世界より大切         松本豊『スメラギドレッサーズ』 - 豚か狼か

世界より大切         松本豊『スメラギドレッサーズ』

松本豊『スメラギドレッサーズ』       
08 /25 2015
 日々『楽しいマンガ』を求めてます。

 マンガって、普通の人は無くても困らない。『信長のシェフ』はタイムスリップして料理作っているけど、俺がそうであったらマンガ描いていると思うよ。無いと困るからな。


 ただ現代はマンガに溢れているから描く必要が全く無い。好きな作品もよりどりみどりだ。


 で、マンガを選ぶ訳だが、ここ最近のチャンピオンなら『スメラギドレッサーズ』だ。


 しかし、この『スメラギドレッサーズ』は余りにブサイクなマンガではないか!?絵・ネーム・ストーリー等々あらゆるマンガステータスがこんなにもブサイクな作品はなかなか無いだろう。さらには狙いであった『不愉快な観衆』がマイナスに機能して印象悪くしちゃっているし。


 なのにそれが俺にとっては面白いというのだからマンガは分からない。何よりそれが面白いと感じている自分が面白い(本当にバカみてぇ…)。マンガって、技術じゃないハートだ……というのはあまりに青臭いと思うのですが、現実にそうなっちまっているのがなんともおかしい。単行本が出ない対策の切り抜き保存をすでにしているけど、今回はプラスして『スメラギドレッサーズ』を何回も読み返す為でもあるという状態に。本当に何やっているんだ、俺。


 巻末掲載というからには苦戦は間違いないし、まだ単行本予定にもなってないのもアタマ抱える……。


 マンガというのは多数決であるんだけど、例え一人であったとしても全く迷いなく『スメラギドレッサーズ』は賛成したくなる。そういう作品に出会えてとても嬉しい。


 …と前置きがやたら長くなったが、これでもかなり圧縮したのよ。


 さて、今週の『スメラギドレッサーズ』はボルケーノとの決着と今後を匂わす展開です。とりあえず来週には終わるようでなくて安心したが、単行本予定になるまで安心できないなあ……。


 とりあえず『スメラギドレッサーズ』は書きたいことが収納できないぐらいに膨張している(肉が収まらないオリバのイメージで)ので一点集中で。


 あの不愉快極まりない観衆は罰を受けるでもなく逃げ出した。かなでもそれを正そうとも思わなかった。ただ、梨谷さんのカメラを取り返せれば良かった。観衆にとっては『高性能なカメラ』でしかありませんが、かなでと梨谷さんにとっては『世界で最も価値のあるカメラ』なのだから。


 俺はこれで良かったと思ってます。


 彼等に罰は無意味なんです。平行線。仮に罰を与えて改心させる展開はすでに不自然であるし、そうであっても時間がかかる。多分、今後はさらに溝は深まっていくだろう。だが、おそらく彼らは本当に自分の危機が訪れたらかなでにすがるだろう。そして、それを不愉快に感じる読者も出るだろう。そういうのを面と向かって描くマンガなのだから。


 俺ってヒーローものには『世界平和より目の前の大事な人』というのがあって、そっちに正しさを感じちゃうんですよ。そっちのが本当だって信じているし、それがヒーローものの唯一の希望なんじゃないかって思うんですよね。博愛主義は行き詰る。


 大事なのは梨谷さんです。だって、かなでにとっては『他人』とイコールじゃないんだから。テロとかのニュースで何百人も死んだらいたたまれないとは思うけど、自分の飼ってた犬猫死んだ方がショックなのが人なんじゃないかと思います。かなでも梨谷さんも求めているのは『お弁当を一緒に食べるようなお友達』であって、世の中の大部分の人間にはそれは困難ではないんです。が、困難な者とっては世界よりも大切なんですよね。そういう視点を持って描かれているのが『スメラギドレッサーズ』なんです。


 かなでにとっては『そう呼べる存在』が久々にできた。大事にしたいじゃん。手放したくないじゃん。それがエゴだとするならば俺はエゴイストが大好きです。で、最近のヒーローものは品行方正ですが、自分はそういう目安からは劣等生な『スメラギドレッサーズ』が大好きです。



 20150358.jpg



 このシーンは最高ッ!!


 ホント、俺ってこの『スメラギドレッサーズ』があきれるぐらい好きだな~。


 
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

8話と9話は永久保存版レベルでしたね

こんばんわ、初めまして。

スメラギドレッサーズを絶賛しているブログがココくらいで
忸怩たる思いを抱えております。
2ちゃんねるあたりを見ても、絵柄だとか技術論だとか、
この作品の魅力の本質的なところを見てない人たちが多くて困ります。

まあ、そんな気分も8話と9話を見ればすっきり忘れちゃいますけどね。
そのくらい、この2話は良かったですね。
1話のミスリード的な導入から7話まで、ずっと打ち切りのリスクと隣り合わせで
この2話のために積み上げてきたと思うと、胸がジンとします。

やっと始まったといえる「スメラギドレッサーズ」、
長期連載的な話ではないですけど、コミックスが何巻か出るまでは続いてほしいものです。

追記:あのシャッター切るまでの2ページは何度読み返してもステキですね。
   梨谷さんだけに向けた、私達が見ることのできないかなでさんの笑顔を
   想うだけで幸せな気分になれます。生きててよかった。

コメントありがとうございます



 まさかの『スメラギドレッサーズ』でコメントきたぞッ!?という戸惑いが(笑)。いや、どちらかと言えばネガティブなコメント上等のつもりで記事書いていたんですけど。


 それにしてもこの作品は『特別』ですね~。ここまで振り回してくれる作品もなかなか無くて、それが楽しいんですね。一応は『みんなに読んでもらいたい』というのが記事を書く動機なんですが、この『スメラギドレッサーズ』は感情が先走るは、記事の量を減らす(三分以内に読めるという自分ルール)はで嬉しく困ってます。


 ただ、記事に書かなかったコトをここで書くと①五話で梨谷さんが男子生徒に歯向かってかなでと仲良くなるを敢えてしないで、さらなるストレスに踏み込んだ②おそらく八話までが一巻分の内容


 ……というコトで松本先生の『魅せ方』は面白いと思います。


 逆に言えば『読んでくれる方は必ずいる!!』という強い意志があるからこそ、ストレスを描いて今回のシャッターシーンに繋がったと思います。これはここまでついてきてくれた人の特権です。山登りはキツいから高く登った時の景色が良い『羽恋らいおん』理論です。

宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

メールはコチラまで
BQE01233(あっとまーく)nifty.ne.jp