週刊少年チャンピオン - 豚か狼か

欲なきエゴイスト          古川一・白土悠介『虚ろう君と』

週刊少年チャンピオン
04 /23 2017


 マンガで『安っぽい悪役』というのがある。食いたいから食う…というぐらいの単純さで他人を攻撃するヤツ。マンガは動機をそれなりに描かないと面白くなんないけど、これも手法の一つだ。だけど、こんなのがラスボスクラスになる訳が無い。面白く無いし、魅力も無い。


 が、現実の『悪いヤツ』『イヤなヤツ』というのは意外にも多かったりする。欲望がらみで平気でミミッチイ真似をする。例えば、スーパーの障害者用駐車場なんかちょっと歩けば済むコトなのに、わざわざ障害者用プレートまで手に入れて駐車しているDQNワンボックスとかいるじゃん?エゴイズムというのは本末転倒になるぐらいに狂わせるんですよ。



 しかし、そういうミミッチイ欲が無いエゴイストというのはどうだろう?やっぱり現実には迷惑なんだけど、マンガだと途端に面白くなる。




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 新キャラ・比嘉くんはそんなヤツでした。



 彼に興味があるのは『解き明かす』だけです。その一点にのみ絞られている面白さがある。優秀な頭脳も、裕福な家庭も凡人がもっていたら『ひけらかす』だけなんですけど、彼には全く興味が無い。生まれながらにしての感覚です。『解き明かす』以外に欲望が無いんですよ。そして、その『解き明かす』ためにならばどこまでもエゴイストになれる人でもある。


 ただ、そういうキャラって自分はどこか惹かれるものがありますね~。


 『論理的に考えれば数学は解ける』とか『普通の事件にも飽きてきた』とかそんな感覚がスゲェよね。




 それにしても、敵は『組織』か~。新興宗教とかなかなかにチャンピオンっぽくエクストリーム展開しております。




少ないキャラで             炎堂たつや『守護いね守護霊さん』

週刊少年チャンピオン
04 /22 2017


 いろんな意味で伝説のマンガ『いけない!ルナ先生』ですが、このマンガはフォーマットがガチガチになっているのに毎回面白エロい。


 わたるくんの成績が悪い→このままだとわたるくんが死ぬor自殺する!!→お色気授業で克服!!



 ……というのを毎回毎回やっている(本当)。そして、もう一つの特徴ですが『キャラがわたるくんとルナ先生以外いない』というコト。この二人だけというのは驚く。




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 『守護いね守護霊さん』もまたページ数が少ない前後編というコトであらゆる要素は徹底的に削がれている。『スバルだけ見えるのはなぜか?』『なぜサチはスバルが異常に好きか?』等々読んでいれば自然と出てくるクエスチョンは省かざるえない。が、シンプルに楽しめる内容になっている。



 このマンガは三人しかキャラがいない。連載になったら増えるかもだけど。とりあえず。



 その中でサチと喜多村さんは対極なヒロインに描かれているから面白いのだろう。


 サチは病的な愛情の持ち主ですが、同時にバカ分かりやすいという裏表の無さが魅力だ。一方、喜多村さんは計算高く黒いというのはある。ひょっとしたら抱きついたのも演技という気すらする。ここら辺の対比はクッキリしていて、極限まで要素を切り落としたマンガならではの面白さだろう。個人的にはサチ派なんですがね。

出揃い             西修『魔入りました!入間くん』

週刊少年チャンピオン
04 /22 2017


 マンガはキャラクターが最重要!!キャラが魅力的ならば作品は面白くなるというマンガ家さんは多い。だとしたら、初期の段階でそれを揃えておく必要がありますが…



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 とりあえず『入間くん』は今回で初期の土台作りは完了したかな~というのはありますね。単行本にしたらここまでが一巻分の内容っぽいし。


 このマンガはどこに向かうのかイロイロと考えて見ましたが、やはり『学園コメディ』というトコロでいいのかな?なにぶん、どのキャラも個性的ですが、同時に『コイツ嫌い!!』というようなキャラもいない。なかなか頼もしい布陣として出来上がってます。


 そして、次週からの展開はどうなるのだろう?ストーリーマンガなのか?読み切りなのか?数話で1エピソード方式(チャンピオンだとGメン)なのか?ただ、キャラクターはとてもユニークですね。イロイロなキャラのエピソードを読みたいです。


 

デキる男とは?            小沢としお『Gメン』

週刊少年チャンピオン
04 /21 2017


 誰にでも承認欲求はあるものですが、これが過度になってくるとタチが悪い。本人にそのつもりはなくとも『常にアッピール』という状態だ。人間関係=マウント取りたがる人とはあんまり関わりたくないなあ。


 自慢話を聞くというのは実はあんまり嫌いじゃない。嫌いなのはマウントを取るのを目的とした自慢話なんです。



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 今回から薙の話になりますが、瀬名に隠れつつも何気にモテ要素がある。モテない男の常套句として『今はオンナはいいや。ダチとつるんでいるのが楽しい』というのが全く無理も見栄も感じられない。



 で、ここはテクニックなんですが、いまだに肝田が『俺は童貞じゃない!!』とアッピールしているのが巧い対比だ。梅田の『防波堤だな…』というセリフが的を射ている。モテない男は『何かの間違いで得た成功と性交』にすがるのだな……。


 成功ばかりしている人はやはりスマートだ。




物は大事に            安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』

週刊少年チャンピオン
04 /21 2017



 『物を大事にすれば、その物はキチンとこたえてくれる』


 …という考え方は『くだらない』とする方は多いし、そもそもに縁起的なものでしかない。だけど、その考え方が素敵だな~と感じるのは、心の豊さを得るコトに間違いないからだ。


 たまたま偶然に良いコトがあれば単純に嬉しいからね。




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 今回の松子はそう捉えるといいんじゃないでしょうか?



 それにしても『イカ娘』では封淫していたエロスを積極的にやっているなあ……。しかもフェチ入っているし。いよいよもって下着を見せてないのは鈴だけになってしまつたよ……。



再登場            山田胡瓜『AIの遺電子』

週刊少年チャンピオン
04 /21 2017

 読み切りマンガでも、しばらくしてからキャラが再登場すると嬉しいんです。例えば『ゴルゴ13』の『アット・ピンホール』のエピソードに出てきた銃工のオジサンとかね。例えば『解体屋ゲン』で10年ぶり以上に出てきたケンタくんとかね。



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 あれ?彼等はそのまま準レギュラー?



 このエピソードはお気に入りなので嬉しいトコロ。何気に良いコンビですよね。



 それにしても、スピリチュアルなブームというか、そういうの根強くあるのはなぜだろう?しかも、世間一般としては優秀な人がハマる理由がサッパリ分からん。



なにもかもうまくいっている…のに         佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』

週刊少年チャンピオン
04 /20 2017


 『理想の人生』には各々あって、確率は上げられるけど、絶対的では無いなあ…と思う。


 何もしないで『だったらいいな~』で人生は得られないと思うのですが、それに向かって努力して、周囲への感謝を忘れず、謙虚であった結果であれば文句はあるまい。それに対してケチをつける方が貧しい心なのだから。




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 なにもかもうまくいって、人格も行動も完璧だった百雲に何があった!?



 いや、何があったかは分かる。泡影との取組だ。しかし、どういう真理変化があったのかは分からない。あまりの格の違いを感じたのは分かるが……。



 ただ、『なにもかもうまくいく人生』というのは存在しないコトを描いているのは確か。鮫島の世界では『何かが足りない者たち』が鮫島との取組で変化していく物語ですが、この百雲は『なにもかもうまくいっているし、人物としても申し分ない』のだ。


 そして、取組するのが常松というのもいつもと違う。面白い変化つけてますね。

なるか?再浮上           板垣恵介『武蔵道』

週刊少年チャンピオン
04 /20 2017


 バトル系のマンガは次から次へと『より強い敵』が出る。


 なので、以前の敵が味方になったら悲しいほど弱くなっていたというのもよくある話でした。特に昔のマンガは顕著で『押忍!空手部』は人間不信になるレベルでした。



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 さて、今週からは花山に仕事がまわってきましたが、読者としても不安タラタラでしか無い。ここ最近は全く良いところがなかったしなあ……。花山は『強いイメージ』があったのはどこら辺だったか?意外にも地下最大トーナメントは二回戦で敗退してたりするけど、弱いというイメージは無かった(あと、黒星多い)。やはりバキ史上のベストバウトは『花山VSスペック』だと思っている自分はあるしなあ。


 花山もまた本部同様に再起できるか?




好きと恋と愛            炎堂たつや『守護いね守護霊さん』

週刊少年チャンピオン
04 /18 2017


 好きという感情もまたイロイロあるなあ……と。


 例えば『これがもうワタシの全て!!』というぐらいに好きを強調してた人が、しばらくあったらそれに興味を無くしていたりしてビックリする。聞けば『人間というのは好きの対象物は四年間で新たな要素を見つけないと飽きる』らしい。そういう人はとりわけ早かったのかもしんない。


 その好きも恋とか愛とかに変化したりする。が、好きという感情がそれらに較べて弱い感情なんてこともなく、場合によっては好きが愛を凌駕するとも感じる。



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 前後の読みきり掲載になっている 炎堂たつや先生の『守護いね守護霊さん』が面白い。


 まず感じるのが、僅か12ページの中にキチンとオーソドックスな話が納まりスムーズに読める技術点の高さだ。また、作画がとても丁寧な方で、おそらく印刷に出てない部分がある。ここら辺はアナログマンガ家さんが顕著なんですが、生原稿が単行本とは全然オーラが違ったりする。


 さておいて



 このマンガで面白いのが愛情の違いによるチグハグ感だろう。


スバル→  サチ=好き   喜多村さん=恋

サチ→   スバル=愛   喜多村さん=嫌いでは無いが大きく嫉妬
 
喜多村さん→ スバル=恋


 …という感じで。この両者の恋もまた『友達以上恋人未満』というぐらいのサジ加減で発展には至ってない。対して、サチは恋ではなく愛情であろう。『デザイア』というエロゲで『それはアナタが浮気をしない彼が好きというだけ。もし彼が浮気をしてもどんなに酷いことをしても私は好きだわ。だってしょうがないじゃない、好きになっちゃったもんだから』というのがありましたが、そういう領域の愛に感じます。


 ここら辺のチグハグ感が面白い振れ幅を僅か12ページの中で活かされていて、サッと読めて楽しい気分になれる秀逸な作品ですね~。また、作者の方も『伸びしろ』がかなり感じられます。週チャンの方で開花させてほしいな~。



落差            佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』

週刊少年チャンピオン
04 /17 2017



 スポーツマンガというのは誇張の世界になる。


 トーナメント戦を勝ち進むにしても、とにかく『僅差で勝つ』という感じで。しかし、現実には毎回ギリギリで勝っているようなチームが優勝することは無い。それをいかに魅せるかがマンガなのだ。




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 『バチバチ』から続く『鮫島』はとにかく『落差』がすごいなあ……と。


 やさぐれて引きこもりニート率高さといったら、数あるスポーツマンガのなかでも脅威の数字であろう。ここから、彼等は立ち直っていく訳ですが、ここら辺のアンサーの巧さが佐藤タカヒロ先生ならではだろう。


 今回の百雲には何があったのか?やはり女にフラれたのだろうか?吉田栄作主演『もう誰も信じない』状態だ。



 しかし、これは相撲に限らず俺たちもイロイロあって仕事とかしているしね。そういう折り合いを見つけるという意味では、とてもハートにくる作品である。


宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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