普通の範疇にある悪意          角光『ニコべん!』 - 豚か狼か

普通の範疇にある悪意          角光『ニコべん!』

角光『パンダのこ』『ニコべん!』
09 /25 2015
 普通という枠組みをしても『こういう悪意は普通にある』というのが厄介だ。


 フィクションに於ける悪意でそのタイプのヤツは胃に悪い。リアルとして実感するから。ただ、フィクションだからこそリアルにアプローチさせて想像力に訴える……という手法は割と好き。あんまりブッ飛んでいるとイメージしずらい。すなわちリアルとして感じられない分、感情移入しづらい。



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 さて、今週の『ニコべん!』です。角光先生の作品の特徴としては『世界をイメージさせる』というコト。現実との地続き感はチャンピオンでも屈指のもの。


 特に今回の『ニコべん!』の主人公・ノリくんの『こういう真面目が故に攻撃対象になるヤツいるよな』という説得力はある。そして『そういうヤツを狙って攻撃する悪意』もまたリアルに存在して、こともあろうに『彼らも普通の枠組み』の範疇なのだ。


 そう、『こういうヤツは普通に居る』というさじ加減が絶妙だ。今回、ノリくんの弁当をくすねた彼の具体的な動機は描かれてない。一応としては『最近、友人ができて楽しそうなのが生意気』というコトらしい。


 …居るんだよな。こういう『理解不能な普通枠』が。良く分からないがヒエラルキーの維持を気にして、他人が正当な理由で獲得してもそれが許せないヤツは存在する。そして、それが何故だか『自分は正しい』と根拠なく信じている。自分より下とみなした人間が楽しそうにしているのを許せずにいちいちチェックしているミミッチイ暇人は存在する。ここら辺の精神構造は理解不能ではあるが、同時に理解なんてしたくもねぇ…という感じ。



 だが、そんな彼等は『普通の範疇』なんですよね。これを書いてる自分も、これを読んでいる方も『いつソチラ側にまわるか分からない』というコト。


 これを読んだほとんどの方は『イヤだな』と思うはずです。そして、『これが普通であってたまるか』と思うでしょう。フィクションなどの作品にするコトによって見えてくるコトもある。ちょっと前の『囚人リク』でシュウロンを殺したいと思った。でも、人を殺すというのはこんなに酷いコトなんだと感じた……とリアルを知る訳ですが。


 しかし、まあ、思うのだけど、自覚がないだけで彼みたいな酷いコトも自分はやっているんじゃないかな?俺だけは過ちが無いなんて思い上がりだろうに。


 『普通にある悪意』というもの。『パンダのこ』の開始当初はヒロインのカワイサを前面に感じましたが、リアルと地続きなフィクションこそが角光先生の資質なのかもしれない。







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宇都宮 勇

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