週刊少年チャンピオン - 豚か狼か

アシカくん             森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』

週刊少年チャンピオン
06 /15 2018


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 ちょくちょく書いてますが、このマンガは『アシカくんが絡むと俺好みの展開になる』というのがあります。



 イケメンの優等生で人当たりも良くパーフェクトな彼ですが『実は周囲に気を使っているのが苦痛。狭く深くの人付き合いのが良い』となっているのが面白いキャラクターだ。


 ここにダメベクトルで共感を呼びそうな獏が絡むととても面白い。この作品は『昆虫武将』なんだけど、本題がらズレた(?)コッチの友情物語がホント楽しいんですよね。



 アシカくんはキャラクターとして使い方がとても面白そうだ。




後悔                   水森崇史『マウンドの太陽』

週刊少年チャンピオン
06 /12 2018



 マンガに対する考え方は個々違うし、それだから『面白い』と思ってます。



 その中で『感情移入』というのを考えてみると、例えば『悪かったヤツが人々との交流を経て成長していく』という描写があって、時折『俺が好きなシチュエーションなのにイマイチ感情移入できない…。いや、むしろムカつく!!』というのがある。その違いってなんだろうな~ってズッと引っかかっていたんですが、今週の『マウンドの太陽』を読んで気付きました。




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 『後悔』を描くコト。



 後悔から、変わりたいという願いが生まれて読者(少なくとも俺は)はそこに感情移入をするのだろう。最近思うんですが『願い』ってとってもキレイな感情だと思います。なんつーか、これがあるのって人間だけじゃないですか?動物のソレって願いじゃなくって欲望じゃないですか?


 変わりたい、って願いはとてもキレイなものに映るんですよね。どういう訳か。



 今週号の水森先生のコメントで『私事ですが、最近イズミンが可愛く思えてきました』というのがありますが、これは錯覚じゃない。以前も書きましたが、『成長物語はかったるかったり説教臭くなるかも…』という予防線として主人公・太陽でなくてイズミンに割り当てられたのかもしれない。ところが、そのイズミンが『やたら人間臭く』なってきて、そのポイントに『過去にしでかした後悔』というのが『変わりたい』という方向になり、今週爆発したように感じます。コメントからすれば『計算外の出来事』のような気もする。



 マンガのそういう『予測不能な生き物』が発動すると作品はガンガン面白くなる!!やはり、このマンガには何か在る!!




 とりあえず、マンガテクニックとしても『後悔を描く』というのは有効ではないでしょうか?



惹き付け上手                 板垣巴留『ヒースターズ』

週刊少年チャンピオン
06 /11 2018


 説教というのは厄介である。


 だいたいの場合が『生産性が全く無い』のだ。困ったコトに言っている方は気持ち良くて、言われた方は気分が悪い平行線であるから。世に説教好き…という人種がいるが、アレは気持ちいいからであろう。これは本能に根ざしたものなのだ。



 ドラマ性が高く好調だったマンガがだんだん説教臭くなってイラついてきたという経験をされた方もいると思いますが、アレはそういうコトでは無いのだろうか?いかにそれが正論であっても……正論だからこそ退屈で気分が悪いのだ。




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 『ビースターズ』の最大のキモはやはりユーモアだな…と感じます。



 このマンガ、おそらく『どんな有能な人がやってもあらすじ紹介は対して面白くならない』と思います。あらすじの中にユーモアは省かれるからだ。あらすじだけで言うならば『とても重い』のだ。そこをソフトにしているのが『肉食と草食が共存する世界』という動物物語であるが、学校で食殺事件なんてあった日には確実に猟奇事件の歴史に刻まれる。



 設定もさることながら、このマンガのユーモア密度の高さがそれを暖和している。



 そもそもに今回は『バトル中断』で本来的にはフラストレーションが溜まるのですが、ここでのファニーなやり取りがユーモアとなって次の展開を楽しみにしてしまうんですよね。



 世の中、シリアス一辺倒からの説教臭いコースで自滅したマンガは多々ありますが、『ビースターズ』のこういう部分はとても参考になりますね。




 

勉強の意味…とは?           西修『魔入りました!入間くん』

週刊少年チャンピオン
06 /09 2018


 『学校で習った勉強なんて実社会では役に立たないよ。勉強ばかりやってた人間はお高くとまって冷たい』



 …みたいなコトを社会人になって何べん聞いただろうか?まあ負け犬の遠吠えなんですけどね。学校っていうのは『いかに社会に合致できるか?』を訓練するトコロなんで、役に立たなかろうが勉強できる人間は『適性ある』とか『都合よい存在』と雇用側は捉えて当然であろう。



 それを踏まえたうえで、俺はやっぱ、学校の勉強の捉え方は役に立たないなあと小学校低学年から感じ、もともと悪かったアタマに拍車をかけて勉強しなくなった。しかし、ネットとか普及した現代に於いて『学問の記憶力勝負』で成績決めるのが変わってない…というのも驚く。俺が現代でガキであったとしても『バカバカしい』とやっぱり勉強しないだろう。



 勉強というのはまず第一前提に『好きなコトやる』で『教養を身につける』というコトと捉えてます。そして教養というのは『知識を得るコトによって深まった理解力』と考えてます。




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 今回のシリーズも『やってくれそうな予感』がヒリヒリする。



 そう、『勉強の意味』についてのアンサーだ。ここまでの経過としては自分たちの日常と変わりない勉強として描かれている。ところが偶然にも入間くんに適合する教化が見つかり、入間くん自身も勉強の面白さへの足がかりができたように感じる。



 ここから『勉強の意味』を導いていくと思うんですが、よく言われる『実社会では役に立たない』に対する『そんなコトないと思うよ』というアンサーを期待しております。




 ……しかし、このマンガはやっぱりトリオなんだな~。ここ最近は単独だったり、チームだったりしてましたが、原点はトリオですね。



合気道系              佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』           

週刊少年チャンピオン
06 /09 2018



 バキシリーズでお馴染みの渋川剛気でありますが、これにはモデルがあって塩田剛三氏がそれにあたります。



 ネット検索すればイッパツの時代ですが、やはりこのインパクトはスゴイ!!これを初めて見た方は『やらせだ!!』と間違いなく疑うだろう。そのぐらい芝居がかった動きである。が、その真偽はともかく、それを取り入れなきゃもったいないのがマンガでもある。



 脱力からの相手の攻撃をいなす……これの使い手はあらゆるバトルマンガでの最強クラスなのだから。




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 そういえばいなかったなあ…。



 割と力と力のぶつかり合いになるバチバチシリーズでしたが、今までコレにここまで特化したライバルはいなかった。この局面でコレを出す佐藤先生の勝負勘の良さに格別だろう。



 それにしてもコレはどうするのだろう?



 マンガというのはクエスチョンとアンサーの応酬ですが、『どうやって勝つの?』というクエスチョンに対してのアンサーが獏上がりしてしまった。が、ここはもうベテランの領域に達している佐藤先生だ。ものすごい返しを期待しようではないか!!




穢れなき…             安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』

週刊少年チャンピオン
06 /08 2018

 子供の頃ってシモネタを平気で言えますよね……。あれってやっぱり無邪気さがあって、なんつーか『その言葉が持つ破壊力』とか意識してないと思うんですよ。


 ただ、ここ最近はSNSが当たり前の世の中に在って、その恐ろしさに鈍感になりそうなりで怖い。自分的には『思う分には責任が無いが、今の時代は発すると責任が生じる』と感じてます。




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 今回の『フシケン』の『お兄ちゃんがエッチなの知っている』ですが、ここら辺は子供らしい無邪気さであろう。なんつーか、性の云々とかしらない子供故の天真爛漫さで。ここら辺『知ってくる』と嫌悪感が生じる時期もあると思います。自身もそういうのあったし。が、ここから『理解』になると『まあ折り合いつけねーとな』って具合になると思うのです。


 しかし、普段の高浜さんは絶対にエロサイトとか観てコーフンしているんじゃないかと。まあ、俺はAmazonでエログッズとかエロ下着とか買っているとにらんでます。



 ……それを大祐に知られて脅迫されるとかいうエロ同人誌とかあんのかな?ちょっと見たい。




異種間恋愛          石黒正数『木曜日のフルット』  

週刊少年チャンピオン
06 /07 2018



 『ウルトラセブン』の最終回では、地球が壊滅するピンチにおいてウルトラ警備隊のアンヌ隊員は行方不明になっていた主人公ダンの元に行ってしまう。そこでダンは自身がウルトラセブンであるコトを明かすのだが『ダンはダンじゃない』と言い切り、セブンに変身した後も他の隊員はセブンでなく、ダンと呼んでいる。


 そのシーンに『いいな~』って感じてます。これを描いた金城哲夫氏はどういう胸中だったかは今は知るよしも無いのだけど、自分はそこに希望を感じてます。



 フィクションに於いての『異種間恋愛』というのはロマンがあると思うんです。




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 …となると、今のチャンピオン誌では絶好調の『ビースターズ』がそれに当たりますが、よくよく考えると『木曜日のフルット』もそんな要素がある。この世界、いろんな生き物(今回は地神!!)が『なんだかんだ仲良く共存している』というものなんですよね。



 ここら辺が作品の空気づくりの一役買っているトコロは確実にありますよね~。なんつーか、ここ最近はヘイトで声優自主降板みたいなニュースがありましたが、できるならそういう垣根は無いに越したコトは無い。難しいコトですが、フィクションってのは希望を描くのも大事な役割です。


真面目な殺人者             板垣巴留『ビースターズ』

週刊少年チャンピオン
06 /04 2018


 ニュースで時おり流れてくる『マイノリティな方の性犯罪』なんですけど、あれ聞くと『そういう性癖でなくて良かった』とまず安心する。本能が欲求するものに対して、抵抗するってのは難しい。『運良くそうでなかった』という気もする。



 そして、そういう人だって『それを除けばマトモ』というのがあったりする。全否定じゃない。


 これまた、そういう資質を全く持ち合わせてなくて幸いであるが『人を殺したくて仕方ない』という欲求が強制的に湧き上がったらどうしよう?その本能に従うか?人里離れた奥地で細々生きるか?悲観して自殺するか?



 とりあえず救いは欲しいな。そして、外からは与えられないから、内からデッチ上げるだろう。仕方ない。




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 リズはマトモである。



 マトモであり、真面目ですらある。真面目であるからこそイロイロと救いを求めている。肉食に対する果てしない欲求…その一点以外は『俺たちと対して変わらない』というのもあるし、これは別次元でなくて延長線上の出来事だと思うんですよね。



 それだけに『殺人』というのは『それだけでダメージがはかりしれない』というコトだ。『人は人をなぜ殺してはいけないか?』という倫理の質問以前に『ならばそれに耐えられるか?変化ナシにすごせるか?』というのを咲きに議論するコトだと考えてます。



 さて、来週は回想に入りますが『ビースターズ』なんでスピーディにドラマを展開してくれると思います。テムの食殺事件が解決するとこの物語はだいぶ片付きますね…。ただ、ここで願いたいのは『引き延ばしせず物語として終了してほしい』というコト。板垣巴留先生にはキチンと構想を練ってもらって、またチャンピオン誌で物語を描いて欲しい…と思ってます。


 



 

ちぢむ!!        西修『魔入りました!入間くん』

週刊少年チャンピオン
06 /03 2018



 マンガの謎の出来事として『キャラクターが縮む』という現象がある。あれは一体なんなのだろうか?


 ただ、その縮むコトによってキャラクターが本来のポテンシャルを発揮している目安にも感じる。『ジョジョ第四部』の小林珠美も最初は高身長でガッシリ体型だったのに、僅か5話ぐらいでドチビになった。チャンピオン誌であると、みなもと悠先生の『明日のよいち!』の鳥谷だろう。最初はヤンキーとして登場したのに、だんだん縮んできて癒し系マスコットキャラとしての進化を成しえてしまった!!




 そして…




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 やっぱ、クララって縮んでいるよね……。



 彼女の立ち位置を振り返ってみると、まず登場は第三話とかなり早い。それもそのはずで、主人公・優秀な相棒に続いて『本作のヒロイン』として重要度が高いのだから。トリオ…として機能させるという明確な狙いだ。



 が、以降はアメリが登場し、なんだかコッチのが正統派ヒロインっぽくね?という進化をしているのに対して、クララは『愛玩動物っぽく』なってきた。アメリの気持ちがラブにシフトしているのに対して、クララはライクのまんまなんですよね。いや、ここでラブになられるとトリオとして機能しづらくなるんですが。



 ただ、当の入間くんはアメリに対しては『尊敬する先輩』というスタンスでライクのまま平行線であり、逆にクララには『一瞬、ドキっとしてしまった』というのがあったりしてます。




 ただ、今みたいにどんどん縮んでポッチャリ体型になっているクララの方が『なんか似合っている』という気がしてます。



動き            水森崇史『マウンドの太陽』

週刊少年チャンピオン
06 /03 2018


 度々書いてますが『修羅の門』は自分の考え方に大きな影響を与えている作品です。


 が、他の方にも勧めたい理由として『ドラマを切り離して格闘マンガとしても面白い』というのがあって、その要素の一つとして『動き』がある。例えば相手をブン殴ったシーンなどは止め絵的にヒットした瞬間をキメに使うのであるが、『修羅の門』はその動きの過程が感じられて惚れ惚れする。とにかく『動き』が感じられる作品だ。



 自分がもし『格闘マンガを描け!!描かないと殺す!!』と脅されたのであれば『修羅の門』を参考にして描きます。





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 『マウンドの太陽』の動きの良さも素晴らしいものがあるのは言わずもがななんですが。



 このマンガもまた『動きの過程がイメージできる』というのがあって、もしこの作品をアニメ化するのであれば生半可な動きでは『やる意味が無い』とバッサリ斬られてしまうだろう。そもそもこの『動き』に命懸けているような作品でもあるのだから。



 しかし、これはスゴい野球マンガだ。一見、スタンダードなんですが『ちょっと生半可にマンガを知っている人』より『フツーにマンガ読んでいる人』のがより楽しめるような気がする。そして、野球マンガが好きな層は確実にある。何度も書いてますが、この作品はそういう方に向けてどんどん発信して欲しい。今のトコロ掲載位置の悪さに不満を感じるのですが、この作品はこのまま続けていれば良い方向に転がる。人気に火が付くのにちょっと時間がかかると思いますが、チャンピオン誌はそこを早まらないでほしいです。


宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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