いくぜ、百本組手!!⑧        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』 - 豚か狼か

いくぜ、百本組手!!⑧        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
03 /01 2016
 マンガに関して自分は『トビラ絵』をかなり気にする。そりゃ、もう、作品の顔ぐらいに。


 連載デビューする作品でドビラ絵が格好悪(ダサ)いだけで読む気失くすんだよなあ……。それにしてもチャンピオンだとバキなんですが、あれはもう様式美みたいな状態になっている。バキのエグいドアップだけで腹一杯って感じで。そもそもバキの出番そのものがあんまり無いんだけど。


 『解体屋ゲン』も必ずトビラ絵を付けてくるけど、これに法則性みたいのがあって分かりやすくていい。また、このトビラ絵を見たらおっしゃ、俺はこれから解体屋ゲン読むぜ!!という希なるから不思議である。






第81話・見えない爆破(前編)~ほのぼのと仕事をするゲンたちの前にジョージ富田が挑戦状を叩きつけた!!『少々難しい爆破解体だが、これをこなせないようでは俺のライバルとは言えないな!!』(まあ、ニュアンス的にはこんな感じ)根をつめて考えるゲンの為に慶子たちは気分転換に遊びに誘う。そこでゲンは閃く!!


『所感』~最近のゲンではあまり見なくなったフォーマットだ。これはもう『ビッグ錠先生のグルメバトルマンガ』が生み出した黄金のフォーマットで、もちろん俺は大好きだ。とりわけ『スーパー食いしん坊』がアタマ悪くて最高です。主人公の香介がなんかムカつくデブで最高です(誉めてます)。

 今回は特にビッグ指数が高めである。昔、こんなモノをコミティアでばら撒いていたのだけど、やはりビッグ錠先生は偉大でしかなかった。


第82話・見えない爆破(中編)~ゲンの発想は『立地から考えて防音ハウスで囲う』というものだった。が、ここから先をどうするか……ゲンたちはまたも頭を悩ますのであった。


『所感』~無理難題を前にしての解決方法なんですが『一気に解決する』というのはありえない。一個ずつ要素を潰していくしか無い。もちろんその過程に於いて新たな要素が出たりするけど、世の中の全てはそうなのだろう。いわゆる『絶対的完成』というのは無くて、『常に現在進行形』なのだ。これを描かれた頃と今とではおそらくアプローチも変わってくるだろう。


第83話・見えない爆破(後編)~あと少しの答えが見つからないゲンであったが、工期を考え、防音ハウスを見切り発車で組み立てていた。そこにジョージ富田が現われ、ゲンをさらに挑発する。ゲンは爆破解体を成功できるのか?


『所感』~トビラ絵のゲンが中二病アニメっぺえ行動をしていて何かほどばしるものがある。つーか、このシリーズはビッグ錠先生+中二病という要素のカタマリやないですか!!そりゃ、勇チャンの大好物回になる訳です。さらにはラストシーンがまるで『俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!!』エンドっぽくて、いつもよりテンション高めなのも良い(毎回やれないけど)。

 やっぱり、ジョージ富田はオイシイキャラしております。



第84話・楽しいお通夜~大工のジンさんが入浴中に突然死した。それを受け、ゲンとロクはお通夜に参加するのだが、だんだんケンカムードになってきて……?


『所感』~一時期『ゴルゴ13』にドハマリしてしまい(確か単行本120巻ぐらいまで買い続けていた)、毎度のストーリーに感心していた。ところでアナタはこんなコトを聞いたことありませんか?

 『ゴルゴは一度だけ笑ったことがある』(但し、初期の頃のエピソードはノーカンとする)

 …という噂を。確かにそれは『ある』んですが、その後ゴルゴが笑ったというのは聞かない。相変わらずセックスは騎乗位比率高めなのだろうか?


 で、このエピソードは『そういう回』です。以前、星野先生がツイッターでつぶやいていたが『解体屋ゲン』で唯一の死人というコト。これはレア回です!!


第85話・役員研修~三友建設の方から『役員研修をしてほしい』と依頼がくる。あまり気乗りのしないゲンであったが、案の定やってきた幹部たちは現場を知らない方々でゲンは苛立ちを募らせる。


『所感』~仕事などでは『イマイチ解ってない人』というのはマジ困る。能力は仕方ないな~と思うけど、意識の置き方がズレている人はどうにもやりづらい。例えば作中で『道が混んでいたのだから15分ぐらいの遅刻ぐらいいいじゃないか』という感じに意識を置いている方はマジでいる。それは『個人の15分』でなくて『全体の15分』というのを理解(理性で解する)できてないのだから。あと『だからとっとと終わらせるんだよ』というゲンのセリフなんですけど、これって若い頃の俺だったらまるで理解できず、ただ反発を感じるだけだったろう。人生は常に勉強しないとたちまち老化してしまう。自分は大きな視点の仕事をする立場では無いが、今回描かれていたコトはかなり日常的だ。


第86話・ああ、勘違い!?~慶子は考えるトコロがあった。『今の仕事は楽しいけど、このまま停滞していてはダメだ。ゲンさんとよく話し合わないと』と。そんな様子を勘違いした光はゲンに吹き込む。お互いの誤解は大きくなってしまい…?


『所感』~『解体屋ゲン』というマンガが単なる『ガテン系人情モノ』という枠におさまりきらないのは『現状で満足するな』という考え方が根底にある。これが描かれた時代から日本という国はさらに状況が悪くなっているのであるが、それを促しいてるのは『守りに入った思考停止』というのも要因のひとつだろう。

 『とりあえず自分たちにできることを探そう』というスタイルがこの作品では貫かれている。



第87話・海堡爆破(かいほうばくは)①~田舎から出てきた田中一郎は慶子に助けられる。直後フトしたキッカケで再会するも一郎は役人と討論している。ビジネスチャンスと考えた慶子は首を突っ込みますが……。


『所感』~この一連のエピソードもかなりお気に入りである。『怪奇大作戦』の『霧の童話』というエピソードがメチャ好きなんですが、偶然にも似たような話の構図になっていて、切り口の違いが面白い。もっとも『霧の童話』の場合は悲惨なオチなんだよな~。


第88話・海堡爆破(かいほうばくは)②~話に乗ってみたゲンであるが、従兄島の住人から集めた金額は600万円と心もとない。ひらめいた光は観光会社に勤める美子先輩を介してスポンサーになってもらうように動く。ゲンは『工事が記録された手帳』が頼りである。はたして爆破は成功するのか?



『所感』~このマンガの定番である『依頼は入ったけどお金になんない』出来事に対して『スポンサーを獲得しよう』という発想!!ここら辺はこれからのマンガ産業などもうまく向いて欲しい要素ではある。

 ただ、この美子先輩はもちろん慈善事業としてやっている訳で無い。これからの展開を読んで明らかになるが、火種の元でもある。先述の『霧の童話』であると『貧乏な土地に外資系自動車メーカーの工場誘致』という話があって、老人たちは反対をして、若者たちは賛成する。曰く『もう出稼ぎしなくて済む』『俺たちみんな長者様だ』と。ここら辺、どっちの側も言い分がある。同様に『リゾート開発』というのはそういうコトなんですよね。


 それにしても勇チャンはマンガブログをし続けていればスポンサーがたくさんついて、『マンガは日本が世界に誇る文化!!』『オタクはカッコイイ!!』等々の雑魚の寝言でも言ってる立場が欲しかったのだが……。




第89話・海堡爆破(かいほうばくは)③~荒波に揺られてようやく従兄島に上陸したゲンだち。早速、長老が現われて島の若者代表である田中一郎ともめ始める。ゲンは調査の為にダイビングをするも、海堡の形が見取り図と違い動揺する。


『所感』~宇都宮と言えば餃子の街は今は昔で。自転車ブームも手伝ってジャパンカップ開催地として(クルマで言うならF1みたいな)力を注いでいる。そういう訳で、自転車専用レーンができたりとか、テレビ番組・イベントが多々開催される『変化』が怒っている。それを快く思わない声もある。

 作中では自然を破壊したら本末転倒だし、だからと言って現状維持すれば衰退する未来が待っている。危ういバランスなんですよね。そして、こういう話が転がり込んでくると『お金の為に何をしても構わない』という変化が普通の人におこったりするので。



第90話・海堡爆破(かいほうばくは)④~島の住民たちは集まって議論をする。それぞれがそれぞれの意見を出してまとまらない。ゲンはゲンで海堡爆破のメドが立たない。が、手帳が袋とじ状に糊付けしているコトに気付き、そこから一気に解決の答えが出る。


『所感』~人は自分に都合の良いことしか言わない。

 そして、それは自分もそうであり、『せめて自覚はしろよ』という感じにストーリーが急展開するのが快感だ(ここら辺がこのエピソードがお気に入りの理由)。


 また確かに島の生活は大変であるが、そのコトが目を曇らせ『想像力を奪う』というのがある。『なんだかんだみんな大変なんだよ、だけどだいたいの人はそれに負けないように踏ん張っているんだよ』という当たり前すら忘れてしまうのだ。海堡を作った方々はその当たり前を忘れずに未来を見据えていたのだ。



第91話・海堡爆破(かいほうばくは)⑤~リゾート開発という思わぬ副産物が入り込んだために島民の気持ちはまとまらない。そんなコトを無視してゲンは爆破を敢行する。


 
『所感』~かなり長めで力の入った一連のエピソードの締めに相応しいクライマックスとカタルシス!!

 ところで美子の言う『暴力』なんですが、本当にミミッチイので嫌になってくる。最近はそういうミミッチイのが増えたなあ。なんつーか、もうちょっとスカッと生きた方が面白くね?とか思っちゃうんですよね。


第92話・トシの恋~小料理屋・こゆきに足しげく通うトシ。どうもそこのこゆきさんが目当てのようで。しかし、こゆきの理想の男性像を聞いて正反対であるトシはしょげてしまう。



『所感』~ガキの頃『サザエさん』でマスオや波平が会社帰りに一杯やっているのを観て『ああ、俺は将来こういうツマンナイ大人になるのかな』なんて思ってましたが今は違う。

 アイツ等、金持ってんなあ

 ……という感じで。そう、現実にはそういう大人がモテるんや!!トシや勇チャンみたいなクソオタがモテないのは運命なんや!!そんな気持ちで読んでいるとオチがギャグに思えて仕方ない!!


 やっぱり爆破はストレス発散にいいンだよ!!






 今回はここまで!!



 
 
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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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