第二回・百本組手!!⑤        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』 - 豚か狼か

第二回・百本組手!!⑤        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
06 /08 2016

 電子書籍云々の話は議論されているのだけど、フト思うと『スタイルや規格が決まってない』というのはある。


 そもそもに数年前まではガラケーで読むのが普通だったり、スマホの普及によって『パソコンを持たない若者が増えた』とかめまぐるしく変化している。電子書籍もあらゆるトコロが参戦していて、今のトコロはキンドルが優勢みたいなんだけど、まだまだ分からない。


 ただ、いずれそういうのは集約してくると思います。そこからが電子書籍というのはスタートラインに経つのかも知れませんね。






 無料アプリはコチラへ→ 『解体屋ゲン』
 





第132話・サバイバル①~今回の爆破解体は辺境の地で行われるので下準備が重要になる。慶子は怪我が残っているので行けない。そこで、光に代役が振られる。一方、富永はゲンに対しての妨害工作をしていた。


『所感』~この回で語られる『仕事への心構え』なんですが、すいません。俺もテキトーだったりします。ただ、くだけた考え方をするならば『好きなコトぐらいは一生懸命に熱中してもいいんじゃない?』というのは分かる。ここら辺は訓練みたいなもので受け身でやっているとどんどん狭まっていくんですよね。



 第133話・サバイバル②~富永の妨害工作により、現場入りが早まる。ゲンたちは仕度に奔走する。一方、富永は慶子との思い出のフレンチレストランとか妄想してたり。


 ロクさんと有華がついてくる。


『所感』~予定が早まった時のバタバタ感というのはツライ。マジでツライ。まして、現場仕事には工期というのがあるから大変だ。


 そして、この回は曽我さんが相変わらずのカッコ良さを披露してくれる。作品中のちょっとしたワンシーンではありますが、理想の仕事のパートーナーですよね。ここ最近の仕事の決まりというのは『契約書』でありますが、スムーズに流れるならばこういう意味でのナアナアのが本当は良い。それにはまず『信頼関係』というのが前提であり、『契約書』というのは『信頼関係など無い』という意味でもあるのだから。



第134話・サバイバル③~悪天候の中、ようやく中継地点に着いたものの、ダイナマイトの受け取りが絡む為に再び乗船するゲンたち。物資の無い中で一晩を明かすものの、翌朝にきたタグボートはゲンたちのトコロまで辿り着けず引き返してしまう。サバイバル生活スタート!!


『所感』~さいとうたかを先生と言えば『ゴルゴ13』だが、『サバイバル』も控えめに言って歴史的名作と断言せざるえない。よくある質問で『無人島に持っていくものは?』というのがあるが、『サバイバル』の一択以外にありえない。一択にさせてしまった。そのぐらいありがたーいマンガなのだ。


 しかし、サバイバル知識のマンガというのはこれからの時代の売(バイ)になるんじゃないでしょうか?



 第135話・サバイバル⑤~天気が回復し、仕事をこなしつつサバイバルしなきゃならなくなったゲンさんたち一行!!その頃、富永は慶子と思い出のフレンチレストランに行っていた。


『所感』~富永のクズっぷりが清清しくすらある回だったり。食べ物を無駄にしない……というあたりに慶子の人間性がうかがえます。対して富永は物事に対して感情的なんですよね。あと、失敗を知らな過ぎた。失敗を認知しないでここまできてしまったという意味も含めて。

 さて『サバイバル』ではオサム少年はイノシシと戦ってましたが、こちらはシャークです!!やはりハードルを上げてきた!!こちらに関しても『ジョーズ』といい大先輩があるので、ダイナマイトをどう使うのかに関心が高まるのは仕方ないコトです。 



 第136話・サバイバル⑤~サメをなんとかしないからには魚が獲れない!!ゲンは禁じ手の爆破漁を行う。


『所感』~過去に富田との爆破対決の時に水を使ったが、今度は漁に使われるという。昔の児童書などには『岩に大きめの石をぶつけると魚がとれるぞ!!』と平気で書かれていた時代がありましたが、これをさらにスケールアップさせて『解体屋ゲン』ならではのアンサーと言えましょう。

 
 最後にワビを入れる富永で、『あれ?ひょっとしてイイ奴なのかも?』などとだまされたり。腐ったミカンが元に戻るコトは無いのです。



第137話・リフォーム詐欺(前編)~有華の知り合いの蒲田ばあさんがリフォーム詐欺にあっている!!怒れゲンさん!!


『所感』~人にはそれぞれの役割があると思うのですが、世の中の大部分である普通の人が『本当に怒りを向けなきゃならないのはこういうコト』なんだと思います。リアルにおいて、世界征服をたくらむ悪人に出くわすコトなどない(あるとしたらソイツはキチガイだろう)。が、こういう悪人たちはそこらじゅうに居て、残念ながら居なくならない。だからこそ、みんなで怒りを向けなきゃいけないと感じます。


 これが描かれた数年後に『オレオレ詐欺』というのが一般認知されるのですが、弱い者を食い物にするのは『悪』なんです。断言して『悪』なんです。ジョジョの承太郎も言っていましたが。 



 第138話・リフォーム詐欺(後編)ゲン、連載始まって以来、最も激怒する!!!!!


『所感』~自分のスタンスを明確にしておくと『こういうのは殺人事件だ』と感じてます。命を奪ったから殺人……というコトではありません。そして、そういう視点で見ると、残念ながら『そこらじゅうで殺人事件は起きている』と思ってます。


 さて、クライマックスシーンなんですが、二つの注目ポイントが。ここまでゲンが怒りを沸騰させたのは過去に無い。怒っていてもなんだかんだ理性的に解決しているのだ。が、今回に限っては『単純な恐怖』で相手を屈服させている。もう一つは脅迫に使ったダイナマイトだ。


 よくある展開だと『不発のものを使う』のだが、これに関しては導火線を抜いてしまったので『さてどっちだ?』というコトになる。自分は『本物を使った』と信じてます。



 第139話・作業環境~久々に出会ったゴンはアスベストの危険性がある建物をミンチ解体するつもりでいた。作業員がガンになったら大変である。仕方なくゲンはその作業をすることにした。


『所感』~たまにニュースで聞く『アスベスト』であるが、実際にどんな危険性があって、どのように処理するか普通の人は知らない。『解体屋ゲン』ではイイ感じにこういうエピソードを盛り込んでくれるのもあって、ここら辺があるから今も続く長寿連載になったのだろう。


 第140話・タイムカプセル(前編)~吉岡がゲンに懇願したコトは『校長を交えた同窓会する為に校舎を期限ギリギリまで壊さないでほしい』というものであった。それは『終わり次第に急いで解体』という意味でもあるのだ。聞けば、意欲を失った校長の為には校舎が絶対に必要だと言うのだが…。


『所感』~『解体屋ゲン』というタイトルに相応しいエピソードです。ビッグ錠の料理バトルマンガよろしく『できねぇよ!!』と『できる!!』の売り言葉に買い言葉展開からの不可能突破!!そこにドラマもキチッと盛り込んであって、これぞ『解体屋ゲン』なのです。


 第141話・タイムカプセル(後編)~解体のメドは立ったものの、肝心のタイムカプセルが見つからない!!


『所感』~あらゆる要素がカチッと機能して、ドラマをまとめる……割と定番エピソードとも言えますが、マンガのテクニックの深さというのは実はこういうトコロにあるんじゃないかと思います。マンガに限らず、ここ最近は『悪目立ちしたもの勝ち』というのはありますが、作劇テクニックの深さというのもまた注目いただけたらいいな~。




 第142話・本物?偽者?~富永が再び悪巧みをしている!!彼は思いつく『そうか、まずはゲンの周囲の人間から引き離してやれ』と。早速、光に甘言交えての引き抜き案を提示し揺さぶりをかける。光は有華に相談するが……?


『所感』~有華の言っていることはかなり的確なんですが、これって『ついでにゲンさんの本質も確かめたい』という算段もあったはず。怖えぇよ、この女!!


 そして、富永があまりにもミミッチイので、ここら辺から妙に気に入りだしてしまった。引き抜き言いながら『実はバイト』というのはバカげた話ですが、現実にこういうケースもままあるのよ…。




 第143話・談合の果てに(前編)~大きなプロジェクトが動いている。


 そして、富永は先日の光るから受けた屈辱からいよいよ躍起になったり、鶴見くんはさらに慶子にアプローチをかけたり、ヒデはゲンさんを熱くけしかけていたりした。



『所感』~初代『ウルトラマン』の名物監督と言えば実相寺昭雄氏であり、自分もそのアクロバティックなカメラワークにずいぶんとシビれたものですが、ある時に他の監督さんがポツリと『飯島敏宏のが巧い』と言って、どういう意味だか分からなかった。実相寺監督のスゴイは分かりやすいんですが、飯島敏宏監督のスゴイは当たり前であるコトを錯覚させるコトにある。ちなみにどちらの優劣でなくて長所の違いだ。


 飯島監督の作品は『様々な要素を詰め込みながら全く圧縮感を感じ無い』というのがスゴイと最近になってようやく理解した。ウルトラ怪獣で最もメジャーなのは『侵略者を撃て』のバルタン星人だと思うのですが、飯島監督だからできたとしか思えない。


 前置きが長くなったけど、この回はとにかくあらゆる要素が詰まっているのにも関わらず、全くストレスを感じ無い。そして、そのスゴさをスゴイと読み手に感じさせないからスゴイんです。自分のマンガブログはどうにも『スムーズに読ませる』とか『無駄が無い』とか『分かりやすい』を評価しちゃうトコロがあるんですが、ここ最近の新人さんってここら辺がかなりメタメタな気がするんですよ……。こういうテクニックをもっと意識してほしいです。



   第144話・談合の果てに(中編)~慶子に認めてもらいたい一心で仕事に聖を出す鶴見は談合の誘いをキッパリと断る。富永は安藤に『だから通用しないか!!』と叫ぶも、安藤は『じゃあ、痛い目みてもらいましょう』とそれを実行に移す……!!


『所感』~安藤を見た時の第一印象は『なんか魔太郎みてぇのが出てきた』でしたが、実はナックル星人だったという…。ちなみにこのナックル星人とは『帰ってきたウルトラマン』(またかよ)に登場した、ボクら世代のトラウマだったりする。


 20160348.jpg


 妹がさらわれる!!ピンチ!!


 20160349.jpg


 待て!!


 20160350.jpg


 ギュオン!!


 20160351.jpg


 あ゛ーーーッ!!


 20160352.jpg



 降ってます……。


 いや、まさか『解体屋ゲン』でトラウマを突かれるとは思わなかったYO!!


 第145話・談合の果てに(後編)~幸いにして鶴見の命に別状は無かったが、それでも重症を負ったことには変わりなく、リタイアを余儀なくされてしまう。鶴見はゲンにたくし何としても談合を中止させようとする。


『所感』~鶴見くんってカッコいいな~と思わずにはいられない。


 それにしても、この回のゲンの主張は『なぜ談合はいけないか?』を実に分かりやすく、そして希望を感じさせるようになっている。こういう主張を『でも、理想論だよ』と片付ける方もいると思いますが、そういうツマラナイ人にはなりたくないもんだ。







 今回はここまで!!



 

 
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

メールはコチラまで
BQE01233(あっとまーく)nifty.ne.jp