現実的な           板垣巴留『ビースターズ』 - 豚か狼か

現実的な           板垣巴留『ビースターズ』

週刊少年チャンピオン
05 /29 2017


 マンガというのはリアリティにならないんだけど、その中からリアリティを拾い上げる楽しみがある。それが読者の自由であり、特権だ。


 例えば、オチコボレが何かのスポーツを始めてどんどん勝ち上がり成長していく…というのは王道ではある。が、リアリティという意味ではそもそもにオチコボレというのは根性なくて頑張れない。それに昨日今日始めたヤツが今まで積み重ねてきた相手に勝ち進むというのもムシが良いだろう。が、『頑張るって大事だな~』とか感じて、それを読者が活かせればリアリティは在ったと思うんですよね。


 が、マンガだからこそリアリティをぶち込む…というのもアリだ。



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 今週の『ビースターズ』はリアリティのカタマリだ。行動に説得力がある。


 例えば、シシ組の面々からの親分です。ここで『話してみたら分かるヤツでした』というマンガ的な手法を敢えてとらないのが面白い。徹底的にクソでしたというのに落としている。


 それ以上に感心したのが市長の描写だ。


 おそらく彼は有能な市長であろう。シシ組を壊滅寸前に追いやっている…というのはそういうコトだろう。動機としては『市長としてチヤホヤされたい』とか『権力的なものが欲しい』とかあるかもしれないが、問題はそこじゃない。市長として有能なんです。有能なヤツだからハルを見捨てられるんです。ここでコトを大きくするのは無能なんです。


 そういうリアリティが今週はふんだんに在る。



 だけど、ラストシーンを見て『やっぱりマンガだ。マンガはこうでないといけねぇよな』と感じるのでした。


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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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