俺たちだって…          瀬口忍『囚人リク』 - 豚か狼か

俺たちだって…          瀬口忍『囚人リク』

瀬口忍『囚人リク』
01 /03 2017


 実はウルトラマンは『殺人をしたことがある』というのをご存知だろうか?


 初代シリーズの『故郷は地球』というエピソードでそれを確認できる。宇宙開発でアストロノーツ・ジャミラは事故で死亡していた扱いになっていた。が、彼は死んでなかった。不時着した星で生き延び、怪物化し、全人類に復讐する為に地球に戻ってきた。彼は最初に普通の人々が住む集落を襲う(重要なドラマポイント)。しかし、復讐をなすべき者の集まる、シンポジウム会場を目指す。そして、ウルトラマンに殺されるのだ。


 『俺はイヤだ!!だって、ジャミラは俺たちの仲間じゃないのか?俺たちだって、いつジャミラみたいになるか分からないんだぞ!!』


 …というイデ隊員の叫びは今も染み付いている。世の中のイロイロな事件は『自分と地続き』なんだと。




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 そう『囚人リク』においての内海は『自分らと地続きの人間』なんです。


 今回はリクたちがヒューマニズム溢れる行動をして、内海がそれを冷ややかに見てます。……どっちかと言えば、俺もまた内海みたいなヤツで、リアルの世界だと『そういうのやめてくんない?』とか感じちゃう人です。


 で、この対比というのはドラマに深みを与えるんですよ。


 『世の中の醜いモノを排除すればキレイな人間になれる』と排除したがる人たちは居ますが、それは想像力欠如からくる勘違いです。もしくは『今までよっぽど運が良かった』だけです。


 それまでの内海は『至極真っ当な人間』であった。が、組織に裏切られ、捨てられて、復讐しか生き甲斐の無い人間になってしまったんですよ。世の中の全てをネガティブにしか捉えられない人間になってしまったんですよ。これまで真面目に生きてきたが故に。今まで信じてきた美徳を散々否定された彼は、それをもう信じることが出来なくなっているんです。キレイごとはイヤだ…と。


 殺ろうと思えばいつでも殺せる


 …というのが今の内海だったりするが、それをしない。彼は復讐を楽しんでいる。それは彼に残った最後の人間性でもあるのだ。俺は彼を『一方的な悪』にしたくない。




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宇都宮 勇

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