嬉しい……という作品           『ポッピンQ』 - 豚か狼か

嬉しい……という作品           『ポッピンQ』

イロイロ雑記
02 /15 2017


 米原秀幸先生の傑作『ダイモンズ』にて、不良であったアランが主人公・ヘイトと会い勉強を教えてもらっているシーンがある。で、ヘイトが不良にボコられているトコロにアランが駆けつけて


 『お前等と付き合って楽しいはあったけど、嬉しいはなかった』


 …と言う。自分にとってこれはとても印象深い言葉なんですよね。自分にとっていうのは『楽しい』ものというのは大事ではありますが『嬉しい』もまた重要です。そもそもに『楽しい』というのはイロイロな方法はあるけど、『嬉しい』というのは獲得が難しい。



 ここ最近はたびたび書いているコトですが、昨年から今年にかけて珍しく映画を観てた。当たり年、と言うのも関連していて『オタク的に流行った作品』は観ましたし、そのどれもが素晴らしいものでした。ある作品は大変な興行成績を残したし、ある作品はクラウドファンディングから緻密で丁寧な作品を制作し、今も根強いロングランを果たしている。




 



 だけど、自分にとって『嬉しい』があった作品は『ポッピンQ』なんですよね。これが他の作品と大きな違い。



 この作品は東映アニメーション60周年の記念もありまして、かなりの期待を込められたものでしたが……まあ、興行成績が振るわなかったんですよね。ツイッターで『ポッピンQ』を検索すると次候補が『ポッピンQ ガラガラ(席が)』とあったりして、なかなかに厳しいのですが、同時に『好きな人は好き』というのもあって、今風に言えば『刺さった』ということなのかもしれません。



 確かにネガティブな要素は大きい。これは自分としてもハッキリ書いておきたいのですが『とにかくご都合展開が目立つ』というコト。また『ダンスで異世界を救う』というのも、いかにも取って付けた感はある。ネットなどで書かれているネガティブ要素はそこまで外れとは思わない。


 が、自分にとっての『ポッピンQ』はそこは大したコトじゃないんですよね。


 『ドラマそのものは良く出来ている』と感じました。そのドラマのタメに他の要素・統合性を捨てた……という気もする。フィクションにおいてのオカシイ部分というのは許容というかあんまり気にしない方なんですが、ドラマがおかしくなるのはとても気になるので。無理矢理ハッピーエンドにする為に死人が生き返ったりとか、そういう類のモノはイマイチ共感できないし、そういうのは『ドラマがおかしい』と感じちゃうんですよね。



 そして、『ポッピンQ』のドラマの軸って『多感な年頃の少女たちのつまづきと卒業』なんですが、これが『嬉しい』のです。


 そもそも、彼女たちの『つまづき』は共感しちゃいけないものなんです。まして、俺のようなオッサンは尚更で。なぜなら『そんな些細なコト』と一笑されるようなものばかりだから。これから大人になったらもっともっと大変なコトがあるのに、そんなコトでつまづいているのはダメなんですよ。世の中、もっともっと大変な人たちはいるし、彼女たちは恵まれているんです。甘えるな、と言われるかもしれません。物語の困難度としてはかなりハードルが低いでしょう。


 そうかなあ?彼女たちにとってはそれこそ世界が無くなるぐらいに大変な問題なんじゃないかな?


 ……という視点でドラマを展開させているのが『ポッピンQ』という作品で、これは他の作品には無い『嬉しい』なんですよね。それについてのドラマ展開は本当にストレートでごまかしが無く共感できるものでした。だからさらに『嬉しい』んですよ。頑張る彼女たち、間違っても、逃げても、悩んでも……それでも前に進もうとする彼女たちが『嬉しい』んです。



 世の中『楽しい』作品は多々ありますが、『嬉しい』とする作品はそうそう出会えない。だから自分にとって『ポッピンQ』は特別な作品なんです。そして、この作品が好きな人は『嬉しい』を感じたと思うのです。


 さて『ポッピンQ』なんですが、続編を匂わせている(かなり具体的に)のですが、自分は『これからが勝負だぜっ!!』とか思ってます。好きの力を信じましょう(By 水木しげる先生)。



 



 
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宇都宮 勇

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