの作品ならば、こういう『偶然が結びつけるドラマ』『結果オーライドラマ』になりそうなんですが、『あとは人として等しく頑張ってみる』という展開に持ち込んでいるのが頼もしい。そう、この作品は自分の考えている『平等』であり『フェア』なのだ。もちろん話を聞いてくれない相手、自分のことは棚上げする相手もいますが、主人公ズは根気良く真剣に『話し合い』に持ち込んでいる。



 これ、すごく大事なことなんです。



 逆に言えば『話し合い』というのは頭脳・身体能力等の特殊スキルは求められませんが、平等に対する認知がズレてる人とは成立しないんです。話し合いをする資格ってのは求められるんですよね。


疑似科学とか        向後次雄・宇治谷順『なみだ坂診療所』

週刊漫画TIMES
03 /03 2020



 ①難しくなく突飛で

 ②自分に都合よく

 ③効果・利益がある



 …というのをなぜか信じてしまう人というのは一定数居る。身近なトコロで言うと『血液診断』ですね~。これを話半分で楽しんだり自分の範疇で信じるのならば良いのですが、B型は採用しない会社があると聞いて『正気か?』と思ったものです。そして、どんなに『こうこうこうだから違う』と説明しても信じきっているし、しかし、なぜか『どういう原理で成り立っているか?』に関しては疑問を持たない。


 残念ながら平行線なのだ。




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 出た!!血液クレンジング!!



 前にも書いたけど『学校の授業なんて社会に出れば役に立たない』という言葉が大っ嫌いなんですよ。俺自身は今さらながらに思うけど『義務教育ってとってもありがたいもの』って思っているんで。これに関して言えば中学校レベルの知識があれば『おかしい』とか『疑え』ってなるんですよね。知識って一見役に立たないように見えて巡り巡って『実はそうではない』というのがあるんです。役に立たない…と考えるのは『活かせてない』ってことなんです。



 身に付くものでラクなものは無いです。全ては面倒くさいの積み重ねです。



 人生ってのは一生勉強でしんどいけど、最近では『それも悪く無いな』と思ってます。安易でラクで耳障りの良い言葉に納得するなんて無いよ。


独自ネーム         財政ろろ『経理の夏谷さんはガマンできない』

週刊漫画TIMES
02 /18 2020



 マンガに対する普通の人の認識として『ストーリーは思いつくけど絵が描けない』というのがあって、『絵さえ描ければマンガを描ける』と思っているトコロがある。イラストとマンガの絵を同列で認識しているのだ。



 これを読まれている方も経験あると思いますが『面白いマンガ・映画を観た』って話を聞くと『全く面白く無い』『それのどこが面白いの?』というのがある。訓練されて無い人のストーリー伝達能力って『このぐらい』なんです。どんなに面白いストーリーでも普通の人は『伝えられない』のです。


 そのストーリーを伝えるのがマンガでは『ネーム』(アニメだと絵コンテが近い)であり心臓部と言って良い。しかし、これがマンガの面白く魅力なトコロであるのだが『結局、ネームは本人の個性に落ち着く』というのがある。これはどんなに頑張っても『自分は自分にしかなれない』というコトなのだ。




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 『週刊漫画TIMESで掲載されている 財政ろろ先生の『経理の夏谷さんはガマンできない』はその独自ネームが強烈だ!!作者がツイッターで『アシスタント経験が無い』みたいなコト呟いていたけど、この独自ネームを見ると『むしろプラスに作用している』とすら思える。




 まずネームで大事なのは『読みやすい』ということ。これが大前提。読みづらいのに個性なんて語られても困る。マンガというのはバカでも感覚的に『分かる』が無いとダメだ。特にネームは。



 そして、財政ろろ先生のマンガはとにかく読みやすい。おそらくこの独自のネームが大きく寄与している。



 また、特徴として『あえて目を描かない』というのが多い。マンガ顔パーツにおいて『何はなくとも目』なのである。乱暴な言い方をすれば『目はダメダメだけと他のパーツは魅力的』と『目は良いけど他のパーツはダメダメ』であったら後者のが読者ウケが良い。それだけ感覚的に訴えてくるパーツなのだ。


 だから『あえて描かない』



 …というのが財政ろろ先生のネームに見られる特徴だ。画像なんかが顕著ですが『目を描かないこと』によって『溜め』になり、鬼の形相で『開放』する情念が面白い。ここで目を描いていたら印象が全く違うものになる。




 …とまあ、技術について書きましたが『それでもネームは最終的に本人のものにしかならない』というのも自分は思っていて、だから今もずっとマンガに飽きずに惹かれているというのもあります。

成功するには…?         星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
01 /14 2020


 『マンガは面白ければ売れる!!黙っていても面白ければ売れる!!』



 …とまあ、たまに『自称マンガ好き』が言ってたりしますが、もしプロの編集者がこれを言っていたらヤバいと思ってます。いや、さすがにそんなのは居ない…よね?



 ただ、SNSが盛んな昨今、打ち切りで単行本の続きが出ないマンガ家さんが謝っていたりするのはいたたまれない。今のマンガ家さんのレベルそのものはほぼ間違いなく高い。そしてマンガ家さんって『失敗した自分を許せない』って方向に思考が行っちゃうからな~。そもそも一巻以降の続巻出なかったマンガ家さんでも、その後に大爆発している方は多いので絶望しなくてもいいんですよね(ただ、俺もショックを引きずるタイプなんで分かる)。



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 さて、今週の『解体屋ゲン』は店を構える時の立地条件のお話です。この作品では度々描かれている題材ですが、コイツはメチャ重要なのだ。


 今回は『軽食が売りの喫茶店』というものですが、実際『本当に味はどこにも負けない』というもので、コイツが落とし穴だったりする。


 ・成功体験をどんどん積む

 ・良い部分はどんどん誉める

 ・ネガティブなコトを言わない


 …みたいな考え方が今の主流で自分も賛成側なんですが『同時に疑っている』というのもある。これ、人間の脳みそのエラーだと思うのですが『成功体験は思考を止める』っても考えているんですよね。また『その分野に自信があると悪い意味で頑張ってしまう』というのもある。マンガは面白ければ売れる…って考え方もそれだ。



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 まあ『旨いものを売る』というのが仕事なんでそれに間違いは無いけど、同時に『それ以外はダメ』ってコト。本田宗一郎が『できないことはできるヤツにやらせろ』って言ったけど、この言葉は人によっては『なんでもできるようになる努力は必要。怠けている』って捉えちゃう人もいるのよね…。違う、そうじゃない。



 実際、最近ひいきしてたラーメン屋が潰れちゃったんですよ。味に関して言えば本当に良い店であったし、クルマの通行量も多かった。で、潰れた原因を考えたんですが『通行量は多いものの、平均速度が速いうえに入りづらかった』ってのがある。これはモニター上の数字だけで判断できるポイントでは無い。成功にはそれこそいろんな要素が絡んでいるんですよね。



 優れているというのは成功するのに大事な要素でありますが、他の要素も絡んでくる。また、継続させるにもいろんなノウハウが必要になってくるんです。


その考え方、いただきます              藤川よつ葉・FURICO『夜のおねえさんは食べることばかり考えている』

週刊漫画TIMES
10 /20 2019

 バブル期に差し掛かる頃に登場したのが『美味しんぼ』だ。その時代らしく『贅を尽くした本物志向』であり、豊かさの中に対する疑問の投げかけ…という部分が時代に合致していたと感じます。今でも話題になるのが『トンカツ慕情』というエピソードのセリフで


『いいかい、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが、人間偉過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ』


 …なんてのは『時代が追いついた』という感じはする。



 食事のしない人間はいない


 この事実はマンガ題材として揺るぎの無いものだろう。マンガというのは嗜好品ではあるし、激しい暴力がダメとかエログロやめてくれっていうのはありますが、食い物マンガが苦手って方はそうそういない。もちろん勇チャンは大好きだぜ!!




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 さて、今回は以前も記事にしました 藤川よつ葉・FURICO先生の『夜のおねえさんは食べることばかり考えている」です。先日、待望の一巻が出ました!!


 この作品は『銀座のクラブのおねえさんたちのゴハンマンガ』という『あ、このテがあったか!!』というマンガであり、俺のようなワーキングプアには一生縁の無い世界を知るコトができます。いや、マンガってそういう意味ではマジで安いなと思います。



 …というのも『一流の考え方』をいただくコトができるということ他ならない。これは大真面目に。特に『食事』というのはその人間のレベルがモロに反映される。そういう意味でも自分は『食い物マンガ』というのが好きなのです。




 今回注目したいのが第四話の『トンカツ編』だ。



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 『僕は三流大から叩き上げで社長になり、高価でおいしいものを食べられるようになった』


 けど


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 『おいしさの基本って日常の中にある気がする』



 …という考え方。もちろんこの考え方が絶対に正しいという訳でもないし、間違っているという訳でも無い。しかし、当人が考えて導き出した答えというのは間違いないだろう。付け加えると『偉くなってもトンカツの味を忘れるな』とか『トンカツの旨さを追求する…これ以上は無いという考え方の否定』ともとれる。



 やはり銀座のおねえさんたちのドラマだけあって『一流』を感じるし、だけど『庶民的』というう面白いバランスが成立しているのが本作の魅力と言って良いだろう。


 




 お試し読み~。


見ていて認めること             みこくのほまれ『サキちゃんは今夜もぺこぺこ』 

週刊漫画TIMES
09 /23 2019



 人は人が見てないとダメになる



 …って考え方をしてます。それは文字通りの意味で、『難癖つけてあれこれ直せ』と命令する訳でも『全てを肯定してやる』という意味でもありません。肯定も否定もしなくていい、『見て認めること』が大事なんです。



 さて、このブログでちょくちょく取り上げる みこくのほまれ先生の『サキちゃんは今夜もぺこぺこ』ですが



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 主人公・太田恋太はサキちゃんの他に同僚の倉野さんからも熱烈なアプローチを受けてます。で、黙ってないのが倉野さんを好きな祐介くん、威勢よく突っかかります。



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 財布忘れて逆にオゴられる…かなり格好悪(ダサ)い。


 さらに!!


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 ありえないタイミングで吠える!!これじゃ『弱いイヌほどよく吠える』の格言のままではないか!?



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 ホント、若くてかわいいな!!そして格好悪(ダサ)い。



 それに対して恋太は『キミの気持ちがそうであるように、俺自身からは倉野さんの気持ちを止めることはできない』と諭す。これは『大人としての初歩』の考え方に感じます。気持ちは個人の物であり、だからその気持ちは他人がどうこう出来ないし、自身で決着つけなさい…というコト。



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 だから『がんばれ』というコト。



 祐介の行動に対して否定も肯定も保証も約束も無い……だけど見て認めておくというドラマの流れが実にスムーズに分かりやすくて良い。



 あと、これ書くと反発する方も居るだろうけど『男のダメさを見て認める女性作家さんは嬉しい』というのはあります。男だってデリケートな領域があって、こういう部分に関しては認めてくれる方は異性のが安心するんですよね。みこくの先生の作品は他にも読みましたが、ここら辺をドラマに盛り込むのがうまい(そして描いている本人は自覚が無いっぺえ)。



 『サキちゃん』の連載も残すところあと二回ですが、次回作は『男のダメさを』『見ていて認める』という要素強めだとさらに面白くなりそうだ。

宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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