まんがきらら系 - 豚か狼か

短期集中        大熊らすこ『ハッピーセピア』

まんがきらら系
02 /22 2017


 マンガブログやっている訳ですが、結構重要なコトに『マンガを普通に読んでいる人』とか『あんまりマンガを読まない人』の意見というのがある。


 自分の認識の歪みを修正させるために。いかに自分がマンガが重要であっても、世の中のほとんどの人はマンガが無くても変わらず生きていけるものなんです。


 そういう人の意見は本当に役に立つ。自分の知らない感覚を持っているから。



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 さて、今回は 大熊らすこ先生の『ハッピーセピア』です。以前、『あるじのいぬまに!』でも記事にさせていただきましたが、最初のハードルは無事通過できたようで三話の短期集中として、今月の無印きららからスタートです!!


 

 ストーリーは


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 大好きな家庭教師・みなみは高校時代に心残りがあるみたいで。


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 主人公・みなみは何とかしたいと頑張って!!


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 怪しげなルートからタイムスリップして過去改変する…というものです(このコマ、すげー笑った)。



 ここで注目したいのは『読者に何が起こっているのか?』というのがとても明確な作品であり、この三話の中で大崩れしないであろう…という抜群の安定感だ。構成力が新人離れしていて、実に丁寧だ。


 先に書いた『普通にマンガを読む方』というのは実は『構成力』なんて意識して無い。そういう方が『楽しい』と思えればしめたもの。マンガはとにかく読ませてナンボのものなんで。きらら系と言うと『なんかのんべだらりとしている』と思われがちですが、人気作品はやっぱり構成力が図抜けているんです。
  




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 ただ、そんなコトを書いている俺としても『それは楽しみの一要素』と思っていたりする。大熊らすこ先生の作風って温かみがあって大好きなんですよね。


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ゲストォーーーッ!!            リムコロ『ことりステーション』           

まんがきらら系
02 /01 2017

 『ポッピンQ』が面白かったのは、主人公の伊純が高知弁であったから……というのはまんざらでは無い気がしてきた。


 いや、俺自身が栃木の田舎猿だから『けっ、都会モンが気取りやがって』みたいなトコロあるし。



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 さて、今回は先月&今月のきららMAXにゲスト掲載された リムコロ先生『ことりステーション』です!!



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 地方から東京の高校に入学したカッペヒロイン



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放送部の面々にしてやられるお話でした(割と本当)。



 …とまあ、やはり田舎猿の俺としても愉快に読めましたが、このマンガはゲストなので来月以降は人気次第なんですよね~。このマンガ面白かったんで、なんとか本連載になってほしいなあ。


 ちょっと気になるトコロとして『バストアップ会話メイン』で展開しているトコロですね~。おそらく『この方が読みやすいんじゃないかな』という判断だと思いますが、個人的にはコマにはメリハリあった方が好みです。




 

弱さとかダメさとか            相崎うたう『どうして私が美術科に!?』

まんがきらら系
02 /01 2017


 きらら記事だというのに、いきなり『修羅の門』からスタートですが。


 キメセリフが『陸奥圓明流千年の歴史に敗北はない』というだけに絶対に負けない主人公なんです!!負ける時は死ぬ時という訳ですから、続巻が出る以上は絶対に負けない。
 

 が、この主人公・九十九はところどころで『弱さ』とか『ダメさ』とか出る。対不破北斗戦(単行本10巻)では死んだ兄を思い出して思わず泣いてしまった。で、俺は言うとこの主人公・九十九が大好きである。それなりにマンガは読みましたが、トップクラスに思い入れのあるキャラです。


 ただ、九十九に『そういう面』が描写されなかったら、そこまで好きじゃなかったと思うのです。マンガのキャラというのは総じて凡人以上のスペックが与えられてますが、それだけじゃ感情移入はできないと思うのです。『弱さ』とか『ダメさ』があるから惹かれると思うんですよね。




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 そして、ダメキャラの総合デパートと言っても遜色ないのが 相崎うたう先生の『どうして私が美術科に!?』であり、勇チャンの大変お気に入りマンガだ!!単行本一巻ももうすぐ発売だぜ!!(3/8)


 『コイツ等、本当にダメだな~』


 …とか思いながら毎回楽しく読んでます(酷いなあ)。



 だけど、『弱さ』とか『ダメさ』ってそんなに悪いコトなのかな~とも思うんですよね。そういうの『まあ、いいか』と思えるぐらいの空気が丁度いいんです。そして、同時にそういうコって応援したくなりますよね~。



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 今回は…


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 一見、他人に関して無関心でヤル気なさげな黄奈子にスポットが当たってますが……



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 突飛な出来事にメチャ弱かったり


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 実はかなり結構小心者だったり



 と弱さダメさをさらけ出してます。


 
 他の人はどうだか知らないけど、自分は今回の件で『黄奈子がだいぶ読者にさらけ出してくれたな』とちょっと嬉しいものがあります(なぜか)。マンガのキャラというのは『創造物』と考えている方も多いと思いますが、自分は『生き物』みたいに捉えているトコロがあるんですよね。『居る』という感覚で。



 よくマンガ入門書に『マンガはキャラクターだ!!』というのがありますが、それは『カッコイイことを描け!!』じゃないと思います。極論すると『弱さ』とか『ダメさ』があって、初めて魅力的になるんじゃないかと。そんなコトを描いたら読者に嫌われる?ンなコトは無い。読者はそんなに冷淡じゃない。それを信じられたマンガ家さんが『弱さ』とか『ダメさ』をさらけ出せるのだろう。


最もダメーな            悠理なゆた『サクランボッチ』

まんがきらら系
12 /21 2016


 たまに書いているコトですが、マンガは連載雑誌で読むのがいい。応援している作品ならば尚更だ。


 まあ、マンガ誌も一冊あたりの連載が20本超えるのを考えるとその一本の為に雑誌を買うのは現実的じゃないし、そのような理由で単行本になっている作品も自分にだって多々ある。



 ただ、『伸びている』と感じるマンガ家さんはやっぱり雑誌で追うと楽しいんですよね~。




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 きらら誌だと、自分はやっぱり 悠理なゆた先生の『サクランボッチ』ですね。この作品のチャレンジングなトコロであり、回を追うごとにマンガに磨きがかかっているのが感じられます。連載前のマンガ家で無い悠理なゆた先生ってイマイチ知らないんですが、どちらかと言えばイラスト畑な人だったのかな?俺、マンガとイラストは全然違うと思っていて、マンガがラジコンでイラストがプラモだと思ってます(意味不明)。


 さて、このマンガは四人の『ぼっち』が出ますが


桜~勉強に集中するあまり成績と引き換えに対人スキルがヘタヘタになる。

百合~お嬢様すぎて周囲が敬遠している

小紫先輩~対人距離感がブッ壊れている(?)過去に何かあったっぽい?


 そして


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 小雪は天性のぼっちのセンスに恵まれているとしか思えない。このコは他の三人と事情が違うようだ。ええ、ハッキリ言って、このマンガで一番ダメなコは小雪です(酷ぇ)。


 だからこそ、自分はこの作品の中では小雪が最も思い入れあるキャラです。今回(2017・一月号)はそんな小雪にスポットが当たってます。


 この作品ももうすぐ二年になるんですが、それにしても悠理先生はマンガが巧くなった。マンガは才能では無い…と自分は常に主張してますが、そういう意味では悠理先生は要領の良いタイプでは無いだろう。だけど、それ以上に毎回工夫を凝らしているのに惹かれる。全てのマンガ家さんは工夫をしているのはもちろんですが、『サクランボッチ』は本当に工夫しているのを強く感じるし、それが作品の引力になっている。


 それを雑誌で追うように読むのが楽しい。


 このダメダメなぼっちである小雪ですが、いかにもこの作品ならではの魅力を感じる。その不器用で要領が悪く、性格も深刻に考え過ぎなトコロがいい。このキャラクターは悠理先生ならではの産物でしょう。そして、そんな小雪を自分は応援したくなるんですよね。



 

期待値          相崎うたう『どうして私が美術科に!?』

まんがきらら系
11 /08 2016



 マンガ家によるマンガ解説本なんかがあって、いわゆる『マンガ家マンガ』なんかもそうだ。


 そして、意外にも さいとうたかを先生も書いてたりして『さいとうたかをのコーヒーブレイク』がオススメであったが、今確認したらプレミアがついてた(汗)。あれ…?古本屋のオヤジにオススメされて300円ぐらいだったような…。電子化とかしてくんないかな~。


 さておいて。


 その興味深い内容の数々の中で『物語のパターンは出尽くしている』というのをさいとう先生は指摘している。自分もそう思う。だから、マンガ家マンガの中で主人公が『誰も見たこと無いようなマンガを描いてやる!!』と目を輝かせて言いますが、既知感の無い作品は無理だ…というコト。


 しかし、さいとう先生は付け加えて『だからアレンジが必要だ』と言っているし、また別の項目では『個性というのは小手先の表現でなく、己が滲み出るもの』とも言っている。自分もそう思う。



 
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 さて、今回は急上昇の 相崎うたう先生の『どうして私が美術科へ!?』です。前回の記事は コチラに。



 これはもうマンガブログやってるヤツの特権だと思うのですが、応援している作品が人気作になっている過程を見るのはワクワクします。きらら誌で言うと『きんいろモザイク』がそれに当たるんですが、こういう気持ちを再び感じさせてくれる、きらら作品が個人的に二つある。ひとつは伊藤いづも先生の『まちカドまぞく』で、もう一つはこの『どうして私が美術科へ?』だ。


 『まちカドまぞく』は構成がきららフォーマットとかなり違う冒険をしていて、自分はそこが面白いと感じている。そして『どうして私が美術科へ?』は実はきららフォーマットを違えないというのが面白いと感じてます。



 マンガって面白いな~って思うのが、400字詰め原稿用紙一枚にあらすじまとめると、どんな名作も『大して面白く無さそう』なんです。例えば『ドラゴンボール』だって、『強い敵が現われる→修行→土壇場でパワーアップ→勝利するも新たな強い敵』のエンドレス展開なんです。だから『マンガは絵は描けないけど、ストーリーは考えられる』とか言っちゃう人って、そんな感じにマンガはチョロイとか思っているんじゃないかと。だから、マンガは面白いって思うんですけどね。


 これを読まれている方も『きらら系を研究してデビューしたい』というマンガ家志望の方が居るかもしんないけど、きららフォーマットそのものはかなり明確化されている。だけど、そんなにイージーじゃないと思いますよ…としか言いようが無い。



 マンガって己の持っている要素を総動員するもので、そこから初めて『滲み出る個性』が読者に伝わるんじゃないかと。



 この『どうして私が美術科に!?』が急上昇しているかと言えば、やっぱり『持っている』んですよね。『原稿用紙一枚のあらすじ』を超越した『滲み出る個性』というのを。それは相崎先生の本気(マジ)が成立させている。



 相崎先生の作品で顕著に感じるのが、セリフ回しです。もちろんテクニックという意味合いもあるんですが、『キャラクターに生を与えたい』という願いにもにた想いが凡百の作品とは明らかに違う。特に気に入っているシーンを例に出すと、すいにゃん先輩が黄奈子を先輩と呼ぶようになるのは嫌だと転げまわるシーンだ。ここで桃音が『そんな えっ!? そんなに!?』というセリフになってますが、これが『そんなに!?』だとここまで面白くならないんですよね。そして、この記事の解説もまた『そんなに面白そうには思えない』なんです。


 この面白さは『手にした読者のみが理解できる』というコトで、相崎先生はそれを深く理解している。それが違いであり、それが滲み出る個性に繋がっているんです。読者に意識がすごく向かっている。マンガ家ってそういうアタマの悪さがミッチリな人種なんです。こんなメンタリティ、社会人には邪魔なだけだぜッ!!そして、そういうマンガが自分はメチャ好きなんだよな~。


 『それは良いんじゃなくて、アナタが好きなだけだろ』


 …というのが『否定の常套句』なんですが、マンガというのは個々の好きの積み重ねが決定するのが良い。この作品への期待値は高まるばかり、そんな個々の想いがいずれ結果に繋がる。そう思わせる作品です。自分はその『否定の常套句』を否定したくて好きなマンガ記事書いている。






あなたに合うもの          みやびあきの『なでしこドレミソラ』

まんがきらら系
10 /24 2016


 よく書いてますが『マンガに影響されやすいアホウ』であるので、狂育関係のお偉いさんが『マンガ・アニメに影響されると現実と妄想の区別がつかなくなる!!人を殺す!!』というのもひょっとするとそうかもねと思っちゃいます。いや、曲がりなりにもマンガブログなんだから暑苦しく『マンガ・アニメは世界に誇る日本の文化!!』みてえな雑魚の寝言の一つも言えりゃいいけど、それも違うな~とか思っちゃうんですよね。



 ただ『良い影響』というのがほとんどだと思うんですよ。世の中のフィクションは。



 翻ってマンガの定番中の展開で『とりえの無い主人公が夢中になるものを見つけて頑張る』というのがあるんですが、読者の全員がそれを始めるなんて無い。そりゃ無い。だけど、そこに描かれた情熱に感化されるのは『良い影響』だ。誰が何と言おうとね。それを都合よく無視して持論を展開するヤツは羽死夢にキンタマ握りつぶされろ。(オッサンネタ)




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 さて、今回紹介する みやびあけの先生の『なでしこドレミソラ』は『ええ、そういうスタンダードな作品なんです。本当に』と言えるだろう。作品のウリとしては『和楽器』というジャンルでこれはとても珍しいものですが、フォーマット的には本当にスタンダードだ。



 が、やっぱり自分はこの作品を『とても面白い』と感じる。



 この作品に描かれている『情熱』そのものは読者を魅了する。作者としてはやっぱり『和楽器』に興味を持ってもらいたいとは思うのですが、残念ながら勇チャンは音楽の授業にイヤな思い出しか無いので始めることは無い。が、ここに描かれている『自分を豊かにしたい』という願いは本当だと感じる。別に音楽じゃなくてもいい。あなたに合うものがありますよ、というメッセージだけでも十分に勇気をくれる作品です。



 このマンガは良い影響をビリビリ吸収できる!!



 …と自信を持ってオススメしたいです。



 ただ、このマンガの音楽描写もまた本当に興味深い。『サルでも分かるマンガ教室』で『マンガは音が出ないという弱点がある』というのを指摘されていたけど、こういう新しい描写もあるのか~とビックリです。マンガに出来ねぇことなど存在しねぇッ!!とジャギ風にも吠えておく。本当、このマンガはオススメです。



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 どうでもいいんですが、マンガキャラのプロフィールで自分と星座とか血液型が一緒だと結構嬉しくないですか?まあ、俺を知る人はA型だっての信じてくんないんだけど。


好かれてマス!       たちつてつこ『カスタムメイド!』

まんがきらら系
10 /11 2016


 マンガって、読まれる動機はイロイロあると思うんですよ。イロイロな感情を刺激する為にイロイロ読みたくなるんですよね。


 先日は野部優実先生の『ランブル・フィスト』の記事書きましたが、バトルによるアドレナリン分泌も必要だし、荒ぶった気持ちを豊かにする為にホンワカしたマンガも読みたくなる。マンガはイロイロあって、イロイロ楽しんでいい。


 だから『ハラハラする』とか『謎が気になる』とか『キレイな絵が観たい』とか、その気持ちに上下無くて等しいものだと思ってます。




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 さて、残念ながら連載終了で先日完結の二巻が発売され、当ブログでも度々書かせてもらった『カスタムメイド!』ですが、単純に俺このマンガが『好き』なんですよ。


 いやいや、マンガブログで書くからには好きだろ?というツッコミは当然であるし、好きじゃなきゃ書きたくねぇよという俺なんですが、同時に『どうして?』というのもマンガブログとして書く部分だと思うのです。なんつーか『説得力持たせる』という感じに。



 ところが、この『カスタムメイド!』という作品は『好きな作品』という答えが自分の中で一番シックリくる。作品の中に出てくるユウ・マサキはもちろんユウの同級生に至るまで全てのキャラクターがストーリーを紡いでいるのを読んでいるのが好きなんですよね。マンガブログをやる前はそういう『好き』というシンプルな感情で読んでいるところもあったし、なんつーか『カスタムメイド!』という作品はマンガ好きである自分の根っこのようなトコロを刺激してくれる作品でした。



 残念ながらマンガというのは難しいもので二巻完結となりましたが、とてもとても記憶に残る作品となりました。『好き』という意味でも。ただ、この作品のファンの方もまた『どこが良い?』と聞かれたら『う~ん?好きってトコかな…』と答えるような気がするんですよね。イロイロと理屈入れないで単純に『好き』と言えるような作品じゃないかな?


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 ちなみに自分は岡野先生とモトキ姉さんがかなり好きだったりします。たちつてつこ先生って、残念キャラ生み出すの向いていると思います。



 早く次回作読みたいぜーー!!




 
 

温かい作品            大熊らすこ『あるじのいぬまに!』

まんがきらら系
08 /16 2016



 いいな~この作品



 …というような状態にしてくれる作品は『好き』だ。自分の目安なんですが『優れている』イコール『好き』にならないコトもあるんですよね。あらゆる面でハイレベルを感じさせるも『でも、好きではないな~』という作品も結構あったりする。




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 今回(2016/9)の無印きららにゲスト掲載された 大熊らすこ先生の『あるじのいぬまに!』はスゲー単純に『いいな。こういう作品好きだな』と温かい気持ちになるよな作品でグーです。



 フォーマットとしては、人間化するコトができる犬二匹が大好きな主人が不在な時に頑張ってしまうというもの。初回である今回は



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 頑張りすぎてご主人のカップを割ってしまう……というものでしたが、さて?



 『何かを想っての行動』というのは人を温かい気持ちにさせる。例えば『夫は時計を売って、妻は髪の毛を売った話』とかオー・ヘンリーの『最後の一葉』とか話はメチャシンプルなのにいつまでも心に残っていたりする。


 この『あるじのいぬまに!』はそういう雰囲気がある。主人を想い、理解しようとする犬たちはこんなにも温かい。


 作品のフォーマットから考えられるのが『どこまで展開できるか?』というのがネックになりそうなんですが、ここら辺はクリアして連載にこぎつけてほしい作品です。いや、単行本一冊というボリュームも勇チャンはアリだと思うぜ?


 また、この作品の温かさは『絵』も大きく寄与している。温かみのある絵というのは感じたままですが、よくよく見ると『手の平を描くのが巧い』というのがあって、『あ~真面目に面倒くさがらず描いているなあ』と感じます。手の平を描くのが巧いマンガ家さんには注目してしまうという性癖が俺にはあるなあ。





 しかし、大熊らすこ先生って検索かけても引っかからんのだが、この人はどういう経緯できらら誌に掲載されたのだろう?


 

これが高密度!!           湖西晶『〆切りごはん』    

まんがきらら系
08 /16 2016


 あらゆる情報が洪水のごとく溢れ出ている……それが高密度作品!!


 ……とは思わない。これはもう『好み』ではあるんですが、『スメラギドレッサーズ』の場合だと『謎解き要素』も楽しんでましたが、自分は『ドラマ』の方に惹かれた。いわゆるフィクションに対しての『検証』というのはあんまり関心無いのかもしんない。



 一見、フツーに読んでいるのに、こうして記事に起こしてみたら『あれも書きたいこれも書きたい』となるような作品が高密度かな~と感じてます。



 そんな訳で今回は…



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 湖西晶先生の『〆切りごはん』今月号(2016.9)です!!



 もともとこのマンガは『必ず何かを食べる』という縛りがある。そう『ウルトラマンが必ず怪獣と戦って勝利する!!』というような条件が。なので他作品よりもさらに巧く8ページにまとめなきゃならん、というハードルの高さがあるのですが、今月はさらに要素が加算されていながら『フツーに読める』というのはベテラン・湖西晶先生の巧さだろう。本当、マンガ家さんのこういう巧さってメロメロメロにされてまうがな。



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 楽しい同人誌イベントで……



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 アレな客が来て台無しに……というエピソードです。



 キャッキャウフフでフワフワなきらら系に於いて、湖西晶先生は『それを描きながら、たまに鋭い刃物で刺してくる』という巧の技を使ってくる。ドラマが本当に巧い。余談ではあるが、湖西先生の『ソーダ屋さんシリーズ』は歴史的名作だと思っている。よく『100ページぐらいから一巻完結の名作』というマンガ好きを試すような質問があるが、俺は『11人いる!』に比肩しうる名作だとマジで思ってたりする。


 さておいて。



 今回のこのエピソードはイロイロと考えさせられた。まず『リアルなマンガ事情の変化』という問題提起が興味深い。今回の客ですが、リアルに増えてんだろうな……と思わせるのが絶妙だ。ドラマの大事な要素ですが『こういうのありそう・いそう』という感触がまず重要だ。他人事…と感じるコトに面白さは感じにくいでしょうし。そして、この男の救いがたいところは『良いコトをしている』とマジで思っているコト。自分もそうですが、これを読んでいるアナタにも『そういうトコロは必ずありますよ』と思わせる接地感がドラマに深みを与えている。


 『正義は自分に在る』


 …と思っている人間が一番残酷で恐ろしい破壊者になりえる。だから自分には疑問を持ち監視してなくてはいけない…そういう戒めを作品から感じる。



 ただ、個人的にさらに考え込んでしまうのが『自分のマンガブログは誤ってないか?』というコトである。だって、勝手に作品について書いているし、画像引用しているしね(汗)。


 そう、今回の事件の舞台って『同人誌イベント』なんです。同人誌イベントったら悪く言えば『他人のフンドシで商売』というコトでもあるんですよね。それを版権元がお目こぼししている…というバランスで成立しているのです。そういう側面からも今回の話は単純に『アイツが悪い!!全部悪い!!』で済ませて良い話では無いし、先に書いたように『俺は正義なので悪は徹底的に叩いて良い』なんてのが『最悪』なのです。



 大事なのは考えるコト。湖西先生の高密度な作品はそうさせてくれる。




だからそんなの関係ないから描こうよ楽しいよ!!        相崎うたう『どうして私が美術科に!?』

まんがきらら系
03 /29 2016


 これを読んでいる方はかなりの比率で『仕事をして給料もらっている』と思うのですが、『タダ働き』は当然イヤだろう。自営業だってギャラの発生しない仕事はやりたくないはずだ。


 マンガ家ってアタマおかしいな…と思うコトは度々ありますが、ツイッターとかピクシブで描いたものを無償でアップしているトコロだ。あれはサラリーマンの視点からしたらかなり狂っておる。アレだ。こういう方にとってのそれは呼吸みたいなものなのだろう。


 自分はそうじゃないから、そういう方って素直にスゴイと感じてます。やはりマンガというのは最高だ。


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 さて、今回の作品はきららMAX掲載の 相崎うたう先生『どうして私が美術科に!?』です。一年位前のMAXはイマイチ元気なかったのですが、ここ最近復調してきて、そしてこの度『どうして私が美術科に!?』でマッドマックスなきららマックスが戻ってきたなあとしみじみ。いや、この作品はなかなかにして、結構な感じにクルクルパーです(そう思えないだろうけど誉めてます)。


 まず『美術科』という題材のチョイスですがきらら系であると『ひだまりスケッチ』と『GA』がアニメ化までしている二大巨頭であるのは異論無いだろう。そこに敢えてチョレンジ(挑戦+チャレンジの意)してきたというあたりがマックス臭プンプンである。やはりマックス誌はロックでパンチが効いてウオッカの強炭酸割りみたいな誌面じゃないとダメだ。絶対にダメだ。


 なので俺は『あほすぎて言えないっ……!』というスタートに眩暈すら感じた。細かいコトだが『アホ』でなく『あほ』と表記されているあたりもアタマの悪さが滲み出ていて好きだぜッ!!


 まあ、内容としてはタイトルそのまんまというコトでこれ以上分かりやすいものも珍しいぐらいです。


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 左はあほの子の主人公・桃音。この手のマンガには珍しい知識ゼロで入学してしまったあほの子。

 右は黄奈子。よく寝る。大雑把。


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 アホアホマン3号&4号


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 アホアホマン5号・翠玉先輩(すいにゃん)。天才肌でそれに伴うテクニック・知識もかなりあると思われる。思われるが留年(ダブ)るというきらら系では『あってはならない』というレアキャラ(レギュラーでダブりキャラっていたっけ?)。


 おそらくこの五人がメインと思うのですが、今のトコロはすいにゃん先輩がお気に入りです。


 で、アホアホマンがレギュラー陣という作品ですが、このマンガに惹かれるのはもちろんそういうトコロだけじゃない。



 翻って『何かをする』というと『レベルの低い自分がやるなんて…』という謎の遠慮が日本人にはある。特に趣味性の強い世界においては尚更で。割と排他的ではあると思います。


 が、この作品から感じるのは『だからそんなの関係ないから描こうよ楽しいよ!!』という声だ。何も芸術家目指す訳じゃなし、ラクガキでいいからやってみない?楽しいから!!で、もっと描けるようになったらもっと楽しいよ!!と聞こえる。俺はこの作品のそういうトコロ好き。


 冒頭でマンガ家ってアタマおかしいって書いたけど、本当におかしい状態になっちゃっているんですよね。それが自分は『いいね~』って思うし、自分もそうなりたいトコロではあります。楽しいってのはいいコトだ。


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 最近は見分けが難しくなっているのですが、ひょっとするとこのマンガはアナログなんじゃなかろうか?


 まあ、ドチラにしても『線による質感』を大事にするマンガというのは個人的にヒイキすることにしている。例えば『タイツを線で描く』っていうのもアホですよね。ぶっちゃけベタでもほとんどの読者は気にしないと思いますよ。


 だけど、そういうトコロ手を抜かないマンガって俺好きなんですよね。やっぱ、バカとかアホとかのがマンガは楽しめるよ。