週刊少年チャンピオン - 豚か狼か

動機を理解したい           板垣巴留『ビースターズ』

週刊少年チャンピオン
06 /20 2017

 たがみよしひさ先生の傑作『軽井沢シンドローム』で主人公・耕平の父親の死について語られるシーンだ。


 『昔は事故とは思わなかった。死んだ奥さんをとても愛してたからなあ。でも今は事故だと思っている。死んだ奥さんをとても愛していたから』


 …という『どっちの理由もあるけど、時間の経過で考え方が変わった』というセリフだ。動機、というのがあって、当たり前なんだけど忘れちゃうんですよね。人それぞれだっていう当たり前を。それを自分の枠に当てはめて正否の二元論で判断しちゃダメなんじゃないでしょうか?




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 今回は『なぜハルはヤリマンなのか?』という確信の部分に踏み込んでいて作品の緊張感もなかなかスゴイことになってます。


 が、これに関してはどうだろう?ここで注目したいのは『ハルには他に二人の兄弟がいる』 というコト。ハル自身は身体が小さいとかあったみたいですが、それでも似たような環境に育った二人がハルのようなヤリマンORヤリチンに育った訳では無いだろう。むしろハルは『変わった子』なんです。


 ただ、その『変わった子』であっても、シッカリとした動機はあるんですよね。


 おおよその方は理解はできないであろう。いや、理解できちゃダメなんです。だけど『理解したいかな…』という気持ちぐらいはあってもいいかな~と思うのです。そのことに真面目に向き合っている方ならば『理解できない』からといって排除しちゃいけないんですよ。いや、そんな難しいコトじゃない。『そういうヤツも世の中には居る』ぐらいのスタンスでいいんです。


 実際、ハルとしても『理解はいらないけど、ほっておいて』という雰囲気を常に出してましたね。


 それにしてもレゴシへの可能性も出てきたか~。これは楽しみな展開!!


続く…続くんだな            佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』

週刊少年チャンピオン
06 /20 2017


 誰にでもある


 …と思う。死にたいぐらいにしんどい時って。先を見通すとそれがウンザリするほど長いとか困難なんで死にたくなるよなしんどい時が。で、コツって訳でも無いんですが『とりあえずその場をしのぐコト』というのが大事だったりする。最悪というのは案外ずっと続かない。いや、続くにして時間の経過というのは案外なんとかしてくれるもんです。


 そう思わないとやってけないぐらいにだいたいの人の人生はしんどいもんです。ラクな人生は無いけど、ラクすると負債が増える。



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 今週の『鮫島』は子が父を諭す…という意外にもマンガでは珍しいシーンがメインとなってます。


 いや、ホント。生きてる間は終わりじゃないんです。続く、続くんだな。ホント、ウンザリするぐらいに。ただ、それも終わってみれば『悪くなかったかな』と虚勢でも勘違いでも良いから言えるようになりたいですね。


 人生観というのは人それぞれですが『終わりまで終わりじゃない』という現実は確実にある。だから、抗わないといけません。何としても。


実は       西修『魔入りました!入間くん』

週刊少年チャンピオン
06 /19 2017


 マンガのキャラって『共感』は大事だと思うのです。


 例えばメッチャクチャ悪人(チャンピオン誌だと鬼道院とか)なんだけど、『ここの部分は分かるよ』という共感って大事だと思うんですよね。マンガって所詮は『絵に描いた餅』ではあるんですが、そういうコトを描くと身近さを感じる。『自分とは無関係の世界』と感じさせないのがキモです。



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 その中で『入間くん』はかなり読者視点に近いですよね。頼まれたら断れないお人好しとか、他人に対して強く出れない優しいところとか、真面目なトコロだ。世の中において、実はそれは『損をする性格』であるものの、そういう部分が魅力的で身近さを感じる主人公ではあるんですよ。



 だけど、この入間くんは俺たち読者と決定的に違う点が一つあるんです。



 それは豪胆であるコト。



 この少年は実はビビッたりしない、というのが俺たちと大きく違うトコロだ。これまでのハードな人生がそうであって、そうなってしまったのかは分からないが、とにかく魔界に来ても取り乱したりしてない。



 じゃあ、入間くんは『別の世界の住人か?』と聞かれればそうじゃないんですよね。むしろ『ひょっとしたらなれるかも?』という希望を持たせているんです。ここら辺、実に魅力的な主人公です。入間くんあっての入間くんですね。


 そして、来週は巻頭カラー!!やったね!!



俺たち地底人!!       掛丸翔『少年ラケット』

週刊少年チャンピオン
06 /19 2017

 最近よく書いているコトですが、自分は『キミの名は。』を観て、ウルトラマンの光に飲まれて消滅した地底人たちの気持ちを理解しました。


 そう、まぶしいものに対する憧れ!!


 優秀な成績が欲しい!!

 スポーツ万能になりたい!!

 もてたい!!

 美形になりたい!!

 お金持ちになりたい!!

 権力が欲しい!!


 …等々だ。それらをボク等が手にしたトコロで消滅するんや!!ボク等はそういうものを欲してはいけないんだ!!ボク等に許されるコトは牛丼をハラ一杯食べるとかそういう話である。なあ、腹いっぱいの牛丼だって十分に幸せじゃあないか?


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 さすがに今回のダブルス戦は期待できないですね……。『キラキラ!』というマンガで浮気した彼氏が咎められて『うるせーなー。ブスにもの言う資格は無ぇんだよ』ど逆ギレしてましたが、認めたくない強力な説得力があったなあ。


 そう、ボク等のような地底人は人権・正義等の甘言に逃げることは許されないのである。イケメンこそが正義だ!!エロゲヒロインだって、ブスなら誰もやらねーという事実!!自分がしているコトを他人にされて憤るのは許されない。それはボク等地底人に残された最後のプライドなんや!!


 …そして、そんなプライドを持つ地底人コンビのもしもに期待しようではないか!!


地味に効果は絶大だ          古川一・白土悠介『虚ろう君と』

週刊少年チャンピオン
06 /18 2017


 『ウルトラマン』とかのヒーローもので必ず出るイチャモンとして


 『なんでいきなりスペシュウム光線(決め技)で始末しないの?』



 …というのがある。そう言えば『水戸黄門』も暴れて勿体つけてからの印籠である。ンなモン決まっている!!それが『フィクションの面白さ』だからだ。イチャモンの自覚があるなたまにはいいけど、マジで言ってるならば残念ながら物語に向いてないので他の楽しいコトに没頭した方がいい。


 が、そこは偉大にウルトラシリーズである!!『ウルトラセブン』の第一話『姿なき挑戦者』の回で、それをやっている。敵であるクール星人は出現してから二秒で真っ二つにされていて、やはり見せ場の重要性を自覚するだろう(初期のセブンのバトルは淡々としていた)。



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 何もタイマンバトルしないで、アタマを使って敵を内部崩壊させよう!!



 …というのが今回の『虚ろう君と』なんですが、このマンガに関してはこの路線のが面白いような気がしてきた。やっぱりマニア好みなんですけど、やっぱ俺はこのマンガは毎週楽しく読んでいるしなあ。変にインフレバトルになってないし、工夫で勝つのは面白いんですよね。その読み応えは確かにある。



 また、ダイレクトに『殺す』相手に対して、社会的・存在的に『殺す』という対抗策も面白い。こういう方向だとメジャー性が削がれるんですけどね。先の『二秒でやられたクール星人』ですが、これが長々殺陣をやっていたら作品の緊張感が削がれる結果にもなった訳で、取捨選択というのは難しいものです。



 新型の虚人が出て女性型も居るみたいなんですけど、アホ毛がやたらと長いですね。アホ毛の長さに比例して戦闘力が決まるとなったら、さなかの何倍も強くなります。さて?



自分は正しいことをしている!!         山田胡瓜『AIの遺電子』

週刊少年チャンピオン
06 /18 2017


 その気になれば相手をいくらでも非難できる



 …というのはある。まず『明らかに悪いコト』というのがある。殺人とか盗みなんて論外ですが、誰しもやっちゃう悪いコトというのがある。それを見つけ出して『どうしてそんなコトしたの?』みたいに責め立てる…というのは誰にもできるコトであり、それは気持ちの良いコトなのだ。


 ネットなんかだと、その人に直接関係無いのにわざわざ絡んで強い言葉を浴びせている人っていますよね。まあ、やっぱり人だから『気に入らない』とか意見したいとかそういうのはあるんです。人間は白黒の生き物じゃない。灰色なんだから。だけど、黒い気持ちに染まってしまったら……それはさぞかし醜いものなんです。



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 せっかくの美人が台無しですね。



 今週の『AIの遺電子』はまさにそんな内容でした。おそらく『相手を想って』というのは変わらずあったと思うんですよね。そして相手は『明らかに悪いコト』している訳ですから言葉の暴力を無制限にしてもいいという状態です。自分は『人間の本質は悪』と想っているトコロがあって、そこはまさにここなんです。『反撃してこない安心感ある相手にはどんなに酷いコトもできるようになる』というのが人間なんです。最初はそうじゃなくても、次第にそうなっちゃうんですよ。おそらくほとんどの人が。



 それは『弱さ』です。



 その『弱さ』に飲まれないために『醜いな』というものを嫌う気持ちを持つように監視するのは自分自身です。今回のエピソードはここらも含めて実に充実してました。


バトル勃発             安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』

週刊少年チャンピオン
06 /17 2017


 よくチャリで走るトコロが通学路区域なので、チャリ中学生とは遭遇する。


 『弱虫ペダル』でも描かれているようロードレーサーは競技としての道具でもあり、通学用のチャリとは根本的に違う。にも関わらず、たま~に張り合ってくるクソガキは居る。なんつーか、通り魔的な。


 そういうクソガキは実は嫌いでは無い。が、やはりコチラがフツーにこいでいても簡単に引き離せる(先にも書いたように単純に道具の差)のですが、信号無視してまで迫ってくるので、以降はコチラがテキトーなタイミングで抜かせるコトにした。そういうクソガキは嫌いではない。




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 そして、今週の『フシケン』における意地の張り合いも嫌いでは無い。というか、ボクが大祐クンだったら確実に夜、使っているでしょう。ごっつぁんです!!


 しかし、こういう『なんかムキになっちまった』って意外と大事なコトだと思うんですよね~。こういうのを『合理的でない』とか言っちゃうヤツってつまんねーとか感じるんですよ。合理主義というのがエライとされる昨今ですが、はたしてそうなのかな?という疑問゛が最近の自分の中に在るんですよね。



 そして、来週は新キャラか。単行本表紙も『晶・鈴・高浜・先生・妹』とカウントすると六巻までしか持たないから、そろそろ投入時期かも。ただ、その予想を裏切ってエロゲに出てきそうなお調子者の友人だったら笑うしかない(そして、そういうヤツのがモテそうなんだよね)。


労力ナシ!!娯楽!!        綿貫琢己『ヤンコと帽子』

週刊少年チャンピオン
06 /17 2017


 俺自身は小説の類をあんまり読まない。なぜなら『カッタルイ』から。一冊読むのにかなりの労力がかかる。そのくせ文章打ちしているのだから、自分でもよく分からん。ただ、そういう性分なので『ラクに読める』は守りたいところ。分かりやすくて、絞られていて、長くても三分程度で。できているかは別として、『読んでいただく』というのを考えてます。



 なんで、マンガなども無闇にページ数多かったり、アレコレ手を出している作品はちょっと相性が悪い。カッタルイんです。



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 今回の新人奨励賞 綿貫琢己先生の『ヤンコと帽子』はそういう意味ではなかなか興味深い。とにかくシンプルな構成になっている。ストーリーとしても『背伸びオシャレをしたいヤンコが奮発して帽子を買うも、からかわれて捨てる。でも…とあきらめられなくて』という心理変化中心の内容だ。個人的にはもうちょっとページ数を減らすか、選評にもあったように『あとひとつふたつ出来事を入れる』にして欲しかったかな?



 ただ、このマンガ『気付きにくいスゴイ部分』がある。実はほとんどの新人ができないコトであり、下手すると大賞を獲るような作品よりも秀でた部分がある。



 読むのに労力がいらない



 …これは大きな武器だ。読むのに労力がかからないけど、娯楽としてキッチリ楽しめるという仕様になっているのは大きい。いつも書いているけど、こういうマンガブログなんて書いちゃっているのは『少数派』であり、そういうヤツはそういう美点をあんまり見ないんですよ(これは自戒を込めて)。逆にマンガを支える『フツーにマンガを読んでいる方々』というのはそれこそ作者名すら覚えないんですが、そういう方の支持を得るにはこの要素は必須だ。



 今後の課題としては『絵に綿貫先生らしさ』が出るコトと『労力ナシベクトルを邁進する』ように感じます。これからに期待のかかる方ですね~。


まばゆい光           板垣恵介『花山道』

週刊少年チャンピオン
06 /16 2017


 『無敵超人ザンボット3』のリアルタイム放映が四歳ぐらいだったような気がするが、当然内容が理解できるようなものではありません。が、イロイロと覚えていたし、それが再見するキッカケになった(当時ザンボットの為にレーザーディスクを買った)。


 この作品、やはり自分の中で『ザンボット』を超えるアニメ作品がいまだに出てないし、『いい加減に出て欲しい』というのがあるんてすが、やはりラストのホワイトアウトしていくのが巧い、巧過ぎる。なんとかしてくれ。いい加減、40年も超えるアニメが出てないのはさすがにマズイ。



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 今週の『花山道』はいつものクドい展開というモードに突入してしまいました。個人的には『こういう描写よりもっと単純明快なシバき合い』のがいいんだけどな~。



 ただ、この光の表現を見て考えるトコロもある。



 マンガに於いて、今まで光の表現というのはあんまり採掘されて無いのではなかろうか?というコト。もちろん紙というのは光らない。だけど、尚更ここに踏み込んでもらいたくはあるなあ……。そういう意味では今回の『花山道』は面白かったですね。



 

バカな子             福地カミオ『猫神じゃらし!』

週刊少年チャンピオン
06 /16 2017


 テレビはマジ観するコトがほとんど無いんですが、たま~にカワイイ動物やっているとついつい見入ってしまう。


 あの動物たちは『バカだからカワイイ』というのはあるなあ。もちろんこれは馬鹿にしている訳では無い。なんつーか、その『濁りの無さ』に憧れがあるんですよね~。



 
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 こまりは良い子!!


このマンガを支えるこまりなんですが、やっぱりこの『良い子』っぷりがあって、そこに『バカな子』という要素がミックスされての破壊力です。で、オヤジがクズいんですが、娘には甘々なのもね~。


 しかし、今回のこまりはいつも以上にバカな子ぶりがすごかったよ……。バカな子ほどカワイイというのは本当な気がする。


宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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