横田卓馬『背すじをピンと!』 - 豚か狼か

好きなヒロインは…?        横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』

横田卓馬『背すじをピンと!』
03 /07 2017

 『艦これ』はいい…。イロイロなしがらみに疲れた俺のようなダメ中年を癒してくれる。


 そして、そのヒロインの多さであろう。200人ぐらい居るから誰でも好みに適合するだろう。ちなみにケッコン(仮)したのは高雄・鈴谷・巻雲・阿賀野・衣笠なんですが、かなり自分の好みが出ているんじゃないでしょうか?


 しかし、フィクションのヒロインを『いいな!!』と思えるのはいい。フィクションであるコトが重要だ。絶対に現実化しないかわりに誰にも迷惑がかからない。ほどほどに楽しみ元気になる。そう、疲れてしまうイロイロなしがらみらに対して立ち向かうように。俺、酒はほとんど飲まないんだけど、そういう『明日への元気』だと思っているんですよ。



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 さて、九巻が発売された『背すじをピン!と』ですが、作中最も好きなヒロインは仙崎奈緒美ですね~。これはもう自分の好みにドンピシャな子です。


 応援したいカップルは宮大工&柏さんなんですが、好みのヒロインであるならば仙崎さんですね。ここでこの子の良い部分をツラツラと書くと単純にキモいので一点だけ。


 『変わらない』


 …というトコロが彼女の大きな魅力です。この『背すじをピンと!』という作品は競技ダンスを通じてキャラが成長し、考え方の視野を広げたりしますが、自分にとってこの子の魅力は『変わらない』というトコロなんです。言い換えれば『人格が完成している』というトコロです。フィクション…マンガ入門書とかには『キャラクターは成長するから魅力的になる!!』とか書かれていて、それは正しいんですが、同時に『変わらないから魅力的』というのもあるんですよね。



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 まあ


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 ちよっとガラの悪いトコロも愛嬌ですね~。そういうトコロもこのコの魅力です。









 …と、ここまで書きましたが実は『背すじをピンと!』は次巻で完結というサプライズが待ってます!!その報を最初聞いた時は『なぜ?軌道に乗ってきたこれからじゃないのか?』と思った。すでに俺のアタマの中ではアニメ化して『ポッピンQ』とコラボする…ぐらいまでイメージできていたのに!!三大怪獣から崩壊する世界をダンスで救うとか考えていたのに!!



 が、これは『素晴らしい英断』とも感じる。前々から『5~10巻ぐらいで完結する作品』というのをもっと評価していいと思っていましたしね。不朽の名作『寄生獣』も10巻完結というのは大きいと思ってます。これが30巻かかったらもうちょっと評価は違ったものではあるし。


 
 が、賢い勇チャンは騙されない!!


 ディオ・ブランドー並に上昇志向の強い横田先生はジャンプなんかじゃ満足できずに『やるならチャンピオンで頂点(てっぺん)獲ってやる!!』と移籍してくるに違いない!!そう、次のステージはチャンピオンしか無いのだ!!最強の少年誌から最狂の少年誌に行くのだ!!


 ジャンルはもちろんDQNヤンキーマンガ!!


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 横田先生のクローバーパンチを見れる日もそう遠く無いはずだ!!



 


  
 
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電子書籍                  横田卓馬『獣の女王』

横田卓馬『背すじをピンと!』
01 /02 2017


 まず、自分のスタンスとしては『それでも可能な限り紙が良い』なんですが。


 最近は電子書籍を読むようになってきた。そもそもにネット無料配信の作品が増え、当ブログでも取り上げるコトが多くなった。ちょっと前の自分だと『電子書籍は紙媒体に勝っている部分は一つしかなくて、それはスペースだ。だけど、その一点はかなりの優位性だ』と考えていたんですが、他にもイロイロと見えてきた。


紹介しやすい~端末とかの持ち歩きなんで、オススメしたい方に見せられる。また、配信だったらアドレスを転送なりできる。

買いやすい~たまにセールを行ってくれるのが嬉しい。本屋はそういうの無いし。


 マンガブログやってて痛感するのが『マンガはヤバイ。危機的状況だ』というコト。まあ、とどのつまりは政治が悪い・社会が悪い・この世の全てが悪いという『悪・即・斬』的な何かであるが、それでも好きなモノに対しての危機は出来る範囲で抗いたいものです。で、特にヤバいな~と感じるのが『マンガ家さんの収入とモチベーション』だ。


 マンガ家さんの収入はサラリーマン的に考えてはいけない。むしろ野球選手とかのアスリート系だ。年棒+出来高制で『稼げる時に稼げ』である。そもそもにマンガ家さんになるような方はだいたいがアタマが悪いので欲っ気が並以下だったりする。マジでマンガ描けて読んでもらって、とりあえず生活できればいい…という方が比率高めなんだけど、『その生活すら満たせない』というのが現状です。


 また、モチベーションであるが、やはり『読者が居るのを実感する』なんだけど、コイツもヤバい。よくマンガ家マンガにある『段ボール箱いっぱいのファンレター』というのは今や嘘だかんな。もちろん、そういうマンガ家さんも居るけど、そりゃ『上位1%以下の存在』と考えていいです。よく『自分はマンガのこのシーンが今の支えになっている』という読者の声とかありますが、同時に『読者のその声が支えになっている』というのも在るんです。本当に。



 



 …というコトで今回は     横田卓馬先生の読み切り前後編『獣の女王』です。


 いや、横田先生ったら『背すじをピン!と』なんですが、ほうほうこういう読み切りもあったんかの~。何々、100円か。丁度良い読もう…という感じに。


 『干支天使チアラット』が干支のヒロイン戦士が集結するのに対して、こちらはバトルロワイアル系です。読み切りなんで最初の一人倒して終わりなのが残念ですが、かなり面白かったな~。主人公の干支がヘビっていうのは絶妙ですよね~。これが虎とか龍とか強そうなのだと盛り上がらないし。そして、その設定からするとどうやって前回ネズミは頂点に立ったんだ?とイロイロと想像力を刺激される。特に戦闘シーンのヘビデザインはかなりエロカッコイイ!!立体化映えする!!


 おそらく『人気次第で連載』というカタチだったのだけど、運に恵まれなかったのだろう。


 そう、マンガの成功って『運』をはじめとしたイロイロな要素がデカいんです。実際『背すじをピンと!』で横田先生の名は大きく認知されることになったし。なので『面白ければ黙っていても売れる』という考えの方には龍虎乱舞を叩き込みたくなりますね。


 で、このマンガなんですが『電子書籍ならでは』というコト。特に読み切り関係には向いている。俺も過去に『残しておけば良かった』という読み切り作品はたくさんあるし、またページ数の関係から単行本にならない。以前は短編集というのも発売するコトもありましたが、濃いファン向けで売れ行き悪いそうで、最近の出版社はやりたがらないんだよなあ……。たがみよしひさ先生は読み切りが本領なんで、こういうマンガ家さんは今の紙媒体ではキツいと思います。


 反面、端末持ち歩きが当たり前な現代において、短編を安価で販売するスタイルは悪く無いと思います。ガキの頃は『全国民から一円ずつ集めれば一億円になる』なんてアホなコト考えたりしましたが、電子書籍というのは『そういう可能性もある』と思うんです。たまに政策として『マンガ・アニメの輸出』みたいなコトあがりますが、『なら、そのお金を作り手に補助金として配布しろよ…』とか思っちゃうだけどね。



 とにかくマンガの現状は厳しいんだけど、イロイロな可能性は模索したいものです。マンガ大好きだから。



決戦!王者対挑戦者たち            横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』  

横田卓馬『背すじをピンと!』
12 /25 2016

 自分の人生の中で最大の恩恵を受けている発明は『インターネット』だと思います。いや、これまでの人類史上と言ってもいい。これから先もこれを越えるものは現われないぐらいに『大きなもの』だと思います。



 これが定着して、だいたい20年ぐらいになりますが、それによって『価値観の変動』というのがめまぐるしい。ネットが定着するまでは当然とされた理不尽も今は疑問を感じるようになって改善のキッカケになっている。それと同時に価値観の多様化に対応しきれなくなっている部分もある。



 個人的には『それぞれイロイロな考え方があるし、正否の二元論で語れるものではありませよね~』と思ってます。もう『これが唯一絶対正義だ!!』というのは通用しないし、それはもう危険思想の領域にも向かっているんです。『多様化した考え方を各々が咀嚼(そしゃく)して吟味する』という在り方になるんじゃないでしょうか?また、同じ言葉であっても『何を言ったかでなく、誰が言ったか?』が重要になるでしょう。それは健全な方向だと思いますが、今はまだ混乱期なんかな~と。



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 昨日に続いて、今日は『すじピン』の八巻です。コメントには『八巻だから八巻(やまき)表紙にしようかと考えたけどやめた』と書かれてましたがなぜ、それをやらなかったんだ…と残念です。罰として88巻目に88人に分身した八巻を描くしかない!!『魁!男塾』の卍丸先輩が五人分身してたから、その18倍のスピードで動けばできるはずです。



 さて、昨日はそれぞれのカップルによるバトル&ラヴが描けるのがこの作品の強みであり、現在は八組居る…と書いたけど、ウッカリ、畔田満影をカウントし忘れたので九組ですね(ひらりんと麹町はノーカンで)。ああ、八巻の言ってたようにモブなんかもしんない…。人気投票もアレだったしなあ…。



 この記事を読まれている方は『すじピン!』のファン率高めだと思いますが、これは言い切っちゃってもいいと思います。



 『このマンガはそれぞれの考え方があるけど、それぞれを否定できないし、誰が正しいという訳でも無い』


 …というコト。キャラクターが魅力的というのはもちろんですが、このマンガは『価値観の多様化』というのを見事に描いている。この『価値観の多様化』というのは『めんどくさくなった時に使う便利な逃げ言葉』として使ってはいけない。だって、それじゃ済ませられないクソ思想は世の中にはたくさん存在するんだから。この作品のそれぞれの考え方はそれぞれに説得力を持っている。それぞれの過程を真っ当に経由してきて得たものだから。彼等の言い分にはそれぞれ説得力がこもっているのです。それが『誰が言ったか?』であり、その考え方に『過程』が無いヤツには力が無いんです。



 横田先生が『競技ダンス』を題材に選んだ理由はここにあると今感じております。



 今巻に於いては、それを開放てきる段階にきました。絶対王者に対して、それぞれの考え方を持った挑戦者たちが挑んでいるのだからどうしたってアツくなるわな!!今巻はカタルシスがMORIMORIですよ!!



 しかしさあ、しかし……こういうコトを書いてますが、このマンガって本当に楽しそうにダンスやっているよね。それ見ちゃうとこういうの書くのも野暮かな~とも思います。







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 宮大工&小春組推しの自分としては特に印象に残ったのがこのコマですね。『あえて小さいコマだからこそ印象に残る』というのもあるんです。



 

三大怪獣東京を襲撃            横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』

横田卓馬『背すじをピンと!』
12 /24 2016


 マンガ入門書の最高峰とも言えるのが『さるマン』だと思いますが、その中で作画担当が『ボク等はマンガという素晴らしい表現方法を持っているんだから、そういうのを描かなきゃいけない。人間の内面の真実とか!!』みたいにトチ狂うんですが、相方がブチ切れて正すというのが笑った。



 そちらに対しては一向に構わないが、俺自身は『マンガは低俗な大衆娯楽』と思っているトコロがあって、そういう輩に嫌われてナンボ、俺たち側に立っていて欲しいというのがあります。



 セックス&バイオレンス!!


 …こんなんでいい。こんなんでいいが、それをダイレクトにやっては芸が無い。子供番組の脚本を書く井上敏樹氏は『食事シーンはセックスシーンの代わり』みたいなコトを言ってたような気がするが、そういうコトです。



 バトル&ラブを両立させたら『うしおととら』コンビ並みに強力であり、ハリウッド映画などはヒーロー&ヒロインが強力な敵に立ち向かってラブに発展させますよね。お偉方はどうか知らないけど、だいたいの方は『そういうのが好き』なんです。それでいいんです。



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 三大怪獣東京を襲撃



 …と今回は発売から間が空いてしまいましたが、『すじピン』の七巻です。


 このマンガもいよいよ『初期では無い』の段階になり、本来的な展開に入った感じがする。題材が『競技ダンス』でありますが、コイツはエラい『発見』だ。そう、大衆娯楽の王道である『バトル&ラブの両立』を果たしているのですが、『イロイロなコンビが描ける』というコト。これができる題材の『発見』だ。


 ラブコメ的なものを考えると、俺もいい歳したオッサンであるが80年代のジャンプだと『きまぐれオレンジロード』ですね~。オレンジロードが出ないのでいまだにタイトルの意味が良く分からないんですが。このマンガだと優柔不断な主人公が二人にモテてしまう…というものでしたが、要所は男の子らしく頑張ってました。90年代ぐらいのジャンプで印象に残っているの(その頃は雑誌を買わなくなっていた)は『密リターンズ!』ですね。ヒロインもウェディングドレス着てカーチェイスしてたような気がする。2000年以降は『どうしてこんなクソ野郎がモテモテ?』というハーレム時代に突入して今に至ってますが、そろそろ転換期だろう。最近だと金田陽介先生の『寄宿学校のジュリエット』の主人公がアツくてよろしい。



 が、この『すじピン』に於いては『バトルメインに多数のラブが描ける』というのが他の追随を許さない。これは題材のチョイスの見事さ他ならない。単行本表紙はあらゆるコンビが描かれてまずが、八巻の時点で八組ありますもん。そのどれもが応援したくなる要素持ってますしね(個人的には宮大工&小春コンビ推し)。



 そして、七巻に於いては



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 長年のキャリア故に『自分の立ち位置』を悟ってしまった理央先輩が



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 再び闘志を取り戻す…という流れになってます。


 ここら辺のドラマは本当に濃厚だ。ジャンプ層はやっぱりチャンピオンに較べてポピュラー&年齢層低めだと思いますが、ここら辺のドラマは『歳とって読み返すと面白い』というのがあります。この記事を読んでいる方が15ぐらいでしたら、10年後20年後も読み返してみると面白いと思いますよ。








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 単行本オマケも充実している本作ですが、やっぱり小春は応援したくなるな~。そのたどたどしくも必死にラブなトコロが良いです。頑張れ~。


 
 

やれる!できる!前進している!          横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』

横田卓馬『背すじをピンと!』
08 /14 2016

 前にも書いたけど、ガキの頃から『ドン・キホーテ』という物語に魅力を感じていた。物語の受け止め方は人それぞれだと思うが、『ドン・キホーテ』という作品をひと括りにしてしまえば『愚かで滑稽で哀れな男』だと思うのですが、自分はその先に『希望』みたいのを感じて惹かれるんですよね。


 『愚かで滑稽で哀れな男』であざ笑って溜飲さげて『だから自分はまだマシだ』なんて思いたくないんです。その考え方は『その先に何かを成す』という可能性の放棄だ。



 これは自戒もあるんですが、今はネットが普及したおかげで一億総批評家&管理社会に向かってます。これからは『そんなコト知るか!!』と強い意志が必要になるでしょう。確かに風車を巨人と勘違いして突進したドン・キホーテは『愚かで滑稽で哀れな男』でありますが、立ち向かった彼は『勇敢である』と思ってます。



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 さて、差今回は最近六巻が発売された 横田卓馬先生の『背すじをピンと!』です。ううっ……なぜ俺はチャンピオンブログをやっているのにジャンプなんかのマンガを毎回書いているのだろうか?おれとしては『少年ラケットの最上くんのように


 
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 チャンピオンが日本一に返り咲く日の為にやっているというのに……!!しかも『すじピン!』たらノミネートがとなりでしっかり1位獲得した作品じゃねーか!!


 いや、これはチャンピオンに与えられた『試練でしかない』のだ。俺たちのチャンピオンはやれる!できる!前進している!例えドン・キホーテのように無様であろうとも、そんなのは気にするな!!うおおおおッ!!



 ……とまあ、私情バリバリのアレをココまでとして。



 まあ、このマンガは自分にとって純粋に面白いんですよね。なら、書かない理由はないので。




 さて、今巻の見どころと言えば


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 人気投票1位を獲得した英里チャンのツッチー応援です!!


 これ……これって『とても重要なコト』だと思います。どんなにスゴイ実績のある人でも『初心者だった頃』というのは必ずあって、で周囲が最初からポジティブに捉えてくれることなんて無いんですよね。そんな時は『自分の内側から奮起するしか無い』と思っているんですよ。それが強がりでも勘違いでも間違っていてもなんでもいいからとにかく。



 とにかくやっちまえ、というコト。



 ……それが『コトを成すにあたっての最大の敵』だと感じてます。まして、先に書いたように一億総評論家&監視社会に向かっていくにあたって。



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 八巻先輩のこのセリフですが、この巻の要点はまさにコレで『いいから、とにかくどんどんやっちまえ』なんですよね。



 …とまあ、このマンガは構成が分かりやすくて伝わって巧いんですよ。ホント、ジャンプなんかやめてチャンピオンに移籍して一緒に頂点(てっぺん)獲ろうぜ~と言いたくなる作品です。これは本気!(マジ)で書いてますが。









 それにしても、今回表紙の神宮寺サンは妙にエロくないですか?



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 それでいて、金龍院に『静かにベタ惚れ』というのだから、この作品のカップルたちはイロイロと業が深いとか思っちゃったりします。げっぽん。





マンガとの相性               横田卓馬『背すじをピン!と  鹿高競技ダンス部へようこそ』

横田卓馬『背すじをピンと!』
06 /29 2016


 これを読まれているアナタがマンガ家志望で『描きたいものがある』とするならば、それはとても楽しみなコト(俺的に)ですが、肝心要のコトを忘れちゃならない。


 『その題材はマンガとの相性はどうか?』


 ……というコト。度々書いているコトですが『マンガブログなどやっているヤツはすすんでマンガを探している。そういうヤツなんかより、本来的には普通にマンガ読んでいるヤツに受け入れられるコトのが大事』だというコト。もし、コレを読まれている方がマンガ家志望だとしたら『マンガとの相性はどうか?』と考えるのをオススメします。




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 さて、今回は『背すじをピン!と 鹿校競技ダンス部へようこそ』ですが、どうも略称が『せすピン』になったらしい……『すじピン』のが良くね?



 改めてこのマンガの題材は『競技ダンス』というマイナーなものですが、つくづくスゴイと感じてきた。キチンと人気マンガに成長してきた……というコトが。これは本当にスゴイことなんです。



 『日本においてマンガと最も相性の良いスポーツは野球である』


 ……これは断言しちゃってもいい。そして、これ以上に相性の良いスポーツが出るコトはこれから先『無い』と考えても良いぐらい。野球のマンガの相性の良さは異常なぐらいだ。


 野球という題材の利点

①勝ち方のバリエーションが多い~これに尽きる!!点を取る為の戦略性の幅広さが本当に多い。たとえば100メートル走だとかけ引きの要素はあるが『先にゴールした者』という一点にしか絞られない。いくらでもバリエーションを展開できる。


②逆転ができる~もちろん、サッカー等の集団プレイでも逆転はできるけど『いくらマンガでもそれは嘘だろ』というのができない。野球はできる。サッカーマンガで『残り五分で三点差』ぐらいになるとあと四点いれなきゃならなくて構成に無理が出る。野球は最大四点が一気に入る。①の続きになるが逆転するにしても地味ヒットの連打というのもあれば、同点で延長戦に突入させるなどのスリリングな見せ方ができる。


③制限時間が無い~プレイ中に会話を入れても全く不自然さが出ないスポーツなんです。攻撃時は皆がベンチに入っているし、その時にドラマを進展させるコトもできるし、タイムだってとれる。


 他かにも9人というメンバー数が丁度いいとか数えたらキリが無いのですが、先に書いたように『日本において』というのが大事。



 そう、野球のルールは複雑なのに国民のほぼ全員がルールを知って……いや、理解しているのである。そう理解である。そもそも野球のルールは複雑なのに(なので世界的な人気にはならないと聞いた)、日本人のほぼ全員が理解しているという奇跡的なお国柄もあるのだ。これが『野球最強論』を揺ぎ無いものにしている。テーブルゲームの最高峰の題材はおそらく『麻雀』なんですが、これに関しては三割いくのかな?面白い題材というのは得てしてルールが複雑だったりする。



 スポーツマンガのジレンマとして『これを理解してもらわないと、その競技の面白さが分からない』というのがあって、だけど説明が退屈だと面白くならないんです。野球にはそれが無い。名作『ストッパー毒島』で『で、ダブルプレーって何点入るの?』というセリフがギャグになるのがその証左だ。マイナースポーツはそんなコト『ハナからできない』んです。




 前置きが長くなりましたが、『競技ダンス』という題材を選ぶというのがどれほど困難なのか感じていただければ幸いです。この競技を題材にするのはアホウとしか思えない領域である。もし、俺がマンガ家なら企画として持ってこられても『ヤダよ。できる訳ねーじゃん』と断るね!! 



 もし、マンガ家志望の方がコレを読んでいて『このスポーツはマイナーだけど、俺には描いて人気作にできる』という自信があるなら、いったんは『野球』という最高の題材を意識した方がいいぜ……。



 で、何が言いたいかといいますと『背すじをピン!と』はマンガとの相性を意識して、とてもおいしく料理した作品というコト。巧いんですよ。本当に。間違っても『奇抜な題材を選んでヒットした』なんて分析してはいけない。逆、むしろ逆だ。みんながサジを投げるような食材を、誰もがおいしいと感じる料理にしてしまったのである。だからスゴイ作品と俺は恐れる。



 そして、今回の五巻においては『野球』ではできなが『競技ダンス』にはあるアドバンテージを開放してきた。ここまで『匂わせてきたけど、使わないで温存』してきたことが巧いのである。


 『競技ダンスは男女ペアなのでラブ要素が描ける』



 ……というコト。『野球』に於いてはバッサリ切り捨てるか、マネージャーをちょっぴり程度にしか使えないのである。部員が全員ラブしている野球マンガは壊滅的としか思えないし。



 あらゆるスポーツがあって、マンガ家志望さんはそれぞれ描きたいモノがあって、挑むのは素晴らしいのですが『マンガとの相性』を忘れちゃマズイんですよ。読者というのは『それについて知らない』のであって、そういう方々に楽しんでもらわなくちゃならないんだから。ただ、俺はマンガの『そういうトコロ』がたまらなく好きなんですけどね。


先輩           横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』

横田卓馬『背すじをピンと!』
04 /11 2016
 度々書いてますが、マンガブログがそれなりに長く続いているのは『見ている方が居る』からです。ええ、見ている方が居るってだけで自分には十分な理由です。


 で、いい加減にオッサンになっている自分ですが『それってとても大事だな』と感じるようになりました。もちろん『違う』という方も居ると思いますが、自分はこう考えてます。


 人は見てくれる人がいないとダメになってしまう……と。



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 単行本の四巻が発売されたばかりの『背すじをピン!と』ですが、このマンガ好きだな~。で、このマンガ読むたびに『チャンピオンに足りないモノ』を実感してヘコむんだけど。


 さて、前回書きましたが、今回はツッチーとエリチャンの先輩たる三年&二年について。


 今巻では二年の八巻&椿コンビがアチョーなダンスを披露してましが、これはもう『このコンビならでは』というものです。2人ともキャリアは一年程度というのもあって『いつでも挑戦者』という気持ちでやっている。


 対して三年の土井垣&綾辻コンビはキャリアもあり、ダンスをやる機会がそもそもあった…というもので、気持ちの余裕を感じさせる。熟練者だ。


 この先輩方で『いいな~』って感じるのが、ツッチー&エリチャンに対して『自主性を全面的に信頼している』というコト。そして『見ている』というコト。なんつーか、ああだのこうだので無くて、本当に『見ている』という感じなんですよ。これは放任じゃなくて、先輩後輩ではベストな関係なんじゃないでしょうか?


 また、こういうのって部活動に限ったコトでなく、他のコトにも通ずるんですよね。このマンガを読んでいる少年たちはおそらくツッチーを身近に感じるだろうけど、歳をとって…まあ部活の先輩となったら二年生あたりの視点、職場の先輩になったら三年生の視点がシックリというか『そういうコトか!!』と感じるんじゃないかな~と。


 マンガに限らずフィクションというのは『今』だけじゃなく、その読者の『未来』も見据えて描くというのは大事なんです。


 

やっぱり頑張ろう      横田卓馬『背すじをピン!と  鹿高競技ダンス部へようこそ』

横田卓馬『背すじをピンと!』
03 /15 2016
 自分はもういい歳ではあるが、子供の頃は『頑張る』というのが美徳とされ、とにかく頑張る娯楽作品は多かった。


 が、この頑張るというのは精神論的で近年は否定されつつある気もする。『それは頑張るとは言わない無駄』とか『その頑張りは結果に結びつかない』という感じに。まあ、俺としてもそういうのはなるべく避けたいのですが、そんなに効率重視でドライになってロボットにでもなるつもりなのか?とも思える。


 そして、最近気づいた。


 『頑張っているヤツを見ると、問答無用に勇気をもらえるなぁ』と。それを考えると頑張りを否定するというのは、とても貧しいコトのように思えてくる。いいじゃん、周囲を元気にさせるなんて最高じゃん。頑張るって。



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 ジャンプからチャンピオン読者になってかなり経ちますが、やはり『背すじをピン!と』はとてもお気に入りの作品になってます。このマンガ、チャンピオンに移籍してくんないかな?俺、マジでチャンピオンにジャンプを超えて欲しくてマンガブログなんかやっているトコロもあるので、こういう作品がうまらやしいんですよ!!『少年ラケット』でも再び王者(チャンピオン)を取り戻すべく、ボクは描いているなんてキャラも出ているし!!このマンガがあればチャンピオンは…!!


 さて置いて。


 今巻でもツッチー&エリチャンは通常運転がフルコンタクト系に頑張っているので頼もしい。このマンガ、乱暴な言い方をすれば『凡人がひたすら頑張っている』というのがひたすら続いている。いや、本当にそういう印象だ。


 だから良い!!


 自分はもういい歳ではあるが、このマンガを読むと『やっぱり頑張ろう』という気持ちにさせてもらえるから。『何か理由をつけてやらない』とか『できない』とか『怠けたい』とかそういう感情から遠ざけてくれるようなマンガだ。マンガというのはそういうものなのだから。


 そして


 人生はいきなり『変わる』というのは無い。そういうキッカケというのはおそらく生死にかかわるレベルのコトで、本来的には『積み重ね』なんですよね。このマンガは『少しずつの積み重ね』の重要性をさりげなく描いている。今巻で特にお気に入りシーンはツッチーが『今度はボクの番だ!!』と奮い立ったトコロ。こういうのは『積み重ね』の裏付けが無いと説得力が無いんですよね。


 …ところでこのマンガ、二年&三年の先輩方もグゥだったりしてお気に入りなのですが、このコトは四巻が発売された時に書かせていただきます。



 

なんかひたすら頑張っているイメージ         横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』   

横田卓馬『背すじをピンと!』
01 /04 2016

 『なんで俺のオススメしたマンガ読まなかったの?』『ん…表紙見たらつまらなそうだから』『なんで読んでもないのにつまらないって決め付けるんだよ!!』


 ……みたいなやり取りがある。で、俺のスタンスなんですが、こともあろうにマンガブログやっていながら『えっ?つまらなそうだから読まなかったって立派な理由じゃね?』とか思ってしまう。これがマンガの残酷なトコロであるが、第一印象から勝負は始まる。それを通過しないからには始まらない。そもそも『つまらなそうだから読まなかった』というのは普通は誰も言わないのだ。恐ろしいコトに。


 が、そういうイメージというのも大事でマンガ家さんはその定着に四苦八苦しているのよ……。



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 …というコトで今回は二巻の発売されました『すじピン』でござる。


 身もフタも無い言い方だけど


 このマンガってなんかひたすら頑張っているイメージなんです。ええ、そりゃもう必死に。だからそれが良い。


 俺がよく『何を言ったかじゃなくて、誰が言ったか』と書いてますが、ありゃ『社会的立場が高いヤツの言葉ほど尊い』なんてのと違う。むしろ立場が遠ざかるほどに白々しくなる場合もある。むしろ身近なヤツの言葉のが信用したくなる。


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 それにしてもこのマンガの主人公は地味だよな……。つーか、本当に『どこにでも居る普通の少年』だったりする。だいたいマンガの主人公の『普通』というのはスペック高かったり、はたまた棚ぼた的に能力が与えられたりするけど、このマンガは本当に『普通』だ。が、その『普通』の少年が何をしているかと言えば『なんかひたすら頑張っている』というコト。


 アナタが求めているアレコレを、生まれながらに全てを持っていて過程をスッ飛ばしているヤツがこれ見よがしに説いたらイラッとするだろ?俺はバリバリするね!!チャンスがあったらソイツを出し抜いてスカッとするね!!


 だけど


 だけど、アナタの隣りにアナタと同じような『普通の人』があがいた結果、それを手にしたら……俺にも出来るんじゃないか?よし、やってみよう!!という勇気をくれると思う。


 このマンガは『競技ダンス』という変わった題材だけど、描かれている根底は『俺だってできるかも?』という励ましなのだ。さすが、ジャンプ!!さすがナンバーワンのマンガ雑誌だ!!王道だ!!


 全く、俺がヒイキしているチャンピオンがジャンプを倒すのは本当に大変だな……。まだまだ『普通』にマンガ読む人にとってチャンピオンは『つまらなそうだから』というイメージがある。まあ、本当、イメージは大事だ。



 

マイナー競技のアドバンテージ         横田卓馬『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』  

横田卓馬『背すじをピンと!』
11 /10 2015
 前に『日本のスポーツマンガに於いて、野球より適したスポーツは無い』と書きましたが。とにかくルールが複雑なのに日本人のほとんどがルールも面白さも理解しているという土壌がそうさせる。しかも他の競技と違ってパターンが多く作れる。例えばサッカーだと一点ずつしか入らないから変動するのって難しい。だけど野球は一度に最大四点まで入るし、コールドとかにならない限り必ず9回まで続くからね。


 じゃあ、マイナー競技をマンガにする優位性は無いのか?という疑問を最近は考えていたのですが結論からすると『ある』と思うし、それに対する『ヒラメキをくれた作品』に出会った。



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 …というコトで今回は 横田卓馬先生の『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』です。


 おおっと!?このブログにしては珍しい週刊少年ジャンプですよッ!!


 うん、チャンピオン原理主義であり、カズ先生と共にチャンピオンで頂点(てっぺん)獲るの自分としても珍しいのですが、まあ『マンガは俺が面白いのがまず第一』というコトで。ただ、表紙買いの本作なんですが、どことなく『おまかせ!ピース電器店』のニオイがするぜよ……。背表紙までもが(もちろん良い意味で)。


 また、『競技ダンス』という①珍しい題材であったのが初見の俺を引き寄せた。で、読んでみると②実はオーソドックスなスポーツものでした。そもそもマンガの主人公というのは『普通』と描かれていても『けっこうイケメン』とか『なんだかんだ才能ある』とか『チート遺伝子が組み込まれていた』とかありますが、このマンガは『本当にそこらの高校生』という感じで。さらにはパートナーでありヒロインである亘理英里(わたりえり)も自己主張の薄い地味っコだったりする。


 あ、そうか!!それが『できる』んだ……と気付いた。


 確かに『野球』という題材は浸透しているのですが、浸透しすぎている…というのもまた事実だ。今更、そこらの少年が『甲子園目指してかんばる』という展開だけで読者を魅了するのも難しい。そこらの普通の少年が頑張って結果を掴む……というのはとても大事なのですが、『新しさ』という点で興味を引くのは難しい。


 そこで、①の要素が読者に対してのフックになる。『競技ダンス?』という感じで。おそらくほとんどの方にとってのそれは『なんかそういうのあった気がする…』という感じだろう。いや、俺もラジコンやっているからそのギャップを知らんでも無い。だいたいの人はラジコンというものを知っているけど、それは『オモチャ屋で売っている主に小学生ぐらいの男子がやるもの』という認識でしか無いのだ。あと、値段なんかも知らない方にはビックリするしね。


 そういうウンチクを面白おかしくマンガ栄えさせる盛り上げ方をマイナー競技は提示できる。逆に野球マンガで『ストライクゾーンとは?』とか『どうしたらアウトか?』とか『どうすれば得点になるのか?』なんて描いても今更で誰の興味を惹くものでもない。


 だからこそ『野球』という題材を選ぶからには『その作品の売り』というのを提示しなきゃならないのですが、そうすると『そこらに居る少年』というのが描きづらくなる。甲子園の優勝校は一つだけで、多くはそういうチームが描かれますが。そこらに居る少年となるとギャグの方向とかしか無いしなあ……。


 が、このマンガだと②が存分に描ける。雅春クンは本当にそこらに居る普通の少年だ。その少年が競技ダンスを通じて『僕にもできる』というのを実感していく描写や喜びはこの作品ならではだろう。『今まで出来なかったことができる』というのは嬉しいコトで、やっぱり少年マンガというのはそれを描いて欲しいのですが、マイナー競技はそれを浮き彫りにできるメリットがある。



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 また、パートナーであり、ヒロインでもある英里チャンですが、このコもこの作品ならではの存在感がある。競技ダンスというのは男女ペアですが、それ故に『互いに成長する』『互いを認め合う』『互いに気になる存在になる』という年頃男女の交流が描けるのもこの作品ならでは。やっぱりマンガともなると地味な健全性というのが描きづらいけど、これも秀でた部分でしょう。



 『普通の少年少女応援マンガ』というコト。これがこの作品ならではであり、他のスポーツマンガには無いものなのだ。