第三回・百本組手!!⑧        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』 - 豚か狼か

第三回・百本組手!!⑧        星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』

週刊漫画TIMES
11 /23 2016

 『解体屋ゲン』という作品は700話を超す作品だというのに、単行本が無いというのが最大のネックになっているのはコチラを読まれている方も共感すると思います。


 さりとて、ここから単行本を出すにしても一巻十話で70巻ぐらいになる作品というのも大変だ。ガキの頃は『釣キチ三平・全65巻』は絶対揃えられない…と思ったものです。


 が、時代の変化で『スマホの配信』というのが可能になり、まして無料というのが嬉しい。



 で、ここからが自分としての『書きたいコト』」なんですが、『解体屋ゲン』に限らず面白いと思ったマンガは『発言して』くださいというコト。そう、昔と違って誰でもネットに配信できる時代でもあるんです。発言することは絶対に無意味じゃないというのを痛感する。単行本などを買うことによって、マンガ家さんの収入に貢献するのもファンとしての在り方ですが、もちろんこれだけじゃない。


 マンガ家さんは『描いたことの感想を欲している』というコト。よくマンガ家マンガにある『段ボール箱いっぱいのファンレター』というのはありえへん世界というのが現実で、結構売れているマンガ家さんでも感想が来ないのが現状なんです。別に『見ろ!』と押し付けるもんでもないんですが、作品が面白かったら『面白かった』と一言発信していただければ幸いです。重ねて、それは決して無意味じゃないんです。







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第286話・新旧の職人(前編)~ロクさんから紹介された白井金具堂のせがれの実は職人美学にこだわり経営難になりつつあった。ゲンは正反対の職人・表具店の村山を紹介するが、頑固な実からは反感を買ってしまう。


『所感』~意識高い系職人!!


 …と言っても、これは何も珍しいことじゃない。そこかしこにある話だ。例えばラーメン屋とかそうだよな。私語厳禁とか注意書きがウルサイとか。作り手にとっては命がけのものであっても、客にとっては代わりはいくらでもある『たかがラーメン』なんです。そして、たかがラーメンという位置づけが大事なんですよ。


 こういうのって、ステップでもあるかな~。俺の場合だと、ガキの頃は画面にウルトラマン映ってりゃ満足で、生意気な年頃になってくると『Q・マン・セブン以外はクソ』とか思っちゃって、でもイロイロ経験して『今のシリーズもいいんじゃない?俺は帰ってきたが好みだけど』みたいな。



第287話・新旧の職人(後編)~浮ついた村山の仕事に対して反発した実であったが、ゲンの話を聞き誤りを認める。聞く耳をもった実は村山の丁寧な仕事に感銘を受け、心を入れ替え新しい分野にチャレンジするのだ。


『所感』~これは自分の中でのハードルでもあるんですが、やっぱりいいオッサンだから『古いものに固執する』というのになんとか抗いたいです。新しいものに対して柔軟になりたいと。流行りに乗りつつ流されないようになりたいと。


 だからボクは今日も『艦これ』をしている。


第288話・デマ(前編)~ジョージ富田のサンシェルターホームの評判が悪い。いったいどうしたことか?実はサンシェルターを恐れた競合他社がフリーライターを使って陥れようとしているのであった。そんな折、ゲンは仕組んだ罠にかかってしまう…!!


『所感』~本来はそれこそ『解体屋ゲン』の作中で描かれるような利用方法として誕生したのがダイナマイトであるが、それを使う人の手によって兵器にもなってしまう……。


 作中では『便利な道具』として描かれていた『ネット』ですが、悪意を持った人に使われると途端に牙を剝いてくるというのが今回だ。『優れた道具を使うには優れた品格が必要』とはよく言ったものです。



第289話・デマ(後編)~テレビの前で傷害事件を起こしたとあってはどうにもならない。ゲンたちは五友爆破を解散して責任をとろうとする。しかし、その頃ゲンたちのあずかり知らぬトコロでコトが起きていた。


『所感』~毎回書いてますが、このマンガの先見性はスゴイです。

 
 そう、そういう悪意に対しても、同時にネットは『これまでできなかった反撃方法』も与えているんですよね。しかし、テレビ報道というのも年々失墜しているなあ……。これが描かれて以降も今回描かれたようなヘマが続発するコトになる。


 オチの内田女史が残念ぶりを発揮してて良い。やはり彼女はヤラレキャラが良く似合う。



第290話・解体トンチン体操~保育園に鉄太を迎えに行った慶子は、よそのコとの差に不安を覚える。慶子は鉄太を体操の体験入学をさせてみるが…?


『所感』~ぶっちゃけ学校というのは『従順なヤツを育てる施設』なのだ。これが狙いだ。が、これは世の中の規律を作るうえで重要だったりする。中学生までの義務教育がなかったら日本はもっと酷い国になっているのは想像に難くない。


 が、俺のように真性にデキの悪いコというのは困る。俺が中学生の頃はいわゆる不良が『社会の歯車にならないぜ!!』と熱く吠えている時代ではあったが、そういうコたちはむしろ社会性があるぐらいに感じる。仲間内の上下関係とか礼儀とか厳しいから。俺は歯車すらなれないし。


 『あっ、俺、そういうの無理』って感じでこれまで来ちゃったけど、それで困ったコト無かったし、そういうのもアリなんじゃないかな?


 それにしても解体トンチン体操か~。俺がガキの頃は児童番組に◯◯体操というのがあったなあ。サンバルカン体操とか。最近だと『妖怪ウォッチ』がやってくれたな~。もっと、◯◯体操しようぜ!!
 


第291話・現場の声~溶接30年の高木は一本の鉄骨に違和感を感じていた。このままでは危ない。上司に掛け合うもないがしろにされてしまう。憂さ晴らしの酒の席でそんな事をこぼしていたが、ゲンをそれを聞いて高木を助けることにする。


『所感』~最近聞いた話で『才能』でも『努力』でも無い能力グリッド力というがある。これは日本古来でもある概念で『継続は力なり』だ。が、ここ最近は『継続は力なり』を軽視している方向にあると思います。もう一つは『餅は餅屋』だ。


 この回は『解体屋ゲン』の根底とも言える一本でもあり、『初めてゲンを読む人へのオススメエピソード』とも言えるでしょう。



第292話・半径10メートルの救済~自分の仕事に疑問を抱く三人……。その三人の前でゲンたちの仕事は困難に面していた。


『所感』~異色回&傑作回!!


 この回は『感じる』というのが特に大きい回で『とにかく読んで!!』というマンガブログ泣かせな内容になってます。過去に『仕事の奇跡』という回がありましたが『仕事に意欲を無くして腐る』という時期は誰にでもあるんですよね。そういう時、エネルギッシュな誰かがいると違うんです。


第293話・最後の1ページ(前編)~地質学者の坂田は崩落寸前の岩肌の処理に目処が立たない。旧知の内田女史からゲンを相談されるが、そのやり方が自然破壊になるということで拒絶してしまう。


『所感』~この回の坂田をみれば丁寧に描写されているが『自分は優れている』という驕りから『意見を聞いてない』というのがあって、ゲンの話を最後まで確認してない。この手の人物は『解体屋ゲン』にはよく出てくるんですが、これはリアリティある。人間は経験値によって行動フロチャートができると思うんですが、坂田もまた『そういう人たちにウンザリするほど会ってきた』というのも前提としてあるんでしょう。


 『解体屋ゲン』で留意しながら読みたいポイントとして『経験値の信頼性』であり『経験値からくるミス』でもあるんです。


第294話・最後の1ページ(後編)~自らの過ちを謝罪する坂田。ゲンは爆破に着手する。初めて爆破を目の当たりにした坂田は性的に興奮していた。


『所感』~久々の爆破解体というセリフの通り、確かにご無沙汰であった。作画担当の石井先生がそろそろ爆破してぇ!!と星野先生に要求して誕生したエピソードのコトだけはあります(嘘です)。初期の頃に見られた『アイディアで爆破』という、これもまたゲンさんらしいエピソードに仕上がってます。

 マンガでは定番である『脱臼を強引に戻す』があるんですが、あれってガンプラの関節みたいにハマるのだろうか?


第295話・消えた職人~緑化事業を推進するためには市井(イチさん)の協力がぜひとも欲しい!!自宅をたずねたゲンであったが不在だ。探し出したイチさんはホームレスになっていた。


『所感』~不景気の何が悪いのか?


 …という問いに対してのアンサーとも言える回だ。余裕が無くなると心の余裕を生み出すモノから切り捨てられていき悪循環になる。これが描かれた時代背景を考えると『若者の○◯離れ』とかしきりに言われた頃かな?若者にお金が回ってないんですよね。その鬱憤が作中で描かれたような蛮行に走らせる。『こういうのは残念ながら無くならない』という事実はありますが、同時に不景気が増加させるというのも事実で『減らすことはできる』ということ。


 若者代表キャラとしてケンタくん居たけど、ホント彼には復活してほしいわ!!


第296話・美の基準~イチさんが入ってくれたおかげで緑化事業がうまいきそうだ。ゲンは河島博士に合わせるが、二人は主義主張の違いから仲違いしてしまう。


『所感』~自分の場合、マンガに置き換えると解る。


 お互いに『マンガが好き』であっても、主義主張の違いというのはいかんともしがたく平行線になりがち。これはもう『諦めろ』としか言いようがないんですが、『その前にもう一度考えてみて』というのが今回の話のキーだ。そう、案外一致しているというのはあるんですよね。

 今回は秀美の残念ぶりが遺憾なく発揮されているのもグゥ!!この人はこういうのがなければ本当にモテそうなんだよなあ…。


第297話・心身機能~ゲンの頑張りが一流職人を集める成功に繋がった。しかし、内田女史から『彼らの健康状態は大丈夫なの?』と言われゲンはハタと気づく。彼らは職人らしく健康には無頓着であったのだから。


『所感』~アントニオ猪木の『元気ならばなんでもできる!!』という言葉!!あれはマジだ!!


 世の中で最も重要なのは『お金』では無い。『健康』だ…と最近ようやく気付いた。この健康というのは肉体管理というコトに目が行きがちですが、メンタルも含めての健康です。それに関して日本はまして、職人の世界は大幅に遅れているのかもしれない。で、今回注目したいのは『ゲンが彼等に目的意識を持たせモチベーションを上げる』というのがありますが、こっちきメンタル面での健康です。ゲンという作品では『モチベーション重視』ですね。


第298話・一発勝負(前編)~映画のPVから手応えは良さそうだけど、予算が無いのでこれ以上無理ッスな案件発生!!

 その頃、ゲンはオタクというコトで光と有華に攻撃されていた。


『所感』~『解体屋ゲン』では映画のネタが実は多いのですが、最近になって自分も映画をちょこっと観るようになってきた。


 今、『この世界の片隅に』が放映されてますが、この作品もまたクラウドファンディングで完成させた作品で、こういう方向性も出てきたのだろう。ちなみに週刊漫画TIMESで連載中のこやまけいこ先生も出資していてビックリしました(エンディングロールにて)。この作品だけは本当に皆さんに観て欲しいです。


 ただ、ゲンのアイディア頼りもクラウドファンディングも『リスクが高い』というのはありますね。やっぱり、お金持っている人が支えるのが健全ではあります。


第299話・一発勝負(中編)~ゲンは映画会社に呼ばれ、説明を受けて上機嫌だ。が、ギャラの条件が悪いのでやめにしようと決意する。しかし、映画スタッフの必死さに感化され条件を飲むのであった。


『所感』~マンガ・映画なんかの娯楽産業の直面している危機を実感できてない受け手は多い。だから『マンガ・アニメは世界に誇る日本の文化!!』なんてクソ同然の言葉を信じてしまう。これらの娯楽産業のギャラの少なさは本当にアタマを抱えるしかない。本当にヤバい事態になっている。マンガ家は一攫千金ドリームがあるなんてウソだかんな!!『進撃の巨人』のヒットなんかレア中のレアで『データとしてカウントできないケース』だかんな!!


 ラストの『やってやるぜポーズ』なんですが、石井先生はこのポーズがえらくお気に入りみたいだ。もちろん俺もお気に入りで、これが無いと『解体屋ゲン』を読んでいる気がしない。


第300話・一発勝負(後編)~背水の陣でのぞむ一発勝負の撮影はうまくいくのか!?


『所感』~300話目というアニバーサリーというコトもあり、『解体屋ゲン』というタイトル忠実にダイナミックな爆破シーンがスカッとする。これぞ『解体屋ゲン』だ。


 ちなみに時代劇であるが、今年は『超高速!参勤交代リターンズ』も観に行ったけど、メチャ面白かったよ!!ネットとかではあんまり話題にならないみたいだけど、こういう娯楽作もいいもんです。だから役者さんたちの言っている『手からビームでなんでも解決』というも分かるんですよね。万能は知恵を無くす。


 個人的に『ピンチはアイディアで切り抜けてこそ』だと。








 達成!!押忍!!
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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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