不謹慎を楽しむ          藤見泰高・REDICE『巨蟲列島』 - 豚か狼か

不謹慎を楽しむ          藤見泰高・REDICE『巨蟲列島』

マンガレビュー
09 /20 2016



 空気が読めないというか、その場に合わせられないという困ったガキでして、団体行動においては反感を買いやすかった。みんなが真剣に行動しているのに『なんか異様なコトだな~』と思うと妙におかしくなって笑ってしまったりする。いや、それはダメなのはアタマで解っているのだが、どうにも俺はそういう空気がダメである。



 で、そんな俺に必要なものはマンガである。


 マンガというのは如何様に楽しんでも文句が出ないのがいい。例え作者が『ここでこう感じてください』という意図を持って作品に叩きつけても従わなくていいのがマンガなのだ。だからマンガは良い。




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 『巨蟲列島』はそんな自由さがある。



 このマンガを分類するならば『パニックホラー』ということになると思うのですが、とにかく人がバカスカ死ぬ。ちょっと笑っちゃうような死に方から、こんな死に方したくねぇな…という感じでどこかユーモア(愛嬌)があって笑ってしまう。だけど、それでいいのがこのマンガだ。


 で、三巻まで読んで感じるのがムカつくキャラは意外にしぶといというのがあって、ここら辺も面白い。このマンガは虫が巨大化して襲ってくるのに対して、虫知識豊富な睦美が対処する。虫というのはとにかく習性に忠実であるので、それを知っているアドバンテージはデカい。


 にも関わらず『なぜ納得してくれない?』というキャラ同士の不協和音が現実社会に生きる我々のリアリティを刺激する。


 結果、真面目に協力している人たちがとばっちりで死ぬというのが『何か笑っちまう』というのが、この作品の面白さだ。ゴメン、現実にコレは『やっちゃいけない』のだけどマンガだからいいのだ。



 で、最近思ったのですがホラーマンガとかって、とにかく『恐怖』を描けばいい…と思われがちですが、実のトコロの要は『不謹慎だけどなんか笑っちまう』という要素なくして成立しない気がしてきた。人間というのは社会に属さないと生きていけない生き物ですが、これがカッチリと適合するかどうかは生まれながらの資質だ。できないヤツは『自分を抑制』しなきゃいけない。だけど、それってスゴいストレスなんですよね。



 そういう意味で、この『巨蟲列島』は今後もバカスカ不謹慎に死にまくって、不謹慎に楽しませてくれそうな作品である。






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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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