第三回・百本組手!!⑦        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』 - 豚か狼か

第三回・百本組手!!⑦        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
11 /15 2016


 『解体屋ゲン』で見逃せないのが絵だ。


 食い物が旨そうなのは以前書きましたが、やはり建造物・メカがキチンと描かれているのが嬉しい。マンガなんかでバイクが出てきていきなりへなちょこになったりしてガッカリするのもある。おそらく描き手が関心無いというのが大きいのだろう。


 ここら辺、最近のマンガ家は弱い部分なのかもしんない。ロボットもののタイアップ企画があっても、その出版社にメカが描ける方がいないのでどうしよう…みたいな話も聞いたコトがある。


 メカ!!破壊!!爆発!!


 やはり、男の子にはコレが必要だ!!

 







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第275話・職人技の継承~工業ロボットの研究として、吉住はデータ収集されるが、ロボットの試し動作は散々たるものであった。後日、その吉住は突然亡くなり…。


『所感』~このロボット工学のエピソードは星野先生もお気に入りらしく、その後もイロイロと発展して『解体屋ゲン』ワールドをより幅広くしている。

 以前、ネットで『死んだ父親のレースゲームのデータを発見した息子が父親を抜こうと努力する』なんて話を聞きましたが、今後はこのような形で人の記録って残っていくのだろう。



第276話・新たな道を探して(前編)~先の乗っ取りの件でゲンたちの経済事情は苦しくなっていた。そんな折、やはりペドロ国際集団の手によって会社を失ったジョージ富田が新事業立ち上げをゲンたちの前で宣言する。ジョージ富田の新事業とは何か?


『所感』~東日本大震災の折、売り上げが下がったので『一時的に給与減とする』という処置を過去に居た会社はとったのだけど『それは口実だよな』と思ったし、実際そうだった。ここから頭に乗った会社は徹底的にケチってしまい結果会社が無くなった。

 なので『苦しいからってサビ残や人員削減はダメだ!!』というゲンの言葉は頼もしいとも言えますが、経営的にみても間違ってないと思います。経営学は分かりませんが、結局は人情なんだと思います。それは感情論でなく理性的に見ても。



第277話・新たな道を探して(中編)~ジョージ富田の新事業はリフォームであった。さらにいずれ廉価で優れた住宅を販売してみせると意気込みを語る。それに触発され疑問を感じたゲンは自分探しの旅に出かける。


『所感』~ジョージ富田がキッカケで旅立ってしまったのは過去にもあったなあ……。


 さておいて。


 日本においては『自慢話はみっともない』というのがあって(世界的にみてもそうなのか?)、実際スゲーことやったら自慢したくなるのが人間です。承認欲求はモチベーションに変換されるんだから。ジョージ富田はゲンに自慢するけど、自分は『良い関係だな』と思ってます。というのも①キチンと話を聞いてくれる②それを理解できる③そのレベルに在る人が④自分のすごさを認めてくれるというコトで、やたらジョージはゲンに自慢する。たまにゲンが逆をやる。そういう人間関係って『まず無い』んですよね。レベルが高くなる程に。


 良い意味での自慢合戦というのも在るんじゃないでしょうか?



第278話・新たな道を探して(後編)~ゲンは山中で発見した!!自分の今後の道筋を!!早速、ジョージ富田と内田女史にコンタクトをとる。


『所感』~田舎育ちのせいか、都心部が苦手だ。高い建物ばかりで空を遮っているのが途方もなくストレスを感じるみたいで。


 この緑化事業というのはなかなか浸透しづらい側面もあるけど、快適性やらコストとか考えるとやはり合理的だし、自分としてはストレスを軽減するように感じます。



第279話・それぞれの熱意(前編)~ゲンの考案した緑化事業は反響が大きく手応えがあった。そんな折、内田女史から依頼が入る。無理難題であるが、秀美がオッケーを出してしまう。ゲンは解決策を思案する……。


『所感』~いつも書いてますが、自分は秀美の得意気な顔とか行動的な顔とか大好きです。その分、ドジっコでもあるから。割と内田女史もそれっぽいトコロありますよね(あと、チョロイところとか)。


 
第280話・それぞれの熱意(中編)~緑化事業は順調であった。

 ゲンは旧知のゴッさんを訪ねるが、経済的に困窮しているのを見て逡巡する。しかし、そのゴッさんの困窮の原因の一端はゲン自身にもあった。ゲンは怒り、薄給で雇っているジョージ富田を問い詰める!!


『所感』~週漫では『マネーフットボール』でおなじみの能田達規先生の『がらくた屋まん太』のラスト近辺では『いつの間にか知らないところでポリシーに反する仕事をしてしまった』というのが描かれていて、これまでの明るいテイストから一気にズドンとクるんですが、これもまた現実なんだよね……。


 知らず知らずのそれは果たして罪になるのか?そこまで抱え込まなくていいんじゃないか?だけど……という感情。全く、社会人というのは難儀だ。



第281話・それぞれの熱意(後編)ゲン、久々にハンマーを持って暴れる!!




『所感』~亜九田産業!!!!!


 その分かりやすすぎるネーミングセンスが最高です(マジで書いてます)。


 しかし、これが描かれた頃よりも日本は状況が悪くなったコトをヒシヒシと感じる。格差社会は今後ますます酷くなるであろう予感を皆が抱えている。今回のゲンのしたコトを悪く言えば『脅迫』なのですが、実際『俺たちにはこれしかないのかもしれない』というならばウンザリする。ここら辺は今後の『解体屋ゲン』で様々なアンサーが出される。『400mの主張』もそんなアンサーの一つだ。考え続けるコト…これは作中でのテーマとも感じる。



第282話・大地震の備え(前編)~このところ地震が多い。ゲンたちは対策を考えるが、どれも今一つピンとこない。ロクさんのツテで金属加工に秀でた小林を訪ねるが、小林は廃業予定であった。


『所感』~これが描かれたのが東日本大震災前……というのが預言書めいている。先見の明があるというのがこの作品の魅力ですが、このエピソードは寒気するする。今年だけでも熊本・鳥取で大震災があり、いずれの南海トラフは俄然現実味を帯びてきた。


 と同時に、任意保険すら入れないという小林にも今の日本の歪みが描かれている。何が歪んでいるって『立派な能力を持っている人が評価されずに貧困になっている』ということ。これが歪みでなくて何か?



第283話・大地震への備え(中編)~ゲンは小林ジュニアに喝を入れ、耐震テーブルを提案する。『こんなの無理だ』と思ったジュニアは父の頑張りを見て考えを改め、同時にヒントを得る。


 さて、開発した耐震テーブルの出来は…?



『所感』~いわゆるブラック企業的なキツさは『あってはならない』というのが前提なんですが、何もかもが『それはできない』とか『それは無理』というのも考えもので、何かを得るには『やはり無理難題をクリアしないと始まらない』というのも本当のコトなんですよね。


 だから『達成感』とか『充実感』というの仕事に必要で、ここら辺はゲンさんは明確にビジョンを見せるのが巧いんですよね。



第284話・大地震への備え(後編)~耐震テーブルの売れ行きは好調で、抜け目ない内田女史はさらなるビジネスチャンスに繋げることにゲンは感心する。


 耐震テーブルはできたが、『その後の対策と備え』をゲンたちは議論する。



『所感』~今回だけをまとめて学校教材として配布しても良いぐらいに練り込まれている。これが東日本大震災前というのだから驚くべきことだろう。


 何気にペットボトル水を猫除けのように配置する…というのは素晴らしいアイディアですね~。



第285話・もう一人の解体屋~最近のゲンは現場に出ない!!そんなゲンにイライラを隠せないトシであった。


 トシ、謀反を起こす!!
 


『所感』~すごいシンプルな話ですよね。言わんとしているコトはタイマンはったらダチ!!という。この暴れたらスッキリする……というのはバカバカしいと思われがちですが、案外真理という気もする。

 
 これまでスポーツというのをやってこなかったけど、自転車やるようになってそのストレス発散効果はビックリする。健康というのは肉体的なコトを重視されますが、精神的な部分も充実して初めてそう呼べるものだと感じます。








 今回はここまで!!残り15話(百足風に)



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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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