作画担当の巧さ             花形怜・才谷ウメタロウ『本日のバーガー』 - 豚か狼か

作画担当の巧さ             花形怜・才谷ウメタロウ『本日のバーガー』

週刊漫画TIMES
04 /08 2017


 『マンガか~。話は作れるけど、絵が描けないからな~。絵を描く人がいたら大ヒット作品できるよ』



 …とまあ、マンガを理解しない人はこの手のオッソロシイ発言を平気で言ったりする。これがフツーにマンガを読んでいる人ならば別に『そんなもんだろ…』と聞き流すが、『チョロく金儲けしたい』という意図が感じられたならば、控えめに言ってマンガの恐怖を叩き込みたくなる。あれだ『プロレスは八百長』という発言に対して、『そもそも論点がズレてる』と感じるファンとの温度差みたいな。


 その発言の軽率さは


 ①原作というのを甘く見ている

 ②そもそもマンガの作画もバカにしている。

 ③マンガ作画の意味そのものも理解の入り口にすら立ってない。
 


 …というコトなのである。作画マシーンなんと揶揄する言葉もあるし、例えば有名コンテンツ(アニメとかゲーム等)のコミカライズに実績の無い新人さんをあてがうケースがあるが、『マンガの絵の恐ろしさ』を軽視してはならない。マンガはネームで決まる。



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 さて、今回は 週刊漫画TIMESで不定期連載してます 花形怜・才谷ウメタロウ先生の『本日のバーガー』です。このマンガの作画担当の才谷ウメタロウ先生の『巧さ』が本当にスゴイ!!毎回高いレベルで発表していて怖いぐらいだ。


 
 『主人公・神宮寺はハンバーガー店を開き経営が軌道に乗ってきた。そこで彼はハンバーガーをさらに人々に認知されるようにバーガーフェス開催をする為に協力者を募る。人気店テイク・ファイブのオーナー潮ほのかは、このフェスはうまくいかない…と考える。しかし、神宮寺は諦めずに説得を続け、潮は課題を与え彼を試すのであった』



 …という流れの話を『いかに面白くするか?』というのが才谷先生の仕事だ。ここら辺、全く無駄が感じられないというのが恐ろしいのだ。



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 ①先に『私のハンバーガーを再現しなさい』という課題をクリアした神宮寺であり、確かな実力を感じたからこその、『だから私の言っている意味分かるでしょ』というレベルの高い者同士の会話になっているのが分かる。



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 ②イヤガラセではなく、彼女もまた真剣にバーガーと向き合っているからこその答え。だけど『浮上した課題をクリアできれば協力する』という流れがスムーズに進む。



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 ③課題をクリアする方法が閃いた神宮寺に呼ばれるも『半信半疑』と言う感じ。


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 ④課題を『見事にクリアしている!!』という驚きの表情。


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 ⑤潮が『コチラ側についた』というの決定づけるコマ。ここで、1コマ『タメ』を設けているのがビックリするほど巧い!!この『タメ』が無いと読者の印象はガラッと変わる!!また、末広がりのラインが引ける構図も良い!!マンガというのは『何気無い地味な1コマ』が大きく印象を変えてしまうのだ。その『恐ろしさを知らないでマンガ家になれるなんて思っている』ならマンガの向き合い方は考えた方がいい。



 この『潮がコチラ側になるまでのプロセス』というのを作画の才谷先生は見事に応えている!!同時にそれをイメージさせる花形先生の原作も見事なのだ。


 そして



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 今回の漫画TIMESでのワンシーンだが、潮の表情が『キチンとコチラ側』になっているのも巧い仕事だ。プロセスをキチンと消化しているからこその『表現』なんですよね。


 マンガの『スゴイ』というのはイロイロあって、特に評価とか注目を集めるのはエキセントリックな部分なんですが、こういう『スゴイ』も是非とも注目するとマンガはさらに楽しくなりますよ!!俺、結局は『自分の楽しみの為』にマンガ読んでますもん。マンガブログもその為なんです。





 
 
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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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