やっぱり難しい         角光『ニコべん!』 - 豚か狼か

やっぱり難しい         角光『ニコべん!』

角光『パンダのこ』『ニコべん!』
11 /08 2015


 今まで数々のフィクションが挑んできたお題というのがあって、その最難関の一つが『いじめ問題』だと思う。


 先に結論から言ってしまえば『平和的に解決するアンサーは残念ながら存在しない』というトコロなんだと思う。それで、マイナスの方向に思いっきりふってカタルシスに繋げているのが偉大なチャンピオンの先輩『魔太郎がくる!!』だと思うんですよね。魔太郎がいじめられる→うらみ念法で復讐という流れで。ただ、魔太郎自身がついぞいじめの連鎖から抜け出すコトも無かったのも事実だったりする。


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 今回の『ニコべん!』はそのイジメ問題に対するアンサーですが、おそらくほとんどの読者が『納得していない』というのが正解なんじゃなかろうか?特に犬居がカッコつけてリーダー気取りなんかしやがってますが、『相応の代価の支払いがまだだよな』と思っちゃうでしょう。せめて『ごちそうさま』ぐらい言えよな……とかね。


 人間の心理としては『悪事には代価』というのが無いと納得できない部分があるんですよね。


 ただ、作品が描こうとしたところは『良い』と思います。『罰』という方向でなく『いじめる側を変える』という視点で。先に書いたように『魔太郎がくる!!』は『悪事には代価』という考え方であって、根本的な解決にはなってないので。


 犬居の心理変化に『納得するアンサー』を用意できれば、このエピソードはかなり良くなった。作品の方向性は間違ってなくて、ただ惜しかった…という感じ。そもそも、今まで何人ものマンガ家が挑んで『納得するアンサー』が用意できなかったから、実はかなり優秀な部類だと思います。ええ、酷いのになると『いつまでもいじめられている訳じゃないから頑張って耐えろ』なんてのもあります(最悪だ)。


 ただ、このマンガでこれからを『いじめ問題』に期待するならば、犬居自身が成長するという『いじめる側の意識改革』というのがあると良いと思います。今度は逆に犬居がいじめにあうというのでも良いと思います。そこで、ノリくんが助けるというエピソードなんかもアリですよね。角光先生の作品は『優しい』というのがあって、俺がいかにマンガの才能・テクニックがあったとしてもこういう『優しさ』は描けないないんですよ。それこそ、犬居がイジメにあって、全裸で四つんばいになって犬の真似させられるぐらいに振り切れるようなコト描けるメンタリティの持ち主なんで。


 そういう自分を諭すのができるのって角光先生の描く『優しさ』なんですよね。本来的には自分もこう在りたいし。


 ところで、今回『いいな…』と思ったのが上記の画像だ。自分も左利きだからピンとくるんですが、梅宮さんの座った位置が左利きしていていいですね。

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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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