突き詰めろ!!スタンダード              炎堂たつや『シュゲイブ王国のグリとリナ』 - 豚か狼か

突き詰めろ!!スタンダード              炎堂たつや『シュゲイブ王国のグリとリナ』

週刊少年チャンピオン
07 /04 2017

 昭和のウルトラシリーズ…特に『初代ウルトラマン』と『ウルトラセブン』で異彩を放っていたのが 実相寺昭雄監督である。とにかくカメラワークがトリッキーであったり、独特のセンスが光る監督で円谷プロを語る上では絶対に外せない方だ。もし、これを読まれている方でマンガ家を目指しているならば勉強になるから観た方がいい。なんなら『怪奇大作戦』の『京都買います』もオススメだ。


 が、あるムック本の中で『実相寺より飯島のが巧い』と言っている方の記事が載っていて『はて?』と感じた。


 確かに飯島監督は『バルタン星人の生みの親』と言われるだけあって大変素晴らしい監督であるものの、どちらかと言えば『地味な良作』というのを作っている印象があった。インパクトある作品ったら実相寺監督だよな…なんて思っていた。



 でも、そういうのに上下なんて無いんじゃない?良い部分って人によって違うんだから。



 …と感じるようになったのは割と最近だ。マンガブログをやるようになってから。そして、飯島監督の作品に年々凄みを感じるようになってきた。




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 今週の読み切りに掲載された 炎堂たつや先生の『シュゲイブ王国のグリとリナ』はまさにこの『巧い』が凝縮されたような作品だ。作品そのものはスタンダードであるが、それを突き詰めたような面白さがある。



 ①分りやすい。

 ②30ページの中に無駄が全く無いどころか、キレイに要素が収納されている。

 ③情報提示の順番が的確。

 ④理奈のキャラクター


 ここ最近のチャンピオン読み切りの中では最高峰と言ってもいいぐらいにまとまっている。とにかく面白かった!!すげー笑った!!理想系のようなスタンダード作品であった。



 ①に関してはスタンダードの強みだろう。また、炎堂先生の丁寧な作画が『読みたい』と感じさせるハードルの低さがある。


 ②に関しては、俺がチャンピオン新人の記事書く度に言っている『ページ数減らすか、要素入れて』というコトに対するアンサーとも言える。この作品は30ページですが、人によっては倍のページになったりするし、30ページだと校長の件で終わっちゃったりする。実に自然に30ページが展開されている。

 
 ③に関してですが、これは飯島監督の『侵略者を撃て!』(初代ウルトラマン第二話のバルタン星人回)に通ずるものがある。先にオチを見せて読者の関心を惹くという巧さ。また、校長に対しても『恥ずかしい趣味』を先に提示させて『実はカッコイイ』けど、キャラにブレが無い(教育熱心・生徒を大事にする)というのも巧い。

 
 ④に関してですが、この理奈というキャラクターが大変に優れている。マンガ的に多少の設定にはなっているが、本当に最小限であり、このコは『実に普通であり、常識的』というコトで話を動かしている。マンガ、といえば突飛でエキセントリックなキャラか描きたがるかもですが、このマンガはそうでは無い。



 ネットという道具が皆に普及し、話題になるマンガというのは『一発型』になりやすい気がします。変わったコトやって注目集めよう…とする編集者も少なくないだろう。しかし、この『シュゲイブ王国』のようなスタンダードを突き詰めたようなマンガを侮ってはいけない。強いよ、このマンガは。




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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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