2014年08月 - 豚か狼か

今しかできない      滝口翔太『喧嘩村』

週刊少年チャンピオン
08 /31 2014
 
 ブログ記事なんですが、基本的に消したりしないです。


 そして、たま~に見直すのですが『おいおい……この頃の俺ってかなりアホなんじゃなかろうか?』と思うコトもあったり、恥ずかしくなったりもするのです。もちろん、間違っている……と感じ、消したい衝動もあるのですが、同時に『この頃じゃないと書けない』とか『この頃があって今に繋がっている』と思うので。他の人はどうだかですが、自分は失敗大好き人間なんでそのままにしてます。


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 さて、久々に帰ってきた 滝口翔太先生の放つ作品が短期集中連載の『喧嘩村』です。


 結構空きましたが、絵のクオリティは大幅に上がり、娯楽指数の高い作品になってます。こういうベクトルに進んで良かった。


 が、マンガに対してはつねに本気な俺としては『手放しで誉める内容ではない』と前置いておく。嘘の感想など犬も食わねーし。


 一番引っかかるのはケンカバトルなのにコマ割り・構図にスカッとしたものが無い(これは黒虎の個別に書きます)。これがスゴく損している。努力しているのはアリアリと感じられるが、努力の方向性がいささか惜しい……という感じ。


 が、それでも俺は『滝口翔太先生なら安心して賭けられる』と感じてます。この『賭ける』というのは何も今日明日の話では無い。もっと先を見据えた話で。すぐに結果を求めるのは怠け者で、自分は長い目で滝口先生の作品に付き合いたいのだ。


 ええっと『喧嘩村』という作品に惹かれる最大の理由は『覚悟を感じる』という部分で。その覚悟というのは『今でしか描けない最大限のベスト』という感覚がプンプンするコト。もし、将来に滝口先生が大傑作を描いて、この『喧嘩村』という作品が陳腐になるとしても、ぜってーこの人は過去の作品を大事にするという確信があります。この作品があったから今に通じている……と堂々と言えるような覚悟が作品から感じるのです。


 いや、良い作品をいずれ描くよ……という予感がヒシヒシ感じられる。今の滝口先生にしか描けない作品です。そういう覚悟のある作品というのは問答無用に面白いものです。


 続きも楽しみです。

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エロす      増田英二『実は私は』

増田英二『実は私は』 『さくらDISCORD』
08 /31 2014

 今回は『キャラの人気投票』結果発表がありました!!


 スッカリ忘れていたぜーーーーッ!!最悪だ。


 ちなみに投票したかったのは、みかんちゃん・銀さん・岡でした。結果はだいたい予想の通りでしたが、凜の投票が少ないのが困りましたね……。


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 …というコトで今回はサービス回でした。南国ですがニューヨーク(オヤジギャグ)。


 正直言うと、増田先生の絵とお色気というのは相性悪いかな~なんて思ってます。特にダイレクトなタイプで。ただ、増田先生の作品で一人だけエロさを感じさせるキャラがいる。



 
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増田 英二

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 『透明人間の作り方』の斉藤ミキですね。


 増田先生は健康的エロスより背徳的なエロスが似合う……と思っているのは自分だけでしょうか?


 『いつもはアホの子の白神さん』が『二人きりになったらちょっとマッド入った目』になって、『吸血鬼と人間』という背徳的なシチュエーションになると嬉しいですね。もちろん少年誌なのでそこまではできませんがそのシュチュでパイオツタッチだけでも十分エロいので。



 ただ、トビラ絵の構図からクライマックスに繋げている仕掛けは『とても面白い発想』だと思います。今の増田先生は一皮剥けるかどうかの段階のような気もします。最近は保守的なんですが、たまにこういう冒険心を出す辺りは楽しみなんですよね。

渡辺航・弱虫ペダル・第317話『抜けない包囲網』

渡辺航『弱虫ペダル』&『弱虫ペダル SPARE BIKE』
08 /31 2014

 昔のゲームというのはデータ量を確保できなかっので苦心するコトが多かった。


 特にシュミレーションゲームのように武将の顔が出るタイプは顕著でCGを使いまわしされているキャラは使えないという法則がありました。そう、良いキャラは『顔からして待遇が違う!!』


 
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 坂道、いつもの最下位という『すでに様式美』という気がせんでもないのですが、今回ばかりは『ボクがやるしかないんだ!!→ああああああああ!!』というコンボがそこそこ効かなかったみたいです。


 それにしても手嶋は鏑木の時みたいに『全員待機→これが俺たちの総北だ!!(ドヤァ)』は今回発動しなかったみたいです。あろうコトか指揮官が単独で離れてしまった、さあ大変です。しかし、努力で登るといっても本番中っスから。あと、箱学のメンバーのバランスが悪い……。



 さてさて、そんな今回ですが新キャラの 川原群平です。もちろんこのマンガでも他チームの主要キャラが飛び出して『させるか!!』と対抗して餌食になったキャラは多々ありましたが、今回は違う!!


 そう、まずはアシストの文也が頑張って存在感を放っているが為に自然と群平の地位が向上してしまった!!


 そして、群平の顔は『しげの秀一先生似のイケメン』というコトで、量産型では無い。さらには観客から『昨年、川原なんていたか?』というセリフでフラグ+1です。これは『思い出ブースト』と呼ばれるアレの可能性も出てきた。昨年というと集団落車があったアレかも。


 その他チームが描かれるコトの少ない本作ですが、たまにはこういうイレギュラーがあっても良いんじゃないかな~と。

機微        古谷野孝雄『ANGEL VOICE』

週刊少年チャンピオン
08 /31 2014

 マンガブログやってて気をつけている項目はイロイロありますが、『感動して泣いた!!』というのは書かないようにしてます。


 他人のそれは別に構わないし、むしろ素晴らしいんじゃないかと思うのですが、自分は何かダメだとブレーキがかかっている。何だろ?そういうのがちょっと苦手です。


 ただ、涙の量に比例して作品が良いものになる……とは思わない。


 
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古谷野孝雄

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 今週の『エンボイ』は成田が決めて、ついに決着です。試合描写の期間は長かったし、自分は展開の遅いのが嫌いなんですが『もうエンボイ見れなくなるんだな…』という気持ちでいっぱいです。この船学戦を毎週リアルタイムで読めたのはマンガ好きな自分にとって、とても喜ばしいものでした。


 さて、この最後の試合ですが、実は感情を揺さぶるような派手な演出は無い。静かに最後まで地味でした。地味っつうとネガティブなイメージかもしんないけど、自分は地味巧いマンガ好きなんですよ。


 マンガ家さんによっては絶体絶命の踏ん張りどころで、観客の誰かが『ユルネバ』を歌い始めて波紋のように広がり、市蘭イレブンを奮い立たせる……みたいなクライマックスシーンもアリだろう。実はそういうシーンが入ると自分は思っていた。


 が、キッチリとサッカーの試合……後半入場シーン以外は本当にテレビ中継されるように真っ当な試合ぶりでした。


 エンボイらしい巧さだと感じますね。


 『感情にうったえて号泣させるより、ドカドカ笑わせる作品のが難しい』


 …という作り手の意見はよく聞く。


 音は派手だが内部まで届かない技、一見地味でありつつもシッカリと破壊する技がある。『エンボイ』は明らかに後者。


 この試合は自分にとって一生残るダメージを与えた。もし自分がマンガ家であったのなら、羨望とそれ以上の悔しさを感じた作品に違いない。


 徹底的に繊細に綿密に描かれた作品。絶対に『描けない』。


俺は悪くない       平川哲弘『クローバー』

週刊少年チャンピオン
08 /29 2014

 大好きなマンガのワンシーンだ。


 神父が国からの重税を断固拒否するシーンがあって、それを見た弟子が『私は弱い人間です。なぜ、あなたは自分の正しさを信じられるのですか?』


 そして、その答えがとても好きです。


 『いや、私は間違っているはずだ。全ての人間が何がしかの間違いをしているのに私だけが例外なはずは無い。だけど、その正しさを信じられなかったり、伝えられなかったりするならば……人間には何もないんだ』



 
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平川 哲弘

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 しかし、マンガブログは数あれど、ヤンキーマンガと萌えマンガとたまに鳩レースマンガについて書いてあるようなトコなど俺のトコぐらいなのでは……?


 今回の『クローバー』は来栖信念の勝利!!というものでスカッとした内容になってます。


 前回はハヤトが友情を語っていたので、今回は来栖の信念を描いたのはグゥです。それにしても、人は圧力がかかると『仕方ない』というラクなトコロに逃げて、大事なモノを捨ててしまうコトがままある。自分も例外でなく。


 以前、テレビCMで部下が上司に『なんで俺ら悪く無いのに謝らなければいけないんですか?』という噛みつきに対して上司が『お前も守るものができたら分かるよ』というのがあり、それを娘が見ていたんですよね。で、家ではグータラしている父が『俺ってカッコ悪いよな~』というのに、娘がそんなコト無いと否定するのがありましたが。


 俺は『いや、格好悪いだろ……』と思ったんだけどなあ。そして、格好悪いと思える自分に青臭さがあるので嬉しかったし。


 本当に大事なコトで誰かを傷つけたり悲しませるようなコトでなければ『俺は正しい』と強がりを言ってみたいものです。きっとその強がりはいずれの強さに繋がるはずだ。

『第三話』にこんな使い方が!?   神馬耶樹『マトイ・ナデシコ』

神馬耶樹『マトイ・ナデシコ』
08 /28 2014

 身も蓋もない話すると、確率的に見たマンガの成功いかんは『開始時』だ。


 F1だったら予選結果~スタート数周で。『何があるか分からない』と前置きしますが、そもそもケツに沈んだマシンが挽回するのはポールポジション獲得するより困難だ。そういう意味では『これから面白くなる』という期待だけの考え方は好まない。


 批判されたりもする『ジャンプ10周打ち切りシステム』ですが、俺個人は支持で。10周打ち切りくらったマンガ家さんで大成したのは多い。むしろ『これから面白くなる』『これから人気が出る』という期待値だけでダラダラ続いて、あらゆる無駄使いで場合によってはマンガ家さんの可能性を目減りさせる。そして、今の時代は作品が増えた分、売れなくなった分、あらゆるコトが厳しい。



 そうすると『今の時代は弱い主人公がジックリ強くなる作品を描けない』という意見も出る。プロセスの積み重ねが出来ないというジレンマ。『天才型主人公が多くなった』とも言われ、『昔のマンガは良かった。今はダメだ』なんてなる。


 まあ、俺はシンプル思考なんで『昔は良かったは老化の証拠』となりますが。だが『何か方策は無いか?』という焦りがあるのも事実だ。


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 先日書きました神馬耶樹先生の『マトイ・ナデシコ』第三話が公開されました。Web無料配信なんでぜひ!!コチラからどうぞ→ 画楽ノ杜 


 それにしても俺はビビった!!


 『この展開からすると第三話の前半パートがオシャレで後半パートが弓になる』と思っていた。ところが『丸々とオシャレパート』になってます。普段ならば『一手をミスった』と感じるのですが、これはこれは『興味深い一手』です。単なる悪手でなく、意図的になっている一手です。そして三話目という段階でこれが出たのが面白い。第三話……という段階にこういう構成にしたのは本当に興味深い。『弓道』という題材の第三話でその要素がほぼ皆無というのが面白いんですよね。『ガールズ&パンツァー』だって戦車に乗ってない回は無かったぞ!!連載が10話越えたあたりに入るなら分かる、しかし第三話という作品に慣れ始めた頃に。



 おそらく読んだ方のほとんどが『あれ?弓道にならないの?長いオシャレパートになってる?』という印象なんです。そこまで違和感は感じないでしょう。しかし、水面下ではキッチリ『植え付けられている』というのが恐ろしい。


 マンガだけにうまくいくかどうかは分からないけど、少なくとも『今後を見通しての渾身の一手』であるのは感じられた。主人公・纏の弓道の実力は『そこそこ良い』というのは第一話で提示されてます。しかし、他人との関わりを避けてきた為(保守的で変化を好まない性格)に実戦経験に乏しくメンタル面に不安がある……というのも提示されてます。


 そう、第三話の丸々オシャレパートというのは『保守的な纏が視野を広げる』というプロセスであり、『メンタル面を豊かにするキッカケ』というものになってます。計算されてキチンと話が進んでます。


 この『マトイ・ナデシコ』という作品はおそらく普通にマンガを読んでいる人なら楽しめますが、マンガが好きな方が読んでも面白いと思います。なんつーか、噛めば噛むほど味が出るスルメマンガな側面があって、ジックリと読みたくなる不思議があります。


 確信しました。この作品は面白くなる、と。


 あと一個気になった部分があったり。


 『美味しんぼ』で主人公・山岡が『究極の豆腐を開発した!!』というエピソードがあって、その豆腐料理になるのですが。従来は豆腐を材料としての豆腐料理でしたが、その豆腐は料理別に相性良い配合になっている豆腐でした。揚げだし豆腐用・麻婆豆腐用……みたいにしつらえる訳ですね。


 これはもう直感的なんですが、『マトイ・ナデシコ』という作品はどういう訳だかWeb配信とメチャ相性が良いように感じる。不思議と。まるでWeb配信に特化したような相性の良さ。各出版社さんはWeb配信のマンガに対してまだまだ試行錯誤ですが、なんつーか『山岡の豆腐』みたいな発想は有効なのかもしんない。



 今後も楽しみな作品です。


苦手!!得意!!     村田真哉・速水時貞・匣咲いすか『キャタピラー』

ガンガンJOKER
08 /28 2014


 待ちに待ったガルパンのOVA『これが本当のアンツィオ戦です』は期待以上の面白さでした!!


 
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 で、敵チームの大将・アンチョビはもちろんなんですが、ペパロニというキャラがお気に入りです。


 『なんでバレたんだ?……まあ、いいか!!』



 ん~。このズサンで気合いと根性だけで解決しようとするスタイル!!お前は俺か!!つーか、妙にシンパシー感じるヤツだな。


 ……というのも俺のラジコンがマジでそういうスタイルなんです。これを読んでいる方のほとんどが趣味のラジコンを『知ってるけどやったことが無い』だと思いますが、おそらく『細かいセッティングが云々』と思われますし、実際そうなんですが俺みたいなヤツも居るのもラジコンです。酷いときになるとタイヤがバーストしてても気付かず走ってたりする(マジ)。


 『走りの質』というのが人によって異なるのがラジコンの特徴で、そいつをぶつけ合う感覚が病みつきです。人によって全然違うんですよ!!


 思うのですが、そういう資質を変えろと言っても無理だ。持って生まれた特徴を活かす方が良い。


 
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 ……というコトで速水時貞先生の絵を得て再開されました『キャタピラー』です!!『逃げはしても後退はしない!!それが芋虫(キャタピラー)!!』というセリフまんまに復活です。

 まあ、先述のように俺は難しいコト考えないので


 とても嬉しいです。


 うん、頭脳程度はリオック並だ。


 そう、リオックである。再開された『キャタピラー』はリオック視点から始まってまして……いや、リオックも何かシンパシー感じるので大好きなんですが速水先生の描くリオックを見て正直に安心した。このリオックなら、新たな『アラクニド』ワールドを展開するに不足など寸毫(すんごう)も無い!!(陸奥葉月風に)そして、付け加えるならば匣咲いすか先生の絵が巻を追うごとにパワーアップのを見た時のように、これから先に『どう進化するか?』という楽しみを感じさせる絵でもあります。


 さて、四巻の内容ですが『相性』というのが明確になっているバトルでした。ええっと、格闘ゲームなんかで得意と苦手のキャラがあるみたいに、今巻では展開していきます。『アラクニド』本編の現在はアリス対サソリになってます。サソリの能力はあれだけ苦戦した巨針蟻をいとも容易く倒します。『キャタピラー』においては芋虫とサソリのバトルは中断されましたが、サソリの武器を無効化できるのが芋虫です。しかし、中断されましたが巨針蟻と芋虫のバトルは巨針蟻のが優勢でした。


 ここら辺の『相性』をキチンと描かれているのが『アラクニドワールド』です。『強い』というのが確かにありますが、対戦においては『相性』があるというコト。


 この巻ではナナフシというキャラが出ますが、暗殺という『組織』の仕事をこなすならば最強ランクと言ってもいい。下手すると巨針蟻・カブト虫・サソリすら倒せるかもしれない。今巻はリオック・華カマキリにとって『相性良い・悪い相手』が描かれていて、バトルマンガのジレンマたる『強さのインフレ』から『どう戦うのかと読者を悩ます』という面白さが明確に打ち出されています。



 それにしても、ナナフシはスゲー好みのキャラなんで再登場に期待しましょう。あんなに美人なのにそんに才があるとは不憫……。俺としては『石ころぼうしみたいな特殊な何か』という『アラクニド学説』を唱えておく。セーラームーンだって明らかにうさぎちゃんなのに、友達も弟も認識できないけど、ああいう何か(セーラームーンは変身を目撃されると無効化する)。


 何はともあれ、今は再開した『キャタピラー』を楽しめる幸せがある!!



 ……そして、ここから先はオマケ記事




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寝て鈍化しない為に    村田真哉・檜山大輔『魔女に与える鉄槌』     

ガンガンJOKER
08 /27 2014
 昨日の『アラクニド』記事ではマンガは読者の感情をコントロールするのに優れている……と書きましたが。


 そして、あらゆる感情を刺激されるのもマンガだ。思うにあらゆる感情(ざっくり言えば喜怒哀楽)というのは適度に与えないと寝る。例えばホラーマンガは読む人を選ぶけど、怖いという感情を寝かしてしまうと肝心な時に機能しなくなる。グロテスクなシーンも適度に無いと、花の美しさに鈍化したりするんじゃないかな?


 五感・生理現象等をイメージさせる……これもマンガの特化した部分だ。


 土山しげる先生の『極道めし』というグルメバトルマンガがある。囚人たちがシャバで食べた旨いものを語るマンガだ。そう、なんとこのマンガは『食わない』というスペシャルな内容でした!が、囚人たちの語りっぷり……さらには『出てくるのが普通の食い物』なんでスゲェ食べたくなる作品です。イメージのバトル。


 
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さて、前置きが長くなりましたが『魔女に与える鉄槌』です。このマンガのイメージさせるものはズバリ……



 『痛み』です。マジ。



 読んでてとにかく痛みをイメージする。やめろ~。いや、続けろ……みたいな『おめぇ、どっちなんだよ』感が最高です。マンガはコントロールするとは言いましたが、バトルマンガによっては『腕がもげても戦っている』とかあって、読者もそんなに痛みは感じない。腕もげた経験がある読者などまずいないからね。


 しかし『魔女に与える鉄槌』に出てくる痛みの数々は痛みをイメージしやすい。足の指をカドにぶつけた……と聞けば『イメージできる痛み』だと想いますが、そういう『痛み』が随所に描かれている。読んでいて痛みはもちろん無いが気分を害するような痛みのイメージだ。


 それで良い、と自分は支持する。


 間違いないな、と直感するのは人はマイナスも吸収されなきゃダメというコト。キレイなものだけ接して人がプラスに振れるコトは無い。


 幸いに『魔女に与える鉄槌』を読んでカラダを怪我するコトは無い。読んだら『自分なりに考えるコト・感じるコト』そのものが大事なんじゃないでしょうか?それこそが感情を鈍化させて寝かさない方法だ。寝かさない……これは他人にはできない。自分で自分を監視するしかない。


 そして、この作品のテーマと感じているコトこそがまさにそこ。清濁あわせのむコトによって『自分への監視』が成り立つ。清いも濁りも一方的に取り入れてはならないんじゃないでしょうか?


 単行本の村田先生のコメントには『この作品は歴史的事実と大きく異なります。しかし、残念ながら、異ならない部分も多々あるのです』書かれてました。


 何をどうとらえるか?それはアナタが今まで沈殿させたものが見えてくる作品だと思います。フィクションだからこそ鈍化してしまわないように試してくれます。こういう醜さをも取り入れてみたいのです。自分の意志を失わない為に。


そもそも虫バトルマンガっスよ!!  村田真哉・いふじシンセン『アラクニド』

ガンガンJOKER
08 /26 2014

 マンガはスゴイ技術だ……と思っているから書くネタには困ったコトが無い。


 ええっと、例えば『目の前で殺人』があったら、そりゃ逃げる。じゃあ、ドラマならば?ユーモアなシーンとしてもあんまり気持ち良いものじゃないのが大半だろう。しかし、マンガならば?


 マンガというのは『読み手の意識をコントロールできる』というのに特化していて、これをいかにするかの技術が面白い。いや、技術だけで無く描き手の念を感じやすかったり、偶発的に意図とは別なトコロに流れたりするのが面白い。そう、マンガは面白いのだ。



 
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村田真哉

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 当ブログでイチオシ作品の『アラクニド』で取り上げる機会も多いのですが。まあ、だいたいアチョーな気分になった時にアチョーな内容書くコト多いのですが。この作品は『柔軟に話を楽しめる』という娯楽性がグゥ!!娯楽性というのを今一度考えてみる。


 そもそも『虫マンガ』という珍しい枠組みだ。自分は虫が普通の範疇で苦手。んー、ゴキブリは無理だけど、部屋に迷い込んだトンボ程度ならつまんで窓に出すぐらいの普通で。ただ、虫というのは好んで掴んだりするのはあんまり無いです。そういうのもあってか、虫マンガというのは今まで敬遠されていた。せいぜいが児童書のちょっとしたマンガぐらいで。



 しかし『アラクニド』と言う作品を考えてみると、おそらく普通の人が抵抗無く読めるというコト。村田先生の原作はハードな内容が多いのですが、そこら辺をスルリと面白い部分だけ抽出して読める……これこそマンガなんです。


 これは自分への戒めでもあるのですが『人は自分の好きなモノを語る時、よく自分を観察してないと相手を不愉快にさせる』というのがある。そもそも興味の無い相手には『どうでもいい』なんです。しかし、マンガというのは意識をコントロールできる。


 冗談抜きに自分はマンガの刺激はセックス&バイオレンスと思っています。しかし、それをイタズラに酷使しては不快になる。なにより売れないと干上がる。


 そういう意味で『アラクニド』は自分の中でやっぱり『大好きなマンガ』で『コレ、面白いんだぜ』とオススメしたくなる作品なんです。



 んー。しかし、最近はアリスの『殺すしかない』がチョコチョコ見かけられるようになった。そう巨針蟻のバトルも封じた過去を思い出しアリスは勝利する訳ですが、コイツ読んで自分も思い出した。俺も人生に於いて一度だけ『殺すしかない』と思ったコトがある。つーか、プロシュートの兄貴の『ブッ殺したなら使っていい』の如く実行したコトを思い出した。


 あれは五歳の時に親にだまされて連れて行かれた歯医者だったな……。


 俺はその時、本当に『殺すしかない』と思って、歯医者を渾身の力で殴ったんだよな……。ええ、五歳児で良かったです。その後、三人にアシスタントお姉さんに取り押さえられ。殺気立った歯医者さんは口にフィルムケースみたいのねじ込んで治療したんだよな……。


 アリスの『殺すしかない』でソイツを思い出してしまった……。お母さんとの嬉しい思い出ではなく、自分のは胃にズシンとクるものでした。マンガはコントロールできるからスゴく、そして『アラクニド』は娯楽性に特化しているマンガだと今一度再確認した次第です。




人として生きてみせる       瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
08 /25 2014

 ウルトラシリーズは意外にも最終回を覚えている方は少なく、帰ってきた~レオの二期のラストはさらに少ないんじゃないでしょうか?いつも過小評価されているな~と思っているのが田口茂光氏の描いた『タロウ』と『レオ』の最終回なんですよね。


 『タロウ』は一人の少年の為にウルトラの力を放棄して、人間・東光太郎として最後の敵を倒した。


 『レオ』は弱い子供たちが親玉であるブラック指令を協力して倒して、レオを窮地から救った。


 『人は弱い。だけど、それだから強い』という道を示した。



 
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瀬口 忍

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 『囚人リク』の第1話を見た時の衝撃!!これは一生モンでした。マンガは大好きなんですが、最近のマンガで満たされてない部分があった。


 『弱っちい人間だからこそ持てる強さ』


 ……というもの。第1話を見た自分は、そのちっぽけなリクという少年にとてつもない期待をして興奮冷めやらなかった。連載が進むにつれ、期待は裏切られることなく、丁寧に地道に展開していった。


 そして、いよいよ脱獄開始です。


 この大きな組織に対して、ちっぽけな人々の意思は勝てるのか?人としての力は本当に無力なのか?強いというのは強大であるコトとイコールじゃない。



 俺は今、マンガの歴史的瞬間に立ち会っている!!



 そんなワクワクが加速している。そして、マンガのキャラは『実在しない』というのも百も承知ですが、『みんなどうか生き延びてくれ……』と思うのです。彼等の戦いは何か閉塞した現代社会に対する希望に感じます。