2019年08月 - 豚か狼か
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後で使えるから           西修『魔入りました!入間くん』

週刊少年チャンピオン
08 /31 2019



 後で使うかもしんないから!!


 …って感じでモノを捨てられないのはダメだなあと思いますが、実際俺もそうだったりする。未組立のプラモデルがあと人生三回分ぐらいあるんだが……ダメだ。




 が、連載マンガに於いては『後で使うかも』というのはアリな気がする。『あしたのジョー』の真っ白に燃え尽きるシーンはあまりにも有名ですが、リアルタイムの掲載誌マガジンでは『最後にジョーは死んじゃうの?』みたいに煽り立てたから、さあ大変!!『とないすべぇ』とアタフタしているところに担当さんが『このシーン使えませんかね?』と提案する。見れば『ジョーがボクシングをやっている動機』を語るシーンで、この話はここでオシマイとされているシーンであった。が、ここからあのラストシーンに紡いでいったのである。



 過去にさかのぼって『使えそう』とするのは重要なテクニックなんですよ。




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 このシーンも『ここで使うために考えていた』というものでは無いでしょう。




 『入間くん』という作品の面白さに『後で使えるかも』をキチンと活用しているトコロにある。使わないなら使わないで『別に問題ない』という要素で。これを『伏線』としてアリアリ提示するとどんどん作品の自由度がなくなっていくんですよ(例・ヤツとはいずれ決着をつけなけねば発言)。



 さらに言ってしまえば『伏線』ってのは多くの比率の読者は気にして無い。これを気にする読者は多分ごく一部で、だけど声が大きい面倒くさいタイプなんじゃないでしょうか?



 先週も書きましたが、『入間くん』はここら辺のサジ加減が絶妙で常に自由度を高く展開してますね~。



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ショート枠          施川ユウキ『サナギさん』

週刊少年チャンピオン
08 /31 2019


 マンガ誌で必要とされるのって『ショート枠』だと思ってます。短いページながら初見の方にも楽しめる…というヤツ。




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 そんな枠であった『サナギさん』なんですが、改めて読むといかにもチャンピオンだなあと感じます。



 いや、チャンピオン誌にしてはフツーの読者に対して敷居が低いとは思うのですが、やはり『独特の個性』というのが滲み出ている。『サナギさん』はカワイイを打ち出してとっつきやすい作品でありますが、パンチの効いている『がんばれ酢めし疑獄』も好きですね~。つーか、タイトル狂い過ぎてんだろ!!結局、連載を通して酢めしも疑獄もなかったしなあ。



 この枠、他にも『現代怪奇絵巻』とか『グルームパーティー』なんかもメダパニくらったかのような衝撃がありました。特に『グルームパーティ』4巻収録の『押忍!!せんずり部』は今でも掲載されたのが不思議です。ユルい時代だったとか、チャンピオンだから…なんて理論は通じない。ホントにせんずりしている部活動なんだぜ!!インターハイもあるんだぜ?マンガ図書館Zで読めるので是非とも確認してください。

笑顔             灰刃ねむみ『足芸少女こむらさん』

週刊少年チャンピオン
08 /30 2019



 マンガというのは『表情』がかなり重要な技術だと思ってます。


 
 それは緻密で正確な絵を描ける…というスキルよりも。単純な線で描かれたキャラでも『カワイイ』とか感じる時ありと思うのですが、それは表情が良いからではないかな~。




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 笑顔が母親似




 …というのは『いいな!!』って感じてしまった今回のこむらさん。母親が落ち着いた表情をしていましたが、笑顔が似ているっていうのはマンガ表現として『このテがあったか!!』という感じだ。



 それにしてもこむらさんに弟が居たとは…。もちろん近いうちに登場すると思うのですが、こういう女の子を前面に出した作品は『妹』が定番なんで逆に新鮮だ。



構成            触媒ヒロオミ『どらコン!』

週刊少年チャンピオン
08 /30 2019


 講座とかそういう勉強をしている訳では無いのですが、シナリオというのは『ストーリーを作る』というものでなく『こういうストーリーをいかに効果的に魅せるか?』の技術だと思ってます。




 そういう意味では最近ハマった『ガイキングLOD』の第一話は最高傑作だと思ってます。



 Q どこがスゴかったの?


 A 戦闘シーンにだいぶ時間をとってある。



 …ってコトで『そんなの当たり前じゃん!!ロボットアニメなんだから!!』って言われそうですが、いろんな要素(主人公の動機・魅力等)を描いて、キチンと見せ場を用意できるのは本当にすごいのです。ロボットアニメって『ロボットに乗り込んだら第一話終了』って作品は結構多いんです。




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 こりゃ黄色信号だな…。


 『どらコン!』単行本になるとしたら今回までが収録であると思うのですが、これは構成がかなりマズった気がする。特にグクの話はここまで二回で収まっただろうし、来週で着地させないとダメだったんじゃなかろうか?



 なぜって?



 おそらくグクというキャラは重要度が低いから…だ。『ちょっとエッチなハーレムラブコメ』という王道であるこの作品、これから先もヒロインがバスバス出ると思うのですが、それでも『重要』とされるのは『レミ・ウカノ・マイ』の三人に絞られるはず。そのように誘導しているのだから。そうするとグクはそれより出しゃばってはいけない。春菊だらけのスキヤキになってはいけないのだ。春菊鍋にするなら問題ないが、そういう作品ではなかったはず。



 そう言えば過去の読みきりもページ数が多かったような…。ちょっとスピードが欲しいトコロです。好きなマンガなんで。


踏み込んでくる         古田朋大『謀略のパンツァー』

週刊少年チャンピオン
08 /29 2019



 マンガは才能…って言葉が嫌いなのは常々書いてます。それは『才能』って言葉で片付ける浅はかさがイヤってのもある。『才能』で全て解決できるような世界じゃない。


 
 あらゆる要素からイロイロ拾えて……さらに踏み込んでこないとダメなんですよ。




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 なんか、もう少しでかみ合って開花しそうなんだよな~。


 
 掲載位置からすると結構苦戦しているのがうかがえる『謀略のパンツァー』ですが、自分はかなり可能性を感じている作者さんなんですよね。今回はその片鱗が感じられるエピソードでした。



 『男の娘』とか『女装』というのはチャンピオン誌ではもっぱら普通で正直『飽きたよ』ってトコロはあったりします。最初面白かったの繰り返されるとウザくなるのってあるでしょ?あれ。



 この作品に関しても半田スズというキャラはそういう意味で特に面白さは感じてなかったのですが、今回は『さらに踏み込んでくる』という部分が印象深い。



 『貴様は男の娘では無い。ただの女装好き』と分析されてからの劣勢は面白い。こういう『踏み込み』をしてくるチャンピオン作品というのはちょっと記憶になかった。あったかもだが多分印象に残ってなかった。



 別に男の娘どうこうの話では無い。



 他の作家さんたちが『こういうものだ』という固定観念が出来上がってくるものに対し『踏み込み』があるのが古田先生だ。思い起こせばそんな要素はかなり散見されていた。ただ、今はそれがかみ合ってないように感じる。これは才能じゃなくて、誰にでも備わっている能力だ。


 この『踏み込み』がさらにするどくなれば一気に開花しそうなんですよ。




 

己の哲学           細川雅巳『逃亡者エリオ』

週刊少年チャンピオン
08 /29 2019



 人類が平和になるなんてのは不可能って諦めてます。差別も戦争も無くならない。



 仮に『その方法がある』として、そのマニュアルにそって実行しても無理だな~って思ってます。なぜなら『みんな考え方が違う』から。だとしたら『できるだけ折り合いを付ける』ってのが近しいポイントなんじゃないでしょうか?




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 己の哲学!!



 細川先生のマンガったらコレなんですが、それが『うん、相容れないが素晴らしい考え方だ』という感じになるコトが多い。


 優秀・思慮深い・それまでの人生が反映されている……とレベルの高さを感じる。それは自分の置いている領域なんかより遥かな高みに立っている。だから尊敬もできる。



 だけど、俺がそれやれって言っても無理だな。



 …というのも同時にある。高いレベルだからって『ならなきゃいけない』って道理は無いのです。人は自分の人生を生きるしか無いんですよね。自己肯定ってのは他人は他人だよ、って思うコトが重要だ。






 

チャンピオン38号の感想

今週のチャンピオン
08 /28 2019


 今回の新連載陣は個人的に当たりです。



 ただ、誌面が女の子増えたな~ってのがあるなあ。小沢としお先生・瀬口忍先生あたりにご帰還あると嬉しいです。蒸し返すのもナンですか、やはり佐藤タカヒロ先生が載ってないってものツライなあ。





『ビースターズ』~別記事にしました。


『弱虫ペダル』~別記事にしました。


『SHY』~別記事にしました。


『娑婆王』~このマンガ、実に面白いんです。作品から感じる熱量もパナイ!!


 …が、めちゃくちゃ読みづらい。詰め込みすぎ。ライト読者にはつらい。もったいないなあ。



『フシケン』~田中さんは苦手なんです。


『もういっぽん!』~別記事にしました。


『バキ道』~別記事にしました。


『どらコン!』~別記事にしました。


『浦安』~別記事にしました。


『さちおくん』~役に立たないな、コイツ。


『入間くん』~別記事にしました。


『吸血鬼すぐ死ぬ』~俺もそのうち食べるのに体力が要る…を自覚する時がくるのか?


『逃亡者エリオ』~別記事にしました。


『こむらさん』~ママさんすご!!


 これはこむらさんがいかに頑張ってもかなわないんじゃ…。



『パンツァー』~別記事にしました。


『アクメツ』~別記事にしました。


『フルット』~このマンガ2ページしか無いからとかサイボーグにしてもらったとかシレッととんでもないコト描いてるなあ!!









 次回は久々に櫻井あきひと先生の読みきりが掲載されますね!!楽しみです!!



殺しちゃえばいいんだ           田畑由秋・余湖裕輝『アクメツ』

週刊少年チャンピオン
08 /27 2019



 よく何かの事件が起こると



 そんなヤツ、殺しちゃえばいいんだよ



 …と言うヤツが居るが、そんなの当たり前に『話にならない程に幼稚』でしか無い。そういう考え方は文字通り『何の役にも立たない』というコト。他の要素がイメージできないってことは幼稚なのだ。





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 そんなヤツ、殺しちゃえばいいんだよ



 …という幼稚性をそのまま作品にしてしまったのが『アクメツ』だったりする。当時の俺はとても衝撃を受けた。以前より『コミックマスターJ』のファンである俺はコンビ正清がチャンピオン誌に登場することが嬉しかったが、この作品はその期待以上に応え、思い入れの深い作品だ。




 その幼稚性を自覚しつつ、それを描く



 …というのが痛快であった。インタビューにも書かれているように初期の頃はエンタメ性が強かったが、薬害問題を取り扱ってきた頃から『身近な人間の危機』という怒りが作品から感じられるようになったなあ…。




 ただ、このコンビ先生の特色でもあるんですが『死んでいいクソ野郎』には変わらないんですが、『どこか憎めない愛嬌』ってのがあって、ここら辺がマンガとして楽しく読めたところはあります。このテのマンガって最終的に説教臭くなってエンタメ性が削がれるんで。



 ラストは賛否分かれそうですが、自分は好きです。



マンガの現在          ユーゴ『鬼怒川さんは圧がつよい』

マンガレビュー
08 /26 2019



 ガキの頃は違和感を感じなかったが、雰囲気を維持したまま放映機関が何十年も経っているのが『サザエさん』だ。これはもう昭和の物語と言っていい。



 で、たまにカツオが『クスクス』とか『ウフフ…』とかマンガ読んでますが、自分は『マンガってこういうものなんだよなあ』って思っているんですよね。確かにマンガってのは作品によっては『感動』とか『それに影響されてそのスポーツして大成した』みたいのがあって、それはとても素晴らしいコトなんですが、自分は『マンガってこういうものなんだよなあ』って。



 それは時代が変化しても変わらない。






 さて、今回取り上げるのは ユーゴ先生の『鬼怒川さんは圧がつよい』です!!


 いや、ツイッター見てたらなんかTLに流れてきて、栃木県人としては鬼怒川というワードに絶対的反応を示すので読んでみたらエラく面白かった…というコトで。



 しかし、ガキの頃『サザエさん』を見ていた時代とマンガのアプローチは変わった。今やネットの無料配信が常になっている。ありがたいコトに多くの出版社が公開してくれるので、おこづかいをエイヤッと決断せずとも困らずにいくらでも読める。さらにはこの作品はWebにコメント入れるコトによってニンテンドー・スイッチが当たるキャンペーンもやっていたりする。



 また、モニターで見るのはもちろん、今はスマホでマンガ読むスタイルもフツーでしか無い。『めくる』でなく、『上下スクロール』という形式になっている。これは旧来の『めくるマンガ』を描いていた人にはとても信じられないだろう。そのぐらいの変化なのである。



 が、でもマンガはマンガなんだな、とこの『鬼怒川さん』を読んで安心した。



 カツオがニヤニヤして読んでいるような『気取らないマンガ』はいつになっても変わらない面白さがある。確かにマンガには『素晴らしい』とされる側面もあるが、自分はこういうマンガが好きなんですよね。



 予備知識ナシでも楽しめて

 気負わずに読めて

 『面白かった』という純度の高い


 そういう『いかにもなマンガ』は時代が変化しても在るからいい。『学校タリー』とか『仕事メンドクセー』ってヤツが『あ、今日は更新される日だな』って思い出して、通勤やらスキマの時間に読んで『しゃあねぇやるか』って気力をちょこっとだけくれる……マンガってこういうもので『鬼怒川さん』はこういう作品なんです。


 ちょこっとだけくれる…実はすごいコトなんですよ。いかにもマンガなマンガって。





 

未来をたぐり寄せ           板垣巴留『ビースターズ』

週刊少年チャンピオン
08 /26 2019



 自分ひとりの考え方なんか『たかがしれている』というをマンガを読むと思い知らされる。自分の全く知らない考えもしなかった『新しさ』を得る。やはりマンガは良い。




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 今週の『ビースターズ』は実に良い!!そういうのが詰まっている!!自分が全く知らないことだらけだ。



 まず、未来をたぐり寄せるというコト。自分がこういう場面に遭遇したら(したくない)命乞いはしないだろう。『殺そうとしている人が命乞いで許すはずが無い』って考えちゃうから。そういう点ではレゴシも同じコトを考えていたのかもですが、そこから『要求するチャンス』を見出したのは『全くなかった』という感じ。もっともそういう風にアタマが働いたんでなくて、全く諦めてないというコト。



 そして、メロンが否定した『優しい世界』は言い換えれば『メロンは優しい世界を知らない』というコトが紡いだんですよね。彼の不幸は『世界を憎みすぎた』というコトだ。



 この展開はラッキーではない。レゴシだからこそ紡げた結果なのだ。



宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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