今だからこそのマンガ 髙澤たま 『ジャージ女と法律男』
新着マンガマイコン……なんて呼ばれていたんだよ!!
今から30年前……これを大昔とするか最近とするかは人それぞれなんですが、一般人に向けてのコンピューターが発売されたのがその頃だ。今はパソコンなんていいますが、当時はなぜかマイコンと呼ばれていた。うろ覚えで申し訳ないんだけど、当時のテレビ宣伝で100万円とかしていたような。スズキのアルトが47万8千円の時代にである。
しかも、マイコンなどと言っても起動しても真っ暗な画面からカーソルが点灯しているだけだったりして、いきなりハードルが高い上に今から考えたら『何も出来ない』と同義の性能だった。もちろんネット接続など無い。一般的になるまで、そこから20年ぐらいかかる。
が、やはりコンピューターの進化速度は異常とも言える。今、こうして記事を読まれているのは日常の光景ではあるものの、10年近く前では考えられなかった。環境もそうなんだけど、いかにネットが優れた道具と言えども『一般的』でなければ意味を成さない。
そして、五年ぐらい前からマンガの環境もネットの発達によって大きく変化してきた。ざっくり言えば『発表できる』というコト。その作品がいかに優れたものであったとしても、たまたま審査員の受けが悪かったり、出版社に受け入れられなかった為に消えていった作品は絶対にあるはずだ。ネットという道具はマンガの可能性を広げるものだと思う。
……余談ではあるがスタンスとして『ネット万能』とは思ってません。良く効く薬物は同時に副作用も大きく、道具は最終的に使う人の品格が問われるものだと考えてます。
…というコトで今回はPixivで見つけました 髙澤たまさんの『ジャージ女と法律男』です。
まず自分が感じたコトとして『いかにも今時代のマンガだ』というコト。先に書いたように『ネット配信』というコト。また、法律から面白おかしく展開させていく……というあまり例を見ないオリジナリティが光る。
このマンガの『法律』という題材チョイスは秀逸だ。
おかしなもので『法律』というのは国民が守るべきルールなのに『ほとんど分かってない』というコト。これによって国が動いているのであるからしては、『一字一句覚えるように国が努めるモノ』という気がせんでも無いが、多分ほとんどのものがほとんどの内容を知らないだろう。『シートベルトは付ける』とか『自転車は左側』とか『人を殺しちゃいけない』とかそういうレベルの認知度が法律なんですよね。
が、実は雑学的な意味では法律というのはなかなか人気のあるカテゴリーだ。長寿マンガの『ミナミの帝王』も法律をいい感じのスパイスにしているし、『法律』雑学番組はなかなか人気があったりする。
このマンガもそれに倣った内容で、勉強としての法律マンガではなく、雑学の面白さとしての法律マンガなのだ。なんかラブコメに移行しそうだし……。
また、法律マンガだけに文章や会話シーンが必然的に多くなるのですが、これを『いかに楽しめて読みやすくするか?』という試行錯誤がかなり感じられる。特に主人公のオヤジのトンチキぶりは最高です。
それにしても、マイコンなんて言われていた時代から30年でこういうのが読める時代になったか……。個人的にはメチャ早いですね~。だけど、このスピードに食らいついていけるようなマンガ記事を書きたいと思います。
スポンサーサイト
コメント