怖い……!!           佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』 - 豚か狼か

怖い……!!           佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』

週刊少年チャンピオン
03 /07 2017


 『帰ってきたウルトラマン』(またかよ)はカッコ悪いのである。


 先代の『初代ウルトラマン』と『ウルトラセブン』がスマートに怪獣・宇宙人を倒していくのに対して、しょっちゅう負けていた。何しろ放送一ヶ月目の第四話『必殺!流星キック』の回で負けちゃったりしている。しかも情けなくうろたえているところに体当たりくらって退場というのだから、当時のチビっ子たちは『みっとも無いなあ~』と感じただろう。


 で、ウルトラマンこと主人公はみっとも無い特訓をして、再び怪獣の前に立つんですが前の敗北がフラッシュバックしてビビッて動けないというカッコ悪さです。


 だから俺は『帰ってきたウルトラマン』が最も好きなウルトラマンです。


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 怖い…という感情に打ち克つというのは尊い。


 そう思う。世の中は怖いコトだらけだ。勝つコトが分かっている戦いに向かっていくのは尊いとは思えない。人間というのは『安全である』という確信があるならば『どんなに酷いコトもできる』というのが習性としてある。例えばいじめなんかそうだ。傷つくリスクがあるならば相手は絶対にそんなコトしない。だからそんなのは尊くも無いし正統性はどこにも無い。


 だから『怖い』という感情に打ち克って行動できたものは讃えるべきだ。


 過去にも例に挙げているが『ドン・キホーテ』というお話が好きだ。確かにドン・キホーテは哀れで愚かで迷惑な男であるが、風車に突進していった彼は『怖かった』と思うし、それに『打ち克った』とも思う。本当にダメなのは『それをあざ笑った人々』なんじゃないかな…と自分は思っているのです。



 怖いと思った感情を否定しない。そして、立ち向かったヤツは讃える……そんなコトが描かれた今回の鮫島でした。


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