2016年01月 - 豚か狼か

いくぜ、百本組手!!④        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
01 /31 2016
  Twitterでもつぶやきましたが、


 『解体屋ゲン』と『ガールズ&パンツァー』のコラボは実現しないものか?ナックル星人とブラックキング並にバッチリな相性でしかない。俺は映画を観ながら『こんな時にゲンさんが居てくれたら……』とマジで思っていた。そう、劇場版で猛威を振るったアイツを橋桁ごと爆破してやっつけたに違いない(死人が出るかもですが)。ゲンさんにできないコトなど存在しないのだ!!


 ガルパンはあらゆるコラボを実現したし、ここらで新規開拓の為に『解体屋ゲン』と組む必要が出てきた。そもそもに戦車プラモ世代と漫画TIMESの世代って近しいのではなかろうか?


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 ちなみに『解体屋ゲン』はコラボに積極的である。過去には『飯田橋のふたばちゃん』にとりあげられたコトがありましたが


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 『解体屋ゲン』でもコラボ返しがあったりで(秋田チャン目立つなあ)。


 『スメラギドレッサーズ』もビルとかの建造物破壊が多いからアリだな~とか。『マッドマックス』も爆破多いな~とか。単純に俺が破壊シーンが好きなだけのような気も。






第二十三話・ミンチ解体(後編)~トシからゲンに連絡が入る。『穴屋の件でヤクザから縁が切れないんだ…』と。ゲンはトシと共に事務所に向かい解決を試みる。


所感~ この話はかなり好き。

 『郷に入らば郷に従う』というか、『違法も法』というか。彼等のルールがあって、それをこちらから反故にするのは虫が良すぎる…という『そういう世界のルール』を尊重するというコトで。まあ、さすがにコレは極端なんだけど、『学校に入っておきながらルールに文句つける』とか『給食費払わないバカ親』とか、ルールを自己都合でいじってんじゃないよ!!と言いたくなる時もある。ルールというのは『全部の希望にそえないけど、そんなに悪いようにしないから』という意味でもある。なあなあと言えば聞こえは悪いが、そういうのも秩序の維持に必要なんだよ、と。そして、それを変えたいなら覚悟を決めないとフェアでは無い。


 ただ、ゲンのそういう考え方はその後で語られる29話がキッカケなんだと思います。 


第二十四話・光の口癖~光は深夜運送の仕事をしばらくやるコトになる。そのドライブインで出会った二人の運チャンは見るからにIQが低そうで光は軽蔑していた。

 『男なんてみんなバカ!!』
 
 光はかつてのモデル時代の苦い思い出が蘇ってきた。


所感~これって自分の悪い部分で、たまにこういうのを読んで自覚せにゃいかんのですが、『そういうバカみたいな人だって真剣に生きている』というコト。で、話してみたら案外悪く無かったりして、まあやっぱり『人情』って大事だな~と。弱いから群れるというのも悪いコトだけじゃないんです。まあ、『人として恥ずかしく無いように』というのは基本ですね。


第二十五話・水中爆破(前編)~ついに『水中爆破』の仕事を行う時が来た!!この日の為にゲンは泳ぎの訓練をしていたのだ!!場所は鹿児島県・黄宝島であった。バカンスもできるというコトでメンバーも浮足立っていて、それを見たガイド役の片桐は腹を立てる。彼女にはこの島に対する想いが深かったのだ。


所感~ ストーリーに対して、ページに余裕を持たせたのか、ヒデの買い物シーンが面白い。そう言えば『思い出づくり』と称したDQNがドンキで買ったゴムボートで無人島へ向かって大迷惑なんてコトがったなあ……。ヒデのその発想は会社を潰したかもしんない。

 また、ロクさんの『あと三日だな』というセリフとザザーンという波の擬音のタイミングが芝居がかっていて大変にウレションものであったりする。

 ラストは1ページをゼイタクに使って絶望感で次回に続くのもグゥ!!


第二十六話・水中爆破(後編)~期日はあと三日しか無いのに、タグボートが手配できない!!どうなる!!どうする!!どうしよう!!その時、ロクさんのアドバイスが!!


所感~ この時代だと『そういう意識』というのは希薄であったが、2016年の現在、老人の経験を活かすというのも課題のひとつだろう。仕事のマニュアル化と言えば聞こえはいいが、そこには経験値が不足する。また、若者は都会に行ってしまう…というのもアタマの痛い部分で、老人しか残らない町というのも今後は増えていくだろう。先述のガルパンの大洗も老人ばかりになっていたが、作品の成功によって観光客がメチャ増えた!!俺も昨年はアホみたいに行ったし、今年も行くだろう(ガルパン抜いてもいい場所なんだ)。

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 こいうい企画に断固反対するかと思いきや、みんな一致団結して盛り上げている柔軟性は見事としか言いようがない(ここまでもっていくのに大変だったと思いますが)。


 一致団結の重要性が描かれたエピソードです。


第二十七話・慶子の仕事~慶子が盲腸炎にかかり、他の面々が慶子の仕事をやるコトになる。改めて慶子の存在の大きさを知るコトになる。


所感~ 自分の世代であると『俺はネクタイしめたサラリーマンになって、会社の歯車になるのなんかまっぴらだ!!』というのが『若者らしいカッコよさ』というのがあって、恥ずかしながらそれに共感を感じていたコトもありましたが。『じゃあ、それができない人がそれ以上の仕事を任せられるか?』というのもある。また、名作『ツルモク独身寮』でベテラン作業員が『だけどなあ、その歯車が一枚欠けても機械はおかしくなっちまう。歯車にもプライドあるコト忘れるな』というのがあって『あっ、自分は浅はかだった』と思ったものです。『アタマを下げる』というのも大事なコトなんですよね。



第二十八話・二枚看板~ヒデには疑問があった。なんでウチは二枚看板なんだろう?と。ゲンは『朝倉工務店ではちょっと新しい試みをしてみたいんだ』と。そして、その試みである解体を実行する仕事が舞い込んだ。工期は三日!!できるのか?


所感~ とあるエロゲーメーカーで『ウチはスタッフも少ないし、大きくないけど、小回り効きます』と言ってた社長がいて。そのメーカーから出た作品は『そういう作品』でなかなか面白かった。何気に三か月前ぐらいに公言した発売日を守っていたし、バグも無かった(出てもすぐに対処していた)。


 大きければ、それだけ『小回りが効かない』というのもあって、それぞれの適材適所があるし、そうなるように考えなきゃ仕事は回らないというエピソードです。単に上辺を真似するだけじゃダメ。『目的』とか『ゴール』を見据えてルートを作るというのが合理化です。


第二十九話・壁の穴~光は現場の男どもの馴れ馴れしさに辟易していた。そんな折、ロクさんの蔵の壁に穴が開いているのを疑問に思う。ロクさんの口から語られるゲンの過去とは……?


所感~ たびたび記事にも書いてます『正論病』というヤツで。但し、これは『自分ルールを相手に強いる』というコトで、それが通じないとヘソを曲げる……というのを最近はよく見かける。悪く言えば『子供』というヤツで。『ミンチ解体』の回でも描かれましたが、その場所にはその場所のルールがあって、妄信ではなく理解するように寄り添わないとダメだよ……というコトなんですね。ただ、思うに『それが自分の為でもいい』というコト。相手を否定するだけだと単純に『生きててもツラいだけ』というコトなんです。


 相手に謝っちまえば、相手だって『悪かった』と言ってくれる。


第三十話・仕事の仕方それぞれ~さてさて、皆が仕事をするようになって、互いの粗が見え始めてしまい、なんだかうまくいってませんが……。そんな時にロクさんが皆を一喝する。


所感~人間関係って『慣れてきた頃が厄介』というのもある。最初はきさくなヤツだと思ったら単に頭に乗ってきたとか。『親しき仲にも礼儀あり』と昔の人は良いコトを言ったものです。それを一喝したのはロクさんであったが、考えてみると『おそらくロクさんも同じような経験をしてきた』というのが想像できる。このマンガは『先人の経験』というのをないがしろにしない。


 それにしても『うるさいクーラー』と言うと『エリア88』を思い出してしまうマンキーな俺であつた。





 今回はここまで!!

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黙って送り出そう            瀬口忍『囚人リク』

週刊少年チャンピオン
01 /31 2016


 歴史的名作『ワイルド7』のクライマックス!!


 追っ手から逃げられるエレベーターを発見するも、『残って操作する人が必要』という仕組みであった。『俺はさっき銃弾をくらって長くない。お前等が行け』とオヤブン(そういうコードネーム)が残った。他のメンバーは『なんて運命だ…』と悔しがるも、主人公・飛葉は『運命なんかじゃねぇ。おおかた、さっきの擦り傷を吐血に見せかけたんだろうぜ。下手な芝居しやがって……』と看破する。『なら戻って助けないと』とメンバーが叫ぶも


 『ばかやろう!!俺はオヤブンの気持ちを汲みたかったんだ!!』と一喝する。


 『ワイルド7』という作品は『仲間は絶対に助ける!!』というのが徹底しているのだが、この時の飛葉は『汲みたかった』と言っている。その気持ちを理解するのに、自分はもうちょっと時間がかかることになるんだけど。



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 今週の『囚人リク』であるが、史郎の気持ちは分かるなあ……。


 かつての自分としてはリクとかワイルドの他の隊員みたいな考え方だったんですが、今は史郎や飛葉の気持ちに寄っているんですよね。『なんでだろう?』って思うのですが。


 ただ、誤解いただきたくないのは『これは見捨てた』というのでは無いというコト。

 
 その後、『ワイルド7』では他のメンバーが捕まってしまうんだけど、やはり飛葉は迷わずに救出に向かうし、『囚人リク』という作品では『また会おう』と約束をしているのだ。


 やっぱり少年マンガっていいな~。



 

僕っコ・醍醐         藤井良樹・佐藤周一郎『BADBROS』

週刊少年チャンピオン
01 /31 2016


 連載開始から三ヶ月ぐらい経っているんですが……



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 もはや、このマンガは醍醐と野人が主人公という感じで、全くお兄ちゃんの活躍がない。このマンガのタイトルの『BADBROS』ですが、ダメな兄ちゃんという意味なのか?


 ……と言いつつも、このマンガは毎週楽しみである。なんつーか、こういうアウトロー臭がプンプンのマンガって大好きなんですよね。


 で、その中でも醍醐という男はエリートからの転落であり、今週にいたっては『やっぱり故障持ち』というコトが判明した。打者として『走れない』というのは致命的である。『遅い』ならばまだしも(そういう強打者もいるし)、『走れない』というコト。そんなになっても『まだ野球にしがみついている』という部分に魅力を感じるなあ……。


 でも、そろそろ兄ちゃんの活躍も見たくなってきたぞ!!


これは思うツボや!!        角光『ニコべん!』

角光『パンダのこ』『ニコべん!』
01 /31 2016


 吉田戦車先生の『伝染るんです』で、ヤクザ編というのがあって


 『その時、ダムダム人の袖口からコンクリートが落ちた』『あなたダムダム人だったのね!!』


 ダムダム人の恋は終わった


 ……というアタマがおかしいとしか思えない紙芝居を見て組員が号泣したりするんですが。


 『ラブコメ』というのは『こういう状態にヤキモキさせたら勝ち』って、トコロはあるなあ。


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 本命ヒロインと対抗馬ヒロインの格差が広がり続ける『ニコべん!』が熱い!!冬でも熱い!!まあ、舞台は夏前だけど。


 コレ、マジでいろんな意見聞きたいんだけど、俺としては『多部さん派のが梅宮さん派より圧倒している』と思っているんだけどどうだろう?


 梅宮さんって、ようやく『仲の良い友達』ぐらいの段階だよね?しかも、ここから『ラブに発展』というのもやたらプロセスかかりそうな気がするんですよ!!仮に『七夕弁当完成!!』→『ステキー!!』→『付き合って!!』ってのは考えられないしなあ……。逆に多部さんの方はキッカケあったらスグでしょ?だって、家族も認めているなんて状態なんだぜ?


 しかし、ここまで本命ヒロインと対抗馬ヒロインの格差がついたラブコメもそうそう思いつかない。いや、確かに過去には『ウイングマン』とか『ツルモク独身寮』とか刺してきた対抗馬というのもあったけど、コッチは対抗馬を魅せる作品にも思えるしなあ。


 これがエロゲーだったらルート選べるんですが、マンガである以上は大変だな。


 それにしても鳥田くんの方はどうなのだろう?写真部の方もカワイイ先輩(?)いたし、それでも趣味に没頭してしまうあたりに(コイツはヤバいんではなかろうか?』という気もしてきた。『趣味』>『友情』>>>>『メシ』>>>『オンナ』という感じのパワーバランスなんかな?


選択の連続          佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』  

週刊少年チャンピオン
01 /30 2016


 俺、考えなしにイロイロやってしまうタイプなんだけど『まあ、得してるな』とは思う。『失敗』のハードルがエラく低いんですよ(なので、人によってはかなりイラつくタイプでもある)。『失敗って、その後のチャンスが無くなるコト。だいたいそれ以外は確実に前進させる』という感じで。あと、ウダウダが苦手。


 で、人というのは『考えたくない』とか『行動したくない』というのがある。


 その最たるは『お金がたくさんあったらいいな』だと思います。まあ、俺もお金は欲しいんだけど、あってやるコトと言えば大量に戦車のラジコンを買い込んでリアル戦車道全国大会開催みたいなコトしでかすぞ(なので、与えてはダメで、人によってはかなりイラつくタイプでもある)。


 『お金があれば未来永劫絶対的に安心していられる』


 ……なんて思っているのだろうか?いや、そんなものは存在しない。それこそ幻想だ。



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 『鮫島』の蒼希狼編でのアンサーが今回描かれたわけですが、自分としてはとても納得している。


 間違ったことも

 忘れたくない悲しいことも

 
 ……必ず前に進む力になる、という考え方だ。そして、人生に絶対的な安心はなくて『諦める』というプロセスから『だから進むしかない』という考え方が好きです。


 『これさえあればずっと安心している』という考え方は大げさに言うと『生きてない』ってコトでもあるような気がします。



 

……からの斜めアングル         掛丸翔『少年ラケット』

週刊少年チャンピオン
01 /30 2016

 印象深くせねばならない。



 『ガールズ&パンツァー』で主人公たちの乗る四号戦車の初発砲シーンはイイ!!


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 橋の上で煙を突き抜けてからの……



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 斜めアングル!!


 これまでのアニメの戦車というのは立ち位置が『敵のロボットにやられる』とか『怪獣の踏み潰される』とかだったので、本当に適当だった。ブルドーザーに砲塔をくっつけたような感じで。が、『ガールズ&パンツァー』は違ってくれた。しかし、それにしても斜めのアングルというのはどうしてか俺はやたらツボるんだよなあ……。


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 『ウルトラセブン』の『狙われた街』でおそらく一番有名なカットはコレなんだと思うんですが、自分はその直後の


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 『残るは一機だ!!逃がすな!!』と叫ぶキリヤマ隊長のがウレションものであり、その為の布石にすら思っているぐらいに。やはり斜めアングルは俺の性癖に訴える何かなんだろう。



 
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 『少年ラケット』の絵作りには毎回『いいな…』と感じる。そう、バランスが良いのだ。


 いくらなんでも派手な構図ばかりに集中してつるべ撃ちすると『飽きる』というのがあって、だけど『決めたい』という取捨選択が巧い。


 今回の『見せ場』となるカットは間違いなくココなんですが、斜めアングルという気持ち良さもさるコトながら『卓球台が透けている』というのはマンガならではの魅せ方だろう。


 ここまで『少年ラケット』を見ていて感じるのが『掛丸先生はマンガを発掘しているな~』というのがあって、なんつーか、『ちょっと手がついた鉱山』を『まだまだイケるぜ!!』と掘り返しているように感じます。

渡辺航・弱虫ペダル・第385話『受け継がれる魂』

渡辺航『弱虫ペダル』&『弱虫ペダル SPARE BIKE』
01 /29 2016


 マンガのキャラの描き分け……


 コレってできない方はとことんできない。俗に言う『ハンコ絵』というヤツで。で、ここで重要なのは『顔』だけじゃないというコト。『体』ももちろん描き分けで重要になってくる。



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 『弱虫ペダル』という作品は『体の描き分け』がとても秀逸な作品だ。特に今回は泉田が高密度なマッシブに対して、岸神はナヨナヨっとしている。


 他にもひょろ長くて爬虫類っぺえ御堂筋くんとか、デカくてごっつい銅橋とかね。


 割と『大きく差のつく配慮』だと思いますがどうでしょ?画像なんか顕著ですが、岸神の手って女性的だと思いませんか?



 ……それにしても、喜ぶのは分かるが、箱学の面々は浮かれすぎのような。ポッと出の新人がここまで追い込んだ……というより『次はおそらく勝てない』という勝負に持ち込んだのだからもっと京都伏見を警戒した方がいいんじゃ……。

できない……いや、できるね!!         石黒正数『木曜日のフルット』 

週刊少年チャンピオン
01 /28 2016


 『好きなコトに関してはできる』と言っていたい。


 一応、マンガブログやってますが、一応守っているのが『自分で決めた締め切り』で、そりゃ働いていたり疲れていたりすると、そういう気持ちも湧き上がるんですが、できる!!と無理矢理やっている時もある。好きなコトというのはラクだけじゃない。好きでいるコトにも困難はついてまわる。それでやめたんなら『好きじゃない(そこまで関心が無い)』ってコトで、俺はそれが『怖い』のだ。俺はとてもビビリなのである。


 困難があっても『できる!!』とハッタリでもいいからかまして行うのって、案外大事なんだぜ?



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 『木曜日のフルット』は毎回2ページの作品で何気に長寿マンガの枠に入ってきた。


 しかし、このマンガって他のマンガ家さんはどう思うだろう?『できない』という感じなのではなかろうか?何しろ2ページであるからにして、原稿料は通常の1/10というコトになる。そのくせ、手間はかかるわけだから『稼ぎ』という意味では大変効率が悪い。アナタは毎日一時間しかできないバイトに通うだろうか?俺なら『できない』というに決まっている。


 さらには2ページというコトでマンガ家さんによっては『こんなページ数で何ができるっていうんだ?』とヤル気が起きないだろう。そりゃそうだ。


 だが、2ページだからこそ『できる』という作品がある。特に今週の『フルット』は2ページという枠を最大限に駆使したギミックが炸裂している。このネタに関して言えば、『やはり2ページ』だろう。1ページもダメ、3ページでは間延びする。それ以上は論外だ。


 『クスっと面白い』という感じのフレーズが連載初期に掲げられたけど、これをいまだに守り続け、派手さもハッタリもなしに『できる』という強い意志があるから今もこの作品は続いているのでしょう。


いくぜ、百本組手!!③        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
01 /27 2016

 さて、三発目です。


 自分のトコロはマンガブログとしての『成績』がそこまで良くないんでアレなんですが、これからマンガというものがネット配信になった時に、マンガブログの頑張りも重要になってくると思います。


 人というのは元来保守的と考えるトコロがあって、なかなか新しいコトしないんですよね。なんでマンガもそう。世の中、イロイロと面白いマンガがあって、ちょっと踏み込むだけでその多くに触れるコトができますが、そういうアクションをおこさせるのが大変というのがある。昔は『そのマンガが売れないのはつまらないから。作者が悪い』で押し通せましたが、もうそういう時代では無い。『良くてもキッカケが無いと売れない』と切り替えた考え方をした方がいい。


 自分が『新しいマンガ』に手を出すケースで一番多いのは『好きなマンガ家さんがオススメしてた』ですね。経験上『まず間違いなく面白い』から。逆に本屋で見かけて買う……というのは稀ですね。やっぱり買っている量が多いせいか、『書店に入るときには決めている』という感じです。


 ネット配信のマンガの発達と同時に『そのマンガ読んでみたい!!』って思わせるようなサイト・ブログ・システムの土壌もできないもんかと思います。






第十七話・ロクの晴れ舞台~光はロクに『ミチさんとの結婚式しましょうよ!!』と提案するも、気恥ずかしさやら意地やらでロクは猛反発!!結果、光とミチもヘソを曲げてしまう。そんな折に入った仕事は神社の神楽殿を曳くというもの……。ロクさんの知らないトコロで思惑が進んでいく。


『所感』 このエピソードは作画の石井先生の画面構成が素晴らしいものがあった。『人生』をレールと比喩するものであるならば『二本』のレールが『同じ方向』に『みんなが引っ張ってくれる』という感覚的にメッセージ性が浸透するような心地良さがある。



第十八話・静的破壊~初老の安原が持ちかけた話はホテルが人手に渡る前に解体してほしい……というもの。期限は僅かに二日。ゲンは『無理だ。諦めな』という態度で、慶子はそれに腹を立てて出て行ってしまう。


『所感』 そうか!!そおすればお金儲けはできるんだ!!と目からウロコな回です。これでボクも束札風呂とかピンク色に塗ったベンツとか大量にダイガーⅠ型のラジコンを買ってフォーメーション走行させるという夢が実現しそうです!!とまあ、世の中にはそういう酷い話はいくらでもあって、そもそもにバブルというものは『結局は拝金主義を生んでしまった』という空しさはあるなあ……。俺、『世の中は金だ!!』と言えるヤツがとてもうまらやしい。お金というのは『社会がまともな状態で機能する道具』だからね。つまりは人間社会が今後も安定していると楽観視できるところがうまらやしいんです。

 ところで、ゲンは『マネジメントから考えてできないコトはできない』という考え方はと一貫している。これって仕事においてとても大事なコトで、精神論・根性論とかで押し通さないのもこの作品らしさでしょう。


第十九話・水泳特訓~水中爆破の仕事を推進する慶子と拒むゲン。実はゲンは泳ぎが苦手であった。早速、ゲンの水泳特訓が始まる。


『所感』 深夜アニメでいうトコロの『水着回』とか『温泉回』にあたるような今回のエピソード。適度入ってくる『気楽に楽しめる』というコトもあって、悪役の青年二人はこれでもかというぐらいに安っぽいDQNというのはマンガの生み出した様式美すら感じる。あと、作品クオリティにあんまり関係ないような気もするが、ロクさんの様々なマニア泳ぎが無駄に頑張っているのが素晴らしい。いや、それって明らかにオーバークオリティじゃん!!こういうネタって俺好きなんだよな~。


第二十話・社員管理~ヒデの様子がおかしい。疑問を感じたゲンはヒデの自宅を訪ねようと考え向かった先のコンビニでアルバイトをしていたヒデと鉢合わせをしてしまう。『今の収入では借金返済におっつかない』という事情にゲンは……?


『所感』 自分がゲンで好きなエピソードはヒデが中心になっている比率が高い。キャラクターに感情移入するのは人によってイロイロだと思うが、自分の場合はヒデに共感を感じてしまうみたいだ。ヒデの持つ劣等感はこの後も描かれるコトになるが、真面目さというのは周囲が見守ってやらなきゃとんでも無いコトになる。日本人は『その人の真面目さ』に甘えてしまうという悪いクセは確実にあるなあ……。


 また、一石二鳥のゲンの発案であるが、事故がある現場というのは経験上『必ず予兆がある』というコト。安全というコトにも気配りしている『解体屋ゲン』ですが、基本中の基本は『整理整頓』というのが描かれている。



第二十一話・慶子の誕生日~会話の中で偶然にも慶子の誕生日が近いと知った光はゲンに『プレゼントしなよ!!』とけしかける。慣れないことをするのに戸惑うゲンだが……?


『所感』 エロゲーにおける『友達以上恋人未満』な段階なのがグゥ!!ブログ記事でよく『ラブコメ好き』と書いてますがこの『友達以上恋人未満』というのがメチャ好物で読んでいてニヨニヨするのだ!!


 ちなみに俺の誕生日は3/2なんですが、ガキの頃はいつも『ひな祭り』とセットで処理されていたのであんまり良い思い出も無い。



第二十二話・ミンチ解体~慶子は不審に思っていた。『ここ最近、いつも同じ業者に競り負ける』と。慶子・ゲン・光で現場に偵察すると、そこは違法のミンチ解体が行われていた。その現場にゲンの見知った男・トシが居た。


『所感』 トシ初登場回!!しかしながら、『俺には技術も何も無いから力仕事しかできない』という悲しさが描かれている。悲しさ、そう悲しさだ。自分は最近になって感じるのが『人としての教養が無いのは悲しいコト』と考えるトコロがある。『学歴』でなくて『教養』だ。ぶっちゃけ『学歴』があっても『教養』の無い、さらには自覚も無いヤツはたらふく居る。『教養』が無いコトの何が悲しいかって、人から認められない(チヤホヤされるのと違うかんな)とか、はたまた『悪意の食い物にされる』というコト。


 そのコトについても『解体屋ゲン』は常に描かれているように思います。また『教養』というのはこれで良いという部分がなくて、死ぬまで勉強なんですよね。






 今回はここまで!!


高い画力         松本豊『スメラギドレッサーズ』

松本豊『スメラギドレッサーズ』       
01 /26 2016

 マンガの絵について考える。


 そもそもに教科書に載るような絵とマンガの絵というのは目的そのものが違う。カレーとラーメンどちらが優れているか?ぐらいに不毛なコトだ。


 マンガの絵というのは『楽しんでくれればいい』というのに特化している。そして、それは芸術のように限られた人種に届けるものでなく、普通に生活している人々に届けるものだ。だから俺はマンガが好きだ。肯定の否定も好きにしていい……その自由さが好き。


 で、『上手い絵』というのがあったりして、それを分析すると『受ける要素を拾うのに長けている』という場合がある。そういうマンガ絵はそれなりの人気は出るけど、さらにそれ以上の領域となると壁にぶち当たる。これまで順調だったからこそ、失速した時の再浮上が難しい。


 で、一見『あんまりうまくない』というマンガ絵が『実は巧い』というのも多々ある。先述の『楽しんでくれればいい』という要素を見事にクリアしてるの。以前にも書いたけど、福本伸行先生と『進撃の巨人』は巧いと思ってます。



 そして


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 松本豊先生のマンガ画力はメチャ高い!! 


 ええっと、ヒイキしている作品だから『甘めにそう評価している』という訳じゃないし、むしろそうならないように今まで『これはどうかな?』と思える部分は記事にしてきた。これをほぐした言い方にすると『もともとあったポテンシャルが連載を通じて開花してきた』というケースです。

 まず、上記の画像に関しては『サクラスキルを使う時のポーズ』として完全に読者に印象づけた。また、サクラの100%は花びらが舞っているので作画カロリーが高い(いつもできない)というコト。今回はやたらに作画に手間がかかっているのですが、『良い意味で手の抜き方を知っている』というコト。マラソンをいきなり全力疾走するのはアホでしかない。『ここまでしかできない』という枠を理解して『では一番効果的なのは?』というマネジメントが達者なんです。週刊というマンガでは重要だ。


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 難しい構図も積極的に取り入れ、そもそもバランスそのものは狂ってない。


 思うに、松本先生は『受ける要素を拾うのに長ける』というのが苦手なのではなかろうか?それは『言えば分かる』という習得にはイージーな部分なんで、ここら辺は編集部の頑張りが重要になるんじやないでしょうか?


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 実際、かつて作業用ゴム手袋・ゴム長靴っぺえパーツが連載を通じてディテールアップしているし!!そもそも松本先生は『キッカケさえ与えておけば問題ない』という器用なタイプに感じてきた。


 むしろ


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 凝った絵作りに対しては『貪欲で常に乾いている』という気がする。このアクションの繋ぎのコマも『重力と動きを感じさせる上着』の描写力はかなり凝っている。05の数字がイイ感じに歪んでいるのもグゥ!!


 そもそもかなでの髪型が長いサイドテールなのも『動き』を強調するのが狙いだったっぺえし(ブレイクした時も分かりやすい)。


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 クライマックスシーンの足もいいですね~。骨格・肉付きもキチンと感じさせるし、ドレスの素材感もキチッと出ている。これならコスプレイヤーも安心だね!!是非ともドレスルームも用意して生着替えしよう!!



でした。 ……とまあ、今回は絵について書いたんだけど、内容の盛り上がりは素晴らしいものがあって、いちいち書くのも野暮って感じがありました。『スメラギドレッサーズ』が深夜アニメになったらここまでがワンクールだよなというぐらいに見事に決まった……パズルのピースが『パチン!!』と音を立ててはまったような心地良さでした。


 もう一度。『松本先生はマンガ画力そのものは高い。それが連載を通じて開花してきた。これからも目が離せない存在だ』というコト。とても刺激的な作品だ。



宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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