疑問を持つ            神馬耶樹『マトイ・ナデシコ』 - 豚か狼か

疑問を持つ            神馬耶樹『マトイ・ナデシコ』

神馬耶樹『マトイ・ナデシコ』
01 /01 2016


 『機動戦士ガンダム』で主人公たちが命からがらジャブローに辿り着き、補給や今後の指示の為に滞留するコトになったが。途中で死んだ仲間リュウ・ホセイに対して軍からは『二階級特進』という書類上の処理だけであった。『二階級特進?二階級特進って……それだけですか?ボクたちが大変だった時に何もしてくれなくて、二階級特進ってそれだけですか?』と主人公・アムロはウッカリ言ってしまい、ブン殴られるはめになるのだが。その後の周囲の対応も含めてなんですが、当時は自分もそれに対して理解度が低かった。軍だけじゃない。戦争という異常事態に対して、周囲もおかしくなっている。


 疑問を持つ……というのは重要だ。疑問を感じなくなったら終わりだ。


 先日、某大ヒットアニメを一期&二期シリーズ通して観てみた。『なぜヒットしたのか知りたかった』というのが動機だ。確かに『面白かった』というのが正直な感想であるが、同時に『コレ、どうして納得してみんな観れるんだ?もちろんフィクションだからそういう約束事は分かる。ガルパンの戦車道だって突っ込みどころ満載だ。だが、ドラマの部分は全く納得できない。例えば……』と続けたトコロ、その作品のファンは『そういうものだから』と納得していた。その先を穿り返すのが都合が悪いように。多分、それに関しては俺の方が適合していないのだろう。ただ、ドラマが納得できないと楽しめないというのはイマドキじゃないね、とも思った。


 ああ、今のアニメ作品というのは『刹那的な楽しさ』が達成されればドラマを気にしないのか……と思った。だけど、同時に湧き上がる疑問……本当にそれでいいと思ってんの?


 とかく『正しい・間違っている』に二極化されやすい世の中ですが、俺はもっと感情まかせです。ハイ。そういうの嫌なんだけどという好き嫌いで物事決めます。


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 さて、今年の一発目は 神馬耶樹先生の『マトイ・ナデシコ』です。例によって『画楽の杜』にて公開中ですのでどうぞ。


 今回のエピソードは『部長・青木紫塚の団体戦への拒絶反応は過去に理由がありそうですが…?』というコトで、カエ先輩が語ります。


 さて、その前にカエ先輩だ。このカエ先輩のカラっとしたトコとか軽いノリとかありますが、四人の部員の中では最も大人というか精神的に熟成しております。常に周囲の雰囲気に気を配っていて、時として自ら道化を買って出るタイプ。こういう人というのは周囲が過小評価してしまうのですが、カエ先輩は『そういうのよりも実益を取る』という判断をしている。そういう思考を持っている時点で成熟している……と思っていいでしょう。


 以前も、纏の件で動きましたが、今回も先回りして『去年の部活動で何があったか?』を語ります。感覚的には『火災発生!!ボヤのうちに鎮火しないと』という感じで。そう、この人は面倒くさくなる前にサッサと率先して動いちゃうんですよね。ただ、それを手柄とせずにおどけた態度とるからあんまり評価されないんだけど、本人もそういうの嫌なんだろう。


 そういう意味では計算高すぎた……というのが今回のカギになっている。


 『賭博黙示録カイジ』(一番最初のシリーズですね)で利根川という男は『大人は自分の都合の悪いコトは言わない』という素晴らしすぎる人生訓を教えてくれますが(俺も知らないまま人生終えてる可能性も高かったし)、実際、カエ先輩も言わない。カエ先輩の目的は『ボヤのうち鎮火したい』というコトであり、納得させるために最小限の情報にしたかったから。


 が、こともあろうに志摩子の方が納得してくれなかった


 …というのが今回の『見どころ』です。カエ先輩もしたたかでおどけだ態度で『キャラが違う』とか購買部のパンの話に切り替えようとかしてましたが、この時の志摩子の『疑問を持つ』というのはとても大事なコトなんですよね。これに今回すごく共感した。


 実は今のマンガって、説明過多なトコロもあれば、逆に『これで読者が納得すると思ってんのか?なめんな!!』というのもあったりする。特にドラマに関しては『納得できない』というのが多い。今回の『マトイ・ナデシコ』で言うとカエ先輩の最初の説明だけで終わらせちゃうようなマンガもけっこうあるしなあ……。なんで、今回の志摩子に関しては何でこのコは俺と同じ疑問を違わずにカエ先輩にぶつけてくるかな?と思ったものです。


 少なくともマンガブログをやる、というコトは煙たがられていてもこういう感じに『疑問を持つ』というのは大事なコトであり、簡単に納得に至ってしまうのは『大人の思う壺』なんですよね。



 そして


 新キャラのアノ子はどうやら陸上部のようで、纏の『体幹の強さ』に疑問を持って、アクティブに調査をし始めるところに『あ、このコはバカキャラなんかもしんない』と微笑ましかったり。考えるより先に体が動いて、疑問を潰していくタイプは好きだなあ……。


 体幹というのか分からないのですが、自転車こぐようになってやたらドッシリしているヤツの感覚は分かった。片足立ちが『長く続けられる』ようになった。昔、『王貞治の一本足打法は力いっぱい押してもビクともしない』と聞いて『はて?』と思ったのだが、多分、あらゆるスポーツでのキモの部分なのだろう。


 『キックボクサーマモル』が高跳び選手からムエタイに転向したように、彼女も陸上から弓道に転向するのだろうか?マモルの必殺技がベリーロールソバットだっただけに、彼女も陸上競技から生まれた必殺技を披露するんだけど、真面目な部長に叱られそうですね。



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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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