2015年09月 - 豚か狼か

スタンダード先鋭化      たちつてつこ『カスタムメイド!』

まんがきらら系
09 /30 2015


 さいとうたかを先生の言葉に『個性は滲み出るものであって、無理矢理に自己主張するものではない』というのがある。


 この言葉に出会った時の自分も若かったので、理解への深度が浅かったのですが、年々重みを感じてくる。個性というのは沈殿した結果のものであって、描く人が描くコトによって滲み出る。逆に『俺はそこらのとは違う』という意識で作られたものはむしろ個性を感じ無い。


 マンガを描く人はスタンダードをなんら恥じるコトは無い。個性は勝手に滲み出る。



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 ここ最近のきらら系で言うならばキャラットがグンバツに面白くなっている。ぬーん。『マックスより優れたきららなど存在しねぇ!!』と言っていた俺であるが、今や『きんいろモザイク』と数本の連載の為に読んでいるような気が……。きららマックスのマックスはマッドマックスのマックスやろうが!!


 ……と脱線したが、そのキャラットに於いての新進気鋭で気になる作品が二つある。一つは伊藤いずも先生の『まちカドまぞく』だ。マンガ馬券が存在するならば俺は余裕でブッこめる。勝つと分かっている馬券につぎ込まないヤツなどいない。そして、もう一つは たちつてつこ先生の『カスタムメイド!』だ。


 この二作品はほぼ同じ時期に開始されていたりしますが、作品内容としては対照的である。『まちカドまぞく』は新しい要素をつぎ込んで高密度の作風だ。対して『カスタムメイド!』は作品そのものが極々スタンダードかつシンプルになっている。しかし、自分の中では優劣は無い。つーか、マンガに対しては欲張りであるからに『面白いマンガが好きなだけ』という感じ。


 さて、今回は単行本発売記念の『カスタムメイド!』ですが、このマンガの良い部分といえばやはり『スタンダード』なトコロだ。例えば、キャラットはアニメ化した作品も多いので、それをキッカケに手にする方も多いであろう雑誌だ。そんな時に『カスタムメイド!』は威力を発揮する。俺は『いつでも・途中からでも楽しめる』というマンガが好き。床屋・定食屋のマンガで難解なの読みたくないし。状況に応じて読みたいマンガは変わってくる。マンガ雑誌の何が好きって『それぞれの役割がある』というコトで、それらがうまく機能して初めてマンガ雑誌そのものが面白くなる。正直、今のマックスに対しての不満はココだな。いずれ立ち直るとは思うけど、もうちょっとかかりそうな気がする。


 そういう意味で『カスタムメイド!』は大きな役割を果たしているように感じる。


 ただ、単行本というコトで注目したいのが たちつてつこ先生のカラーの魅力だ。一見『淡い色づかいでシンプル』と思わせて、実は『独特で繊細な色づかい』というのが面白い。


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 ふっふっふ……。ようやく勇チャンのお気に入りのリコーGRⅣのマクロショットの真髄を発揮する時!!


 表紙のユウ様の顔を拡大してみるとご理解いただけると思いますが『実はかなり深みがある』というコト。『カスタムメイド!』はスタンダード&シンプルで分かりやすい作品でありますが、それらは『繊細』とか『丁寧』とか『地道』という部分に支えられて構築されている。かなり細かい部分でつくりこまれていたりします。



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 また、P85のトビラ絵(画像はワンダーグーで買った特典)ですが、二人の周囲にいるネコに注目です。右上から、岡野先生・カツキ・モトキ・イサミママ……のイメージだろう。まさに作品に対する情熱が密かにほどばしっている。


 スタンダード……というのは本来的には『面白い』というコトで『無個性』のイコールでは無い。読者が少しでも楽しんでいただけますように……そういう想いを載せて描かれた『カスタムメイド!』はキャラット誌に欠かせないスタンダードだな~。

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委ねるな、挑め        村田真哉・いふじシンセン『アラクニド』

ガンガンJOKER
09 /30 2015

 『俺の言うことが信用できないのかよ?』


 …とキレ気味に言ってくるヤツは信用できない。そして、そんな自分にちょっと安心する。


 長谷川町子の『いじわるばあさん』で、成人式の祝い金をいじわるばあさんが寄越して、それで新成人が酒を飲み食いするわけですが、いざ会計になって祝い金の袋を開けると


 『まず疑ってかかれ』


 …と書かれた紙が出てきた、というネタがあったが。このネタはかなり好き。これは人によって感じ方がかなり違うと思うのですが俺は『いじわるばあさんの優しさ』を感じた。経験則からの金言だ。これを活かすも殺すもあとはアナタ次第というコトで。


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 さて、最新刊の発売された『アラクニド』もいよいよ13巻を数え、ゴールが見えてきたように感じます。個人的な感想として今巻に於いては『作品の伝えたいメッセージ性』が強く出たのではないでしょうか?


 遡って一巻ですが『何があっても個を奪われるな』と蜘蛛は言い残してこの世を去る訳ですが、その個を奪うものとして『他人に委ねての思考停止』というのが描かれていたように思う。ことにアリスが軍隊蟻を仕留めたカギはここにあった。同時に100パーセント信じるというコトへの警鐘でもある。ここら辺は考え方の差として『認められない』という方もいると思う。ひょっとしたら『信じきって破滅する』という生き方をする人も居るだろう。ただ、自分が思うに


 『選択肢は一つで無いことを忘れるな』


 …というコトだと思う。『信じる』と『委ねる』は違う。人によってはイコールかもしれないが。


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 どんな苦境にあっても安易に逃げずに最善を尽くすコト……それが『挑み』


 このマンガのキメ台詞としては『殺すしかない』ですが、その『殺すしかない』の先にあるもの……それが今巻で示されたように感じます。力強く。


僕がいちばんうまく…        松本豊『スメラギドレッサーズ』

松本豊『スメラギドレッサーズ』       
09 /29 2015

 『話をすれば分かるんだ、出してください!!こんな所に入れることないでしょ!!ブライトさん、ミライさんでもいいんだ。セイラさん来てください、話を聞いてください。リュウさん、セイラさん、話を!!僕にだって言いたいことあるんだ!!テレビモニターで聞こえてるはずです、答えてください、セイラさん、セイラさん!!』


 『……僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ!!一番うまく使えるんだーーーーッ!!』


 …とまあ、『機動戦士ガンダム』でガンダムと共に脱走してしまったアムロは割かし理不尽に独房に入れられるんですが(そもそも脱走したのはブライトの上司としての怠慢という気が)。その時のアムロの叫びがコレなんだけど『僕がいちばんうまくガンダムを使えるんだ!!』でいつも爆笑してしまう。


 俺だったら使いたくねーよとか思うね。



 そう、今週の『スメラギドレッサーズ』は前フリはありましたが、初陣のツカサがアッサリとドレスを使いこなしてしまったという展開です(爆笑もんだよなコレ)。運動神経が良いとか普段から鍛えているとか、情報が入ってきているのでドレスチェンジのイロハを知っているとかありますが、コイツ、生まれながらにして戦士(フェダーイン)でした!!いや、かなでもセンスはかなり良い方なんですが、ツカサはさらに上という……。『北斗の拳』のジャギは歴代伝承者としての水準を満たしていたが、ケンシロウ他二人がさらに才能バリバリでした……という感じで。ただ、これらと決定的に違うのは



 できればやりたくないンすけど……。


 
 ……という『そりゃそうだよな』というトコロに落ちてしまうのがいかにもこの作品ならではだ。このマンガの『けっこう笑いを入れてます』という感覚はいい。本質的にハードな作品だからこそ、こういう雰囲気ってありがたいんですよね。


 そして、今回のかなでの『でも今回のゲス山さんはもう……』とか縦シューティングゲームのボンバー扱いとしか思えません。代わりに芽伊チャンが頑張ってます。ちょっと前までビクビクしていたのが嘘のように成長してます。というか、戦闘慣れしてきたホワイトベースのクルーみたいに頼もしくサポートしております。 芽伊チャンというのは面白いものでキャラデも含めてそのものはクセが強いのでヒロインポジション(かなで・ツカサ)では無いのですが、いつのまにか自分は『かわいいな…』と思ってたりします。こういう心理変化をライブ感覚で楽しめるからマンガ記事を毎週書いてて楽しいのですが。


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 今回のシーンで特に重要なのはやはりココでしょう。


 これは字面通りというのでは無いと思います。言っているツカサとしても『こういうヤツは世の中に居る』というのは理解しているはずです。、彼女がそう言ったのは『認めたくないから』というコト。理屈じゃなくて『嫌なものは嫌』という価値観の平行線をハッキリと意思表示した……という意味のが近いと感じます。なにしろお互いに『そうしたいから』と思っている訳だし。


 正しいと思った時に正しいを貫けるコト


 それが泉ツカサにとっての『正しさ』であり『強さ』を持った人間なんですよね。確かにドレスをかなでよりうまく使えますが、どちらかといえば『意志そのもの』としての泉ツカサが心強いと思います。





 

チャンピオン43号の感想

今週のチャンピオン
09 /28 2015

 キャラクターあってのマンガですが、現行掲載されているチャンピオン誌で個人的に特別枠なのは


 栗田陸

 三ノ宮かなで


 …の二人です。特別枠だけあってレア度はジャイアンツの永久欠番クラスというコトで『囚人リク』が始まる前ならば『悪徒』の港陽虎と『悪滅』の生と『フルセット!』の日野灯かな。もちろんそれ以外のキャラも大好きですが、特別枠となるとさすがに少なくなる。チャンピオン誌の購読歴は17年ぐらいになっているのかな?もちろんどんどん特別枠は増えて欲しいです。



『鮫島、最後の十五日』~別記事にしました。


『弱虫ペダル』~別記事にしました。


『刃牙道』~別記事にしました。


『侵略!イカ娘』~ドラクエで敵に遭うシーンってこんな感じなんだろうな。でも、今回の場合は『しかし、まわりこまれてしまった』的なアレ。


『囚人リク』~別記事にしました。


『こむぎけーしょん』~別記事にしました。


『浦安』~これって、おしどり夫婦のノロケ以外の何者でもねぇよ!!かなり結構うまらやしい。


『ニコべん!』~別記事にしました。


『少年ラケット』~別記事にしました。コメントとか単行本でも掛丸先生って『チャンピオン誌を読んでね♪』とアッピールしてますが、こういうのって大事だと思います。マンガというのは個人作業かもしれませんが、それでも雑誌はイロイロなマンガがあって……例えば『弱虫ペダル』で新規開拓された読者が別の作品のファンになることもあるし、持ちつ持たれつはあると思います。


『スメラギドレッサーズ』~別記事にします。


『クローバー』~別記事にしました。


『Gメン』~あれ?まとめに入ったと思ったら次週はカラーなのね。個人的には続いてくれると嬉しいです。


『バイオハザード』~こちらは今週で来年までバイバイか……。


『木曜日のフルット』~その石コロをもらってしまう鯨井先輩の感覚のがおかしいような……。




 つーコトで『スメラギドレッサーズ』のかなでの立体化希望!!商品名は『かなでコレクション』にしてくれ。もちろん脱着可でなければダメだ。絶対にダメだ。そして俺は叫ぶだろう。



 よし! 人形の服を脱がせてやるぜッ! あそこが本物と同じかどうか見てやるッ!




ぺカー         福地カミオ『こむぎけーしょん』

週刊少年チャンピオン
09 /28 2015



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 心がけというか、目的意識というか、描きたいというか


 『定まっている』というマンガ家さんは強い。自分が福地カミオ先生の抱いている印象はコレだ。


 福地カミオ先生の作品には『ぺカー』という笑顔が必ず登場するのだが、これって『定まっている』と感じるんですよね。作品を読んでもらって読んだ方が元気になるような作品を描きたい…というような。欲張らずに謙虚に『ちょっぴりの願望』という感じで。



 最新作の『こむぎけーしょん』が載って、ストーリーとしては至極単純だった。こむぎが落し物を渡すというそれだけの話だ。しかし、僅か6ページの中でいつもの福地先生らしさは存分に発揮されていたと感じます。ただ、ストーリーとして面白いのは冒頭でこむぎがハンカチを落として拾ってもらったという部分だ。これがあるので作品に膨らみを感じる。なんつーか、今度は女子高生のお姉さんが他人の落し物を拾ってあげるんじゃないかと。


 福地先生の作品というのは『ちょっと嬉しいコトの連鎖反応』というのはデビュー作から変わってないなあ。ホント、こういうマンガ家は強いです。



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 また、テクニックも地道&地味に向上している部分も見逃せない。


 上記のコマなどは視線誘導と感情の肥大をうまくやっているなあ……と。


 そういえば絵がなんかエロくなったような気がする。

無理にでも笑うか           瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
09 /27 2015

 昔、渡瀬希美先生の『薬師』で描かれていたコトを思い出す。


 『どんな人間でもつらくない人生は存在しない』という言葉だ。このマンガは人間の心が生み出す憑鬼を退治する薬師のストーリーなのであるが、呈示されているのが『人が居る限り、その憑鬼退治ははてしなく続く』というものである。それは無為・無駄なコトなのかな?という問いかけが作品の根底として流れていた。


 思うのですが、『だったら、どういう方向でもいいからとにかく面白おかしく生きる』というのは重要だと思います。人というのはそれぞれで『ウンコチンコマンコ』で笑える人もいれば、何をやっても楽しいを感じ無い人もいる。


 それでも『無理して笑う』というのは重要じゃないかな…と。乗り越えたら、あの時は大変だったけどね…と本当に笑い話にする為に。嘘が本当になる為に。



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 今週の『囚人リク』は謎のジイチャン再登場(もうレギュラーだね!!)というストーリー展開を見せてますが、とりあえず一言だけ言いたい。


 ひょっとして忍者?


 …とまあ、このジイチャンはとにかくニコニコである。こんな地獄にあって『何が楽しいんだよ?』と人によっては激怒するレベルで笑顔だ。が、同時にこのジイチャンきは知っている


 『どんな人間でもつらくない人生は存在しない』


 ……という事実を。それを踏まえた上での笑顔なんですよね。そして、その笑顔というのは強さの裏づけでもあるのです。


 誰でも『ツライ』とか『しんどい』はあるはずなんだけど、そういう時はネガティブにいきがちです。でも痩せ我慢でも空元気でもいいからとにかく『笑う』を求めるコトって大事だと感じます。いずれ未来の強さに繋がると思うのです。

現実にアプローチ!!そして欲しいもの!!           掛丸翔『少年ラケット』

週刊少年チャンピオン
09 /27 2015

 実は日本のラジコン競技というのはレベルが高かったりする。


 ……と言っても一般的には『ラジコン競技なんてあるのか?』というのがもっともなトコロだろう。さらには広坂正美というドライバーにおいては『ワールドタイトル14回獲得』という偉業すら達成している。この記録は『日本人で最も多く世界タイトルをとった人』というコトになるらしい(確認できず)のだが、そもそもにラジコン競技というものがマイナーなんです。ラジコンは誰もが知っているけど、その趣味性に関してはあまりにも知られていない。


 ラジコンの面白さ……どうやったら伝わるかな?というジレンマは末端の俺でも抱える。ラジコンは本当に面白いのだ。



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 『少年ラケット』という作品にもそのようなジレンマというか、『卓球は面白いからやろうぜ!!』という願望が強く感じられる。そう、卓球が上手くなきゃやっちゃいけないなんてこたぁない。楽しいからやろうぜ……というノリだ。俺としてもラジコンに対して『こんなに楽しい趣味ってなかなか無いぜ』というのがあるので、ここら辺は強く共感してしまう。


 ちなみに『卓球王国』であるが、WEBがかなり本気なのでビックリしたよ!!ラジコンにもラジコン雑誌もラジコンマガジンとかあったりしますが、なかなかにマイナーだ。


 で、今回の『少年ラケット』でいいな~と感じたのは『現実へのアプローチ』というコト。これってもっともっとマンガ・アニメはやって欲しいんですよね。ここら辺って、まだまだ未開拓の分野じゃないかな?


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 『ガールズ&パンツァー』の大洗ってスゲー徹底していてね、大好きな俺にとってはとても嬉しい場所なんですよ。作品を感じられるから。この作品を感じられる……というのって『嬉しい』だと思うんですがどうでしょう?キャラグッズを展開してくれるのも嬉しいのですが、そーいうのでなく『もっとリアル』を感じさせるものって嬉しくないかな?『けいおん!』が流行った時はギターが売れたし、『頭文字D』の時はハチロクが溢れた(どこにそれだけの中古車の在庫が…?)。そして、今では『弱虫ペダル』でキャラの乗っている自転車に注目集まってますよね。自分だとビアンキであるからにして、荒北なんですがさすがにハイエンドは買えないけど『好きなキャラが乗っている』というだけでウキウキしてくるんですよ。


 で、この『少年ラケット』に於いてだと『じゃあ卓球やるならどうする?』というのがあって、まあ経験ないから目安となるのはやはり宮原兄であろう。俺、左利きだし。で、あの超!曲がるカーブドライブを打ちたいとは思います。気分だけでも(重要)。だから、ラケットを選ぶ時は宮原兄仕様になると思いますよ。ラケットは現実味ある金額で手に入るし(重要)。これが『少年ラケット』のキャラグッズでも嬉しいけど、やっぱり欲しいのはコッチなんですよね。それで卓球が面白くなったら最高ですもんね。


 そして、ラジコンの話なんですが『憧れのトップドライバーのマシンがアナタにも手に入る』というのは夢があるなあ……と。もちろんそれなりにしますが、そこまで非現実的な世界じゃないし。


 ただ、マンガ・アニメは最近『そういう動きが出てきた』というのもあって、これからが楽しみです。オーソドックスなキャラグッズも良いのですが、より作品世界をリアルに感じられるような動きをガンガンやってほしいです。


領域          佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』

週刊少年チャンピオン
09 /26 2015


 マンガブログ(正確にはサイト)をやってしばらく経つけど、過去の記事を考えると『オッソロシイこと書いているな』というのがあって、まあ『身の程知らず』という言葉に集約されるのですが。


 あらゆる物事には『領域』というのが存在していて、そこに踏み込んでないレベルが干渉してもあまり効果が無いとは思う。


 『修羅の門・第一門』のラストバトルで九十九が放った四門・玄武によってレオンは倒れて、実質的な勝負はついた。だけど、レオンは立ち上がって九十九に再び挑んできたから……結果、九十九はレオンを殺してしまう。


 これって、常人には理解に至るコトではない。ただ、九十九とレオンの居た『領域』がとても深かったのは間違いないし、俺のような読者は絶対に踏み込めない。ただ、尊敬にも似た憧れを抱くことしかできない。



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 今回の上記のカットだ。これは比喩でもなんでもなく『文字通り殺す』という意味だと自分は感じます。これを『人としてありえない』とする考え方もアリだろう。それは個人の自由だ。が、コレはお互い同意の下であり、当の鮫島も『殺す気ならば殺されるかもしれないな』という『領域』での勝負なんですよね。


 深く深く潜ったものたちの『領域』だ。


 時として、浅瀬に居る者が見解を語るし、それも意味のあるコトではある。最初は誰でも浅瀬からスタートなのだから。ただ、『深い領域』に突っ込んだ者にしか見えないものは確かにある。そして、それは相撲に限らずあらゆる道に通ずる。


 マンガというのに自分が固執するのは『まだまだ領域がある』というのを感じているからだろう。ここら辺は『代わりに何かを犠牲』にしないと見えてこないんじゃないかな?今回の『鮫島』のエピソードは『厳しくも楽しくもやる教育方針の是非では無い。必死にやるコトで見えてくる領域はあるよ』というコトを描きたかったように感じます。




 

不合理なバカ         川端義浩『絶対防衛アシュラオウガ』

週刊少年チャンピオン
09 /26 2015
 マンガというのは『習得するスキル』の取捨選択はあると思う。『キャッチャーな萌え萌えした絵』と『やたら繊細な劇画タッチな絵』であるならば前者のが収入も人気も獲得できるし、なにより困難度も低い。そして、後者はその逆だ。さらには高いレベルにも関わらず『時代遅れ』『下手』等々のネガティブな印象すら持たれかねない。


 マンガ家を目指すならば合理的に賢くやるのが重要ですね。



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 今週のチャンピオンのフレッシュマンガ賞のフレッシュ賞に引っかかった、川端義浩さんの『絶対防衛アシュラオウガ』のカットを見て思った。


 あ、この人は不合理なバカだな



 ……と。そして、タチが悪いと感じるのは『そんなの知っている・分かっている』という前向きな諦観だ。ここまでの画力がありながら気付かない訳が無い。


 80年代のマンガ家の武器として『メカが描けるコト』というのがあったのですが、今はそのスキルの価値は下がっている。それなら『瞬間風速が稼げそうな萌え絵』のが重宝されるであろう。実際、多くのマンガ家を抱えるネット配信サイトも『実はメカが描ける方が居なかった』なんて話も聞いた。


 具体的な部分は知らずとも、マンガ家目指すならば『そのぐらいは意識しておく』というのがこの人はできなかったのだろうか?これから先のマンガ家というのはそれでなくとも大変なのに……。確かに、このカットからは『ロボットもの』というカテゴリーに多大なる情熱を感じるし、『俺はそれで育ってきた』という信念すら感じるのですが、その情熱は別のベクトルに向けるべきであった。


 ……なのであるが、俺はマンガにおいては『不合理なバカ』が大好きなのである。そもそもマンガというのはコッチ側の存在であって、アタマの良いヤツが読むようなものではないから。


 川端さんは困難な道を選んでいるな……と思います。いつかチャンピオン誌に掲載されて、その時は自分にウレションを漏らさせて欲しいです。


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渡辺航・弱虫ペダル・第369話『合流の勝負』

渡辺航『弱虫ペダル』&『弱虫ペダル SPARE BIKE』
09 /25 2015

 会話をする上で『相手にしちゃいけない相手』というのがありますが。


 そりゃ『否定するのが目的』のヤツね。どうしたって平行線は変わらないし、そもそも目的が違う。そして、考え方が詰まるトコロ保守的なんで自分に対してのメリットは無い。




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 新開弟、おめぇだ!!おめぇッ!!


 賢明な『弱虫ペダル』読者はお気づきであろう。この男は『とにかく他人を否定しかしない』というヤツでして、コイツは嫌われ者なんじゃ…という気すらしてくる。ここ最近の鏑木といい、新開弟といい、今年の一年は俺の老害視点をしょっぴいても不快指数MAXなのではなかろうか?これはワザとやっているような気がする……。何か狙いなのかは分からないが。ひょっとすると『スメラギドレッサーズ』みたいにストレスをマックスにさせてカタルシスウェーブを照射する作戦なのかもしんない。


 そして、そんな新開弟のせいか、坂道も『なんかうるさくて関わりたくないなあ』という感じ。実際、会話しないで抜いたり、アニソンのコト考えていたりと。


 そして、何より今回のオチが新開弟のひとり相撲というのが切なかった……。ノブくんだって、先走れば御堂筋くんが喝を入れるのに、新開弟の『誰にも相手にされない』感は切ないなあ……。これはマジで優秀な兄貴に対するコンプレックスが根深いのかもしんない。そういう意味では杉元くん兄弟の方が自転車兄弟として充実しているような気も……。


 やはり今年の総北の布陣は『古賀・鳴子・坂道・今泉・杉元兄・杉元弟』のがマンガとして盛り上がったような……。お兄ちゃんが引っ張って、新開弟対杉元弟のバトルとか熱いと思うンすよね。杉元くんがムードメーカーのが少年マンガっぺえし。