コイツは危険人物だ!!     掛丸翔『少年ラケット』 - 豚か狼か

コイツは危険人物だ!!     掛丸翔『少年ラケット』

週刊少年チャンピオン
10 /04 2015

 もし、お金が困らないぐらいあったら……例えば宝くじに当たったらと話をする方を、多分アナタは一度は見たことがあるだろう。


 もちろんそれは個人の生き方であるのですが、とりあえず『脅威・恐怖・魅力は感じ無い』というコト。何かの間違いで大金を手にしたところで『たかが知れている』としか。


 人生に勝ち負けは無いと思うのですが、それより各々の『納得への深さ』が大事だと思います。そして、その突き進んでいく納得への深さが常に乾いているヤツ……これが最も恐ろしいヤツだ。



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 コイツはやべぇ……。


 これまでチラっとしか出なかった最上くん(以下カズ先生)がマンガ家を目指しているというのが発覚するのですが、そのヤバさ……コイツはマジでヤバい『領域』に突入している。チン毛も生えそろってないようなガキなのにッ!?


 おそらく読者のほとんどが彼の言っている『領域を理解できない』と思う。この『領域を理解』というのを簡単に言うと『昔分からなかった作品が今は分かる』という感じだ。それまでに思考を重ねたり・経験値が増えたコトによる熟成だ。


 マンガ家マンガというのは大好物でこれまでにイロイロ読みましたが、カズ先生は『最も恐ろしいヤツ』と感じる。マンガ家マンガで有名なのはやはり『バクマン。』であるが、俺は主人公二人に対して『器用』『賢い』『才能ある』とは思うし、それはとてもスゴイのでマンガの主人公に相応しいとは思うけど『恐ろしい』とは全く思わない。『修羅の門』で不破北斗が出た時に、スピードならアイツだしパワーならアイツ、技のキレならアイツのが優れている。だが恐ろしいのは不破北斗アイツだ……みたいなセリフがあったが、マンガもそれが当てはまる世界なんだよなあ……。


 現にカズ先生はようやく末尾の賞に引っかかった程度だ。少しカズ先生のが若いけど、バクマンコンビのがマンガ家としての能力そのものは遥かに高い。だが、それでもやはり『恐ろしい』のはカズ先生の方だ。


 目安をどこに置くかでそこら辺は変わると思う。


 これはもちろんワザとやっていると思うのですが『バクマン。』の目標点は一般的読者からすると分かりやすいサクセスであろう。それこそが『超一流』だと。


 が、自分のマンガに対する超一流というのは『そうじゃない』んですよ。前提として『マンガに魂を喰われてしまったヤツ』がそれ。そもそもマンガというのはくだらないもので、必死に向き合っちゃいけないものなんです。それなのにマンガにいつまでも執着してしまう。


 そういう意味でカズ先生が『1000回読む』というのは分かる。そして、これは領域の問題だ。普通の方は好きなマンガであっても10回も読めば『もういいよ』となる。カズ先生は『1000回読んでも乾きが癒えない』のだ。もし『10000回読みコトでさらなる領域が見える』と知ったならば彼はやるタイプだ。そして……これが『重要』なのだけど『必ず何かを拾って帰ってくる』というコト。領域というのは息を止めて潜るコトだと思う。潜った先で拾って帰ってくるコトだと思う。ただ、現実と違うのは『修練でどこまでも潜れる』というコト。カズ先生は『その若さですでにそれを知っている』というコト。そして、すでに代償として引き返せないのを知って、むしろそれを喜んでいるというコト。嬉々としてどこまでも続く深みに潜ろうとしているコト。これが恐ろしいヤツでなくて何だ?たいていの人間は目的を拾って帰れば納得しちゃうんですよね。



 来週、語る『超一流』の定義がすごく楽しみです。


 
 
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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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