…となるとこうなるのでは?           吉田創『宇宙☆オリオンピック』 - 豚か狼か

…となるとこうなるのでは?           吉田創『宇宙☆オリオンピック』

マンガレビュー
08 /10 2017


 キングジョー!!!!!



 『ウルトラセブン』に出てきたコイツは、おそらく人類史上初でろあう変形合体ロボットである。ロボットもの、とカテゴリができるぐらいに架空ロボットというのは存在するが、やはりコイツは別格である。イマドキのロボットなどよりよっぽどロボットしている。


 まず、コイツは『セブンの攻撃が一切通じない』というコト。『金属で出来ているから、こうなるであろう?』という思想が感じられる。特にカメラが離れた場所にあって、セブンがビームを発射するのだが、ワンテンポ遅れて『衝撃波で水面が揺れる』という描写は別格でしかない。そして、コイツは『倒れたら自力で起き上がれない』という特徴がある。が、円盤に分離して再び合体するので特に問題が無いのだが、ロボットっぺえのは別格でしかない。


 最期はウルトラ警備隊の新兵器を直撃するのであるが『一旦キヲツケしてからバターンと倒れる』というのも別格でしかない。ロボットにとってのそれは『死』でなく『機能停止』なのであるから。


 マンガに限らずSFというジャンルは『難しい』とか『専用知識が要る』と感じる方もいるし、事実難解なのもある。が、基本は『もし、こういう風になったらこうなるのでは…?』と想像を豊かに楽しむものだ。


 我々にとってのSFチックなアイテムといえば、やはり『スマホ』が筆頭であると思う。これによって『こうなってしまった!!』というのは多い。もちろん恩恵もあるがスマホに縛られて『ひょっとして無かった方が幸せなんじゃ…?』という考え方もでる。別にSF
だからって、『スマホの構造を理解し、ゼロから設計しろ』というものではありません。


 そもそも二本足歩行の巨大ロボットなどメチャクチャ無駄のカタマリである。が、もしそれが存在したら…といい着眼点からの描写がキングジョーは秀逸なのである。50年も前の作品なのに。むしろ近年の作品のが『そういうものだ』に流されている感もある。


 






 さて、第二話が公開されました、吉田創先生の『宇宙☆オリオンピック』である。ちなみに前回記事にした時はウッカリ、宇宙☆オリンピックと書いてしまった。げっぽん。



 で、前回のチラッと触れたけど、このマンガのスタートの世界観説明は実に良い。『もし宇宙人が攻めてきたら?』とか『宇宙人が侵略して欲しがるものは?』というのが実に合理的で説得力がある。ここに自分は『SFとしての面白さ』を感じる。


 この作品のスタートで『まあ、こういう舞台にしたいからこういう感じでいいんだよ』といった感じの投げやりアンサーだったらガッカリだよ…って、実は「こういう作品はかなり多い」というコト。マンガは自由を免罪符に何の脈絡もなくビームとか撃てる系ね。もちろんビーム禁止という訳ではない。『…となるとこうなのでは?』という意識の欠落が作品をスカスカにしてしまっているのだ。ビームが撃てるなら『威力は?』『どういう原理で?』『他に使えるヤツは?』等々をイメージして無いと面白くならない。



 そして、今回の競技は『編み物』であるんですが、前回のシメで『それは無いだろ…』と思わせて、まさかの『編み物対決』である。が、読んでみて『納得』するものがある。


 そういうバックボーンがあるイベントならば『何もスポーツ競技だけに留めておかなくても良い』という説得力だ。これはキチンと設定が活かされている。これによって『競技の幅がとてつもなく広がった』というコト。マンガは荒唐無稽の中に枠なりルールがあってからこそ面白くなるものだと思いますが、ここら辺をキッチリ描いているのが『宇宙☆オリオンピック』の魅力だろう。


近年のマンガは『こういうものなんです』というのに怠けている作品も散見されますが、SFを描かれる作家さんは『…となるとこうなるのでは?』という着想から拡げていくから個人的には好みです。


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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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