これは秀逸            増田海『FALL OUT』 - 豚か狼か

これは秀逸            増田海『FALL OUT』

週刊少年チャンピオン
07 /10 2016



 『人間に与えられた唯一の平等は自由に人を値踏みしてよい』


 …という考え方が自分にあって、マンガブログもそれに倣ったもので書いてます。逆に言えば誰であろうと『けっ、コイツはエラそうにマンガについて書いているけど何にも分かっちゃいない』と値踏みするのもアリです。まあ、その意見をどうとるかも俺の自由というコトでお互い様なんですが。


 で、マンガというのは『誰にも分からない』というのがあって、『だからこそ題材にして楽しい』というのもある。判断基準というのはイロイロだけど、とどのつまりは勘しかない。勘でマンガを書いてます。いやはや。




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 で、そのマンガ勘が『警戒しろ!!』とサイレン鳴らしているのが今回のチャンピオン掲載の 増田海先生の『FALL OUT』だ。


 ハッキリ書いてしまうと、やはり新人ならではの荒さがあって洗練というのには程遠い。そういう意味ではいつものチャンピオン新人なのであるが、『…いや、違う。これは秀逸だ』と響いている。本能的にね、素通りできない何かを感じるんですよ。



 先ほど『値踏み自由』と書いたけど、値踏みは誰でもできるけど、難しいというのがある。絶対的に正しいコトなんか誰にも分からないんだから。現段階で言えばこれまでのチャンピオン新人だし、ゲーム的パラメーターで評価するならば、いささか落ちるとも感じる。


 が、この人、間違いなく伸びるな



 …という勘がヒリヒリ働いているのよ。理性より感情がね期待している。これからどんな作品を描くか分からないし、それが外れる可能性もあるけど楽しみで仕方ない。



 気になる点を上げると


①ページ数が多い~なぜだかチャンピオン新人はページ数多い傾向にあって、いつも『もっと減らせる』と書いてますが、この作品も漏れずに。ただ、46ページはそれなりに集中して読めるのはなかなか。ただ、それなりじゃ困る。ガッチリ集中という意味で30前後に収められれば、もっとこの作品は面白くなる。


②ネームがこなれてない~ここら辺は経験値だと思うけど、ネームが読みやすくなれば……。セリフも多めかな。もっと削れる。削った部分でインパクトあるセリフやユーモア入れると格段に面白くなりそう。ただ、そういう意味では『お前には才能がない』というセリフを有効に使っていて、増田先生自身は本能的に分かっているような気がする。


③絵がキャッチーでは無い~キャラの作画がシーンによって安定してない。こういうミステリーものであれば登場人物が限られてくるので目立たないが、例えばサッカーマンガとかにしたら『コイツ誰?』になりかねない。マンガらしくハッタリを効かせたキャラデザインにして良いと思います。チャンピオン先輩作品で言うと芹沢直樹先生とか平川哲弘先生みたいに実写系進化をメリメリ遂げそうなセンスは感じるんですよね。なんつーか、絵がメチャ旨くなる資質を感じてます。


 ただ、それらを補って余りある『楽しさ』はこの作品にはある。


 特にラストのコマでの『続編描いてよ』感はハンパ無い。マンガというのはこの1コマでガラッと印象変えたりできるのも面白いんですが、同時に『マンガの恐ろしさ』を知っている作者なのだろう。マンガ家ってマンガの恐ろしさを感じてないヤツはうまくいかないと自分は思っているので。






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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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