パワーバランスとテクニック          掛丸翔『少年ラケット』 - 豚か狼か

パワーバランスとテクニック          掛丸翔『少年ラケット』

週刊少年チャンピオン
08 /08 2016


 バトルにしても試合にしても戦いのあるマンガというのは『次に出るのは今より強いヤツ』という呪縛がある。


 今より弱いヤツに買ってもカタルシスを得られないからだ。が、これがマンガを続けていく上で悩みにもなっているのだ。


 いくら『前のヤツより強い』と描いても読者が納得してくれないからにはどうにもならない。歴史的名作『ドラゴンボール』も途中から戦闘力という数値化を導入してこれが人気を博した。が、5から始まった戦闘力は瞬く間にインフレを起こして、最終的には100万とかそういう世界になってしまい、結果無くなった。そうこ、の場合は歴史的名作であっても『強さを魅せる』のは苦心するというコトなのだ。


 自分は『テクニックで魅せる』という方式だとヒイキしたくなりますね。




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 さて、今回の『少年ラケット』は読者が分かりやすいという意味でテクニック炸裂回です!!マンガ家志望の方はメッチャ注目の回ですよ!!(まあ、俺はマンガ家でもなんでもねーけど)



 まず、『有馬の不正にいち早く気付いている』という点で『コイツ、できる!!』と直感的に印象付けている。コレ、マンガでは本当に難しいテクニックなんですよ。いかに自然に実力者として印象づけるか…というコト。そして、イコール『選手としては有馬より上であろう』とも印象づけさせる。そもそもに有馬は紫王館の中では埋没しているが、そこらの学校ではラクラクのエースクラスなんです。


 ヨルゲン>和久津>有馬


 …という図式はイメージしやすい。


 そして、その実力を感じさせた上で『和久津のキャラクター』を楽しませている。ビリーもそうですが、主人公と対戦するようなライバルはやはり好感度はあった方が良い。



 が、さらに見逃しちゃならないのが『有馬の不正というスポーツのネガティブなドラマ』と『新キャラ』というイベントを同時進行させているコト。結果、スピーディに印象深く読者に認知されているというコト。何気に面白いマンガとそうでないマンガの差というのは『ここら辺』というのは必ずある。思うにマンガというのは『普通にマンガ楽しんでいる層に好まれる』というのが覇道だ。少なくとも俺は『その難解さがマニアには堪らない』なんて微塵も理解したくねぇし。



 マンガの分かりやすいって『子供だまし』とか『チープ』とか『低レベル』と捉える方は居ますが、自分にとっては逆なんですよ。



 
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宇都宮 勇

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