主人公=俺…じゃないので 金田陽介『寄宿学校のジュリエット』
マンガレビューRPGゲームとかが顕著なんですが、いかに自分の名前が登録できる作品であってもイコール自分という感覚が全く無い。マンガの主人公等のキャラクターもイコール自分という感覚が全く無い。『キャラクターは存在しなくても居るんだ』と思っているけど、やっぱり『自分では無い』と思っている。
たまに『登場するキャラクターに自分を重ね合わせて楽しんでいる』というような人も居るみたいなんですが、自分には全く辿り着けない領域です。歴史的名作『修羅の門』で、一度は主人公・九十九の放った虎砲に沈んだ片山が『菩薩の境地』に辿り着いて九十九を追い詰めるのですが、その時の
『俺はあなたみたいに菩薩の境地に辿り着けない』
…とあくまで自分自身のスタイルで勝利するんですが、これは良く分かる。自分も同様に『自分は自分にしかなれない』と思っている。『共感』と『重ね合わせる』は全く違うものだと思ってます。『共感』というのは『応援したい』とか『憧れ』とかそんな感じかな~。

さて、今回は度々取り上げさせてもらってます金田陽介先生の『寄宿学校のジュリエット』です。うん。この作品はアニメ化しても普通だよと思えるぐらいに人気がある。もちろん自分もアニメ化するには大賛成だ。
単行本の表紙が実に初見の購買意欲をそそるのですが、もちろん読んでみても間違いない。このマンガは『表紙詐欺』などという言葉からは最も遠くにある作品なのだ。
で、この作品の主人公・露壬雄なんですが、俺はコイツが大好きなのである。単純に『熱いヤツ』だから。
俺もいいオッサンであるが、マンガの変遷を辿ってみると、今みたいに売り場の表紙がカワイイ女の子ばかりではなかった。同世代なら分かるかと思いますが『きまぐれオレンジロード』が好きなのはちょっと恥ずかしいので言えないという空気であった。が、時代が進むにつれ今のようになっている。ただ同時に『コイツ、あんまり好きじゃないなあ…』という主人公が複数の女の子にモテモテ…というハーレムものが増えてきたのもあった。
もちろんこれもいずれ変わるであろう流れだ。
そんな中で『ジュリエット』の露壬雄という主人公は『待っていたぜ!!』と言えるような主人公像であった。俺としてはやはり『好きなヤツ』が『意中のヒロイン』とくっついてもらいたいのよ。主人公イコール俺では無いからこそに。自分はどこまでも物語は『傍観者』でしかないけど、だからこそ応援したいんですよね。
……で、俺が好きなヒロインは蓮季なんですが、なんかあんまりにも報われないので、このコには幸せになってもらいたいな~と思ってます。なんとかお願い!!
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