拡散からの収束された言葉       村田真哉・隅田かずあさ『キリングバイツ』 - 豚か狼か

拡散からの収束された言葉       村田真哉・隅田かずあさ『キリングバイツ』

マンガレビュー
04 /20 2016


 テレビなどでたまに見かける職人とか達人とか名人とかで『その道のコツは何ですか?』みたいな質問があって、拍子抜けするぐらいに単純な言葉に戸惑ったりするものですが。例えば『ホームランを打つコツは?』『思い切りバットを振る』とかそんな類の答えに。


 自分はよく『何を言ったかでなく、誰が言ったかが大事だ』と書いているのはそういうコトです。


 だって、俺が『思い切りバットを振る』なんて言っても説得力無いじゃん。


 このシンプルな答えに辿り着くのに『過程』というのが必ずある。最初は枝葉の分かれてない状態から始まり、拡散され、そして収束されたからこその『重み』なんです。故に自分は『過程を抜きに結果だけ欲しがるのは本質では無い』と思っているところです。



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 さて、今回は先日五巻の発売されました『キリングバイツ』ですが。


 『殺すしかない』   アラクニド

 『逃げはしても後退はしない』  キャタピラー


 …と村田真哉先生の作品には『シンプルなキメセリフ』がある。そして『キリングバイツ』という作品に於いては


 『牙の鋭い方が勝つ』


 というのは読者の認めるところだろう。実にシンプルである。


 ……が、当然このセリフにしても俺が言ったところで説得力が無い。俺にはその『過程』が無いから。これはもう村田先生の作品の特徴でもあるんですが、作品は極力シンプルに娯楽性高くしている。俺、冗談でもなんでもなく『いつの時代の若者が欲しがるものはセックス&バイオレンス!!』と思っていて、つまりはマンガというのはそういうものだと思っています。なので村田先生の作品群は『クックック……』と薄ら笑い浮かべながら読んでますよ。『これぞマンガだ』って。


 が、そこに品格が無いとダメなんだよね、マンガってのは。


 品格ってのは『裏付ける説得力』ってヤツだ。持ってない作品がそういうのやっちゃいけないんですよ。


 してみると『キリングバイツ』という作品では『牙が鋭い方が勝つ』というのがまさにそれにあたる訳で、シンプルながらに『拡散から収束』された言葉であり、今も『さらなる収束』に対しての挑みの最中なのだ。


 だから面白い。


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宇都宮 勇

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